麓と山頂では天気が違う!富士山に登るときの注意点

富士山に登る前に大事なのが天気や気温の情報をこまめにチェックすること。1週間~数日前、前日、当日のタイミングで必ず最新の情報を確認し、万全の態勢で富士登山に臨むことが大切です。
注意①5合目と山頂では天気も気温も全く違う

富士山の5合目と山頂では1400m以上標高差があり、天気や気温が全く異なります。標高が100m上がる毎に気温は約0.6℃下がり、
富士山山頂と5合目では15℃~20℃ほど違います。また、同じ気温でも風が吹くと体感温度はぐっと下がります。
注意②日の出前が特に寒い

富士山山頂の日の出前の気温は平均5℃で、時には真冬並みの気温にまで冷え込む場合もあります。また、風も強いため体感温度はさらに低くなります。そのため、山頂で御来光を見る計画を立てる場合は、特に防寒対策をしっかり行うことも必要です。
注意③雷が多い

日射しで暖められた地表と、上空の冷たい空気との温度差が激しい夏の富士山では雷が発生しやすく、天候も急変しがちです。富士山のような森林限界を越えているような山では避難する場所もなく、雷は命取りになります。そのため、
雷注意報が出ていたら登山は控えましょう。富士登山1週間~数日前

1週間~数日前から週間天気をチェックして、当日がどんな天気になるかを調べましょう。ただし、天気は急に変わることもありますし、
週間天気予報は予報の発表日時から離れるほど確率も下がります。週間天気予報は計画を立てる際の目安にし、前日や当日に必ず天気予報の確認が必要です。
富士山の週間天気を調べる
富士山の週間天気予報、登山に適しているかを表す「登山指数」をチェックできます。
てんきとくらすで富士山山頂の天気を調べる富士山の10日間天気予報や高度別の気温や風速の予測をチェックできます。 tenki.jpで富士山の天気を調べる
富士登山前日

気象庁、日本気象協会、ウェザーニュースなどが各々で天気予報を行っています。そのため、天気予報サイトによって天気予報が異なっていることもあります。翌日に登山を決行するかどうかは、複数の天気予報をチェックして判断することがポイントです。
富士山の天気を調べる
富士山の今日・明日の天気と、登山に適しているかを表す「登山指数」
をチェックできます。
てんきとくらすで富士山山頂の天気を調べる 富士山の今日・明日の天気、高度別の気温や風速の予測をチェックできます。tenki.jpで富士山の天気を調べるより詳しく天気を調べるには、気象庁の予報を活用!

気象庁のHPでは、現在発令されている警報や注意報など詳しい情報を調べることができます。夏の富士山では、雷が発生しやすく雷注意報が発令されることが多くあります。山での雷は非常に危険で命取りとなることもあり、雷注意報が出ていたら山行を控えましょう。
気象庁HPで警報や注意報が出ているか確認する 気象庁HP 気象警戒・注意報(富士吉田市)ライブカメラも使える!

富士山の各地に設置されたライブカメラをチェックすれば、富士山上部の様子や現地の今の様子がわかります。現地の今の天気がわかれば、今後の天気の予測が立てやすくなるので便利です。
5合目からの富士山をライブカメラで見る 富士山山頂(ご来光館)のライブカメラを見る富士登山当日

登山の当日は気象情報や雨の様子、落雷情報を確認します。雷注意報が出ている場合は無理をしないで登山を中止しましょう。
富士山の降水・雷情報を調べる
気象庁でレーダー・ナウキャストにて、降水強度分布予測を調べることができます。 気象庁HPのレーダー・ナウキャスト(甲信地方)を見る 東京電力が提供する雷・雨量実況情報で、実際の降水量などを調べることができます。 東京電力の雨量・雷観測情報を見る 中部電力が提供する3分ごとに更新される雷情報を調べることができます。中部電力の雷情報を見る雨予報だと富士山には登れないの?

富士登山を計画している最中に、よくある疑問をまとめました。
天気予報は晴れだから、雨具は持って行かなくていい?

5合目と富士山山頂では全く天気が異なります。また、天気が急変し雨や強風になることも多いので、必ずレインウェアとフリース、ダウンなどの防寒着を持って出かけましょう。
雨予報の時は登山を控えるべき?自分で判断できない・・・

富士山では麓では晴れていても山頂付近は雨、ということも珍しくなく、雨だから絶対に登れないというわけではありません。ですが、登山経験が少なく自分で中止の判断ができない人は、専門ガイドがいるツアーに参加することをおすすめします。個人で登る場合も、途中で天候が変わったら無理をせず行動を控えるようにしましょう。
笠雲・吊るし雲って?知っておくと便利な「観天望気」

雲には晴天時に現れる雲もあれば、天候が崩れる直前に現れる雲など様々なタイプがあります。雲の形で天候の変化を予測できるので、覚えておくと役に立つ雲を紹介します。
笠雲(レンズ雲)

山の上に覆いかぶさるように出現する雲を
笠雲(レンズ雲)と言います。上空に湿った空気が存在し、風が強いことを示しています。
笠雲がみえるとかなりの確率で雨が降ると言われています。つるし雲

富士山の近くにコマのような雲ができており、これを
つるし雲と言います。その時々の風速や湿度によりブーメランのような形など様々に変化します。いずれも
悪天候の兆しと言われて注意が必要です。
雲を見て天気を予測する「観天望気」について読む
天気予報を活用して富士登山を計画しよう!

日本の最高峰・富士山に一度は登ってみたいと思う人も多いのではないでしょうか。しかし、日本で一番高い山なだけあって簡単に登れる山ではありません。富士山を安全に楽しむためには、天気予報を活用して事前にしっかりと計画を練りましょう。万全な準備をして富士登山を最高の思い出にしましょう!