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【レビュー】“新素材”で蒸れ知らず!?モンベル「ストームクルーザー」は悪天候下でも信頼できる一着

【レビュー】“新素材”で蒸れ知らず!?モンベル「ストームクルーザー」は悪天候下でも信頼できる一着

モンベルのレインウェアのフラッグシップモデルといえば「ストームクルーザー」。40年にわたって進化を繰り返してきた代表モデルが、第10世代にして革新的な変化を遂げ、大きな話題を呼んでいます。

これまで防水透湿素材の代名詞だったGORE-TEXから、モンベル独自開発の新素材「スーパードライテック®」に生地を刷新。さらに濡れに強く、蒸れにくく、しなやかになりました。

今回は、ストームクルーザーの進化したポイントや実際の使い勝手を詳しく解説。夏山のゲリラ豪雨のような悪天候においても絶対の信頼をおけるレインジャケットを探していた筆者が、フィールドでその実力を試してきました!

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目次

アイキャッチ画像撮影:まつだしなこ

10代目で大刷新!モンベル「ストームクルーザー」が次のステージへ

モンベルの人気レインウェア「ストームクルーザー」第10世代
撮影:まつだしなこ

1982年に登場して以来、GORE-TEX素材による高い防水透湿性で多くの登山者から支持されてきたモンベル「ストームクルーザー」。その人気モデルが、モンベル独自の「スーパードライテック®」へと素材を刷新したというので、これは試さずにはいられないと早速購入してみました!

素材チェンジの背景にあるのは、PFAS(有機フッ素化合物)不使用による環境配慮の姿勢です。

さらに、過去最高レベルの防水透湿性に加え、着心地や動きやすさも抜群と評判。まずは、第10世代の進化したポイントからチェックします。

「ストームクルーザー」第10世代の進化ポイント

・過去最高レベルの防水透湿性!
・さらに肌触りよく、着心地もアップデート
・40年にわたる改良で完成度を高めた機能性はそのまま踏襲

抜群の防水透湿素材「スーパードライテック®」の圧倒的実力

スーパードライテック®の特徴
提供:モンベル

「スーパードライテック®」は、その名の通りウェア内を”ドライ”に保つ防水透湿性素材。雨や風を強力にブロックする一方で、汗の蒸れは外にしっかり逃すことで、極めて蒸れにくく快適性を実現しています。

その実力は数値からも明らかで、透湿性40,000g/m²・24hrs(JIS L-1099B-1法・参考値)、耐水圧50,000mm以上と驚異的!モンベルが扱う防水透湿性素材の中でも、最も優れた透湿性と高い耐水圧を実現しています。

他社の独自開発素材を使ったレインウェアと比べても、トップクラスの実力といえるでしょう。

独自開発素材をつかったレインウエアのスペック比較表
作成:まつだしなこ

軽く肌離れのよい、抜群の着心地の良さ

モンベル ストームクルーザーの肌ざわりのいい裏地
撮影:まつだしなこ

着心地の良さも、今回注目すべきアップデートポイントのひとつです。真夏の行動中でもベタつきを感じにくく快適な着心地がキープできるかどうかは、レインウェア選びで重要なポイントですね。

ストームクルーザーには、裏地に保水しにくい特殊なナイロン糸を編み上げた素材を使用。汗や雨で濡れても肌に張りつきにくく、縫い目もフラットなので、サラッとした肌触りが持続します

前モデルの基本デザインはそのまま踏襲

改良を繰り返したどり着いた完成度の高いデザインは、第9世代を踏襲。動きやすさや、使い勝手の良さはしっかり受け継がれています。

こだわりのカットパターンがもたらす動きやすさ

モンベルのストームクルーザーの肩に縫い目がこない独自の縫製
撮影:まつだしなこ 

よくみるとカットパターンにも工夫が隠されています。

防水性を高めるためには縫製箇所を減らす必要がありますが、そうすると動きにくくなってしまうのが一般的です。そこで、ストームクルーザーでは、写真のように肩から腕にかけてを一枚の生地で仕立てつつ、脇の下を独特な縫製にすることで、防水性と動きやすさを両立したのです!

さらに表地には高強度のバリスティック®ナイロンを採用。耐久性と軽量性も持ち合わせているため、北アルプスの岩稜帯にくりだすときも心強い存在になりそうです。

40年の知見が生んだ、隙のない完成度

モンベルのストームクルーザーの細部まで機能性にこだわったデザイン
撮影:まつだしなこ

改良に改良を重ねてきたロングセラーだけあって、細部に至るまで徹底的に使いやすさが追求されていることも見逃せません。

たとえば、ヒップベルトと干渉しない絶妙な位置に配置されたポケットや、袖口や裾からの浸水を防ぐ設計など、どのディテールにも隙がありません!

フィールドレビュー|軽さ・快適さ・機能性、すべてに妥協なし

モンベルのストームクルーザー
撮影:まつだしなこ

スペックや構造を見る限り、かなり完成度の高い一着に思えますが、やはり重要なのはフィールドでの使い勝手。実際に真夏の山行で、その性能をじっくり検証してきました。

羽織った瞬間に「軽っ!」と声がでるレベル

モンベルのストームクルーザーを羽織っている様子
撮影:まつだしなこ

「全天候で使いやすいスタンダードモデル」として、各社が展開しているレインジャケット(具体的モデルは記事の最後に紹介)と比較しても、ストームクルーザーの軽さはトップクラス。

実は、重量自体は従来のGORE-TEXモデルと変わらないのですが、実際に羽織ってみると「あれ!軽くなった!?」と感じます。生地がしなやかで柔らかいので、実際の数字以上に軽く感じるのかもしれません

真夏の雨でも快適!濡れない、蒸れにくい、ベタつかない

モンベルのストームクルーザー着用の登山者(夏日の樹林帯)
撮影:まつだしなこ 徳沢から横尾経由、涸沢カールへ向かう途中

今回のフィールドテストは、7月の猛暑日。標高2,500mの山中でも気温は30℃に近くなり、午後からは急に雷雨に見舞われるいかにも夏山らしい気候でした。

まずは気になる透湿性をチェック。気温が10℃程度の早朝に防寒目的で着用した時は、徐々に体が温まって汗ばんできても、ウェア内に湿気がこもっていく感覚は気になりません。脱ぐタイミングがなくしばらく着用したままでしたが、快適に行動できました。

モンベルのストームクルーザーの裏地
撮影:まつだしなこ

日が高く登り、気温も急上昇。蒸し暑い樹林帯の中では風が通らず、とにかく汗だくになる状態でした。さすがにウェア内が全く蒸れないわけではありませんが、裏地のサラサラ感が秀逸で、肌に張りつく不快感がほとんどないことに感動しました!

モンベルのストームクルーザーが雨に濡れた様子
撮影:まつだしなこ 30分経過後の表地。やや生地が保水している。

次に悪天候下での防水性を試すべく、ゲリラ豪雨のときに雨にさらされてみました。

30分ほど横殴りの雨にさらされたときは、さすがに表地がしっとりと保水している感触はありましたが、内側まで浸水することはありません。ウェアの下に着ていたTシャツを触ってみると、ほぼ濡れていないというさすがの防水力!これなら、天候が不安定な夏山でも頼りになります。

防風や防寒にも使える、着回しやすさ

モンベルのストームクルーザーをウインドシェルとして着用
撮影:まつだしなこ 乗鞍岳畳平にて撮影。気温は20℃前後だが急に冷たい風が吹いてきたため着用。

標高3,000mの山に登った際、下山時に風が吹き始めると、汗をかいたTシャツが一気に体温を奪い始めました。そこでストームクルーザーをさっと着用。冷たい風をしっかり遮ってくれ、体温が維持されていることを実感できました。

モンベルのストームクルーザーを標高3000mで防寒目的で着用
撮影:まつだしなこ 朝晩の冷え込むタイミングで、防寒用として着用。標高3,000の早朝(10℃前後)もTシャツの上にこれ一枚でOKだった。

いかにもレインウェアというシャカシャカ感が少なく、生地の光沢が控えめな点もお気に入りポイントです!雨が降っている時以外でもウィンドシェルとして使いやすくなり、持っていくウェアをシンプルにまとめられるのも魅力です。

岩場や鎖場のダイナミックな動きもストレスフリー

モンベルのストームクルーザーは腕を大きくあげるダイナミックな動きもストレスフリー
撮影:まつだしなこ

生地にストレッチ性はないものの、岩場や鎖場での登り下り、ハシゴを使う場面でも、ストームクルーザーの動きやすさは秀逸。特に腕を大きく上げ下げするようなシーンで、肩まわりにつっぱり感がなく、思い通りに体を動かせます

これは、肩から腕にかけて一枚の布で仕立てた「K-Monoカット」のなせる技でしょう!

モンベルのストームクルーザーの素材(高強度のバリスティックナイロン®)
撮影:まつだしなこ

しなやかになったとはいえ、生地は3レイヤー構造で適度な厚みがあります。岩や鎖に当たっても安心感がある高強度のバリスティックナイロン®を採用しているので、シビアな場面でも安心して着用できます。

帽子にもヘルメットにも絶妙フィットするフード設計

モンベルのストームクルーザーはヘルメットにもしっかりフィットする設計
撮影:まつだしなこ

今回のフィールドテストで特に感動したのが、フードの使いやすさ。顔の周辺と首周りはドローコードで締め、後頭部のマジックテープで視界を調整します。しっかりフィット感を調整できるので、キャップやヘルメットの上から被っても視界を遮らず快適です。

モンベルのストームクルーザーのフードのサイズ感
撮影:まつだしなこ

調整できる分、フードのサイズはやや大きめ。私はヘルメットやキャップを被ったままフードを被ることが多いのですが、一般的なレインウェアでは頭部が動かしにくくなることが地味なストレスでした。

しかし、ストームクルーザーはヘルメットやキャップの上から被っても余裕がありながら、顔周りはしっかりフィットし、浸水しないという絶妙な設計なのです。

スーパードライテックは“お手入れ”が超重要

レインウェアのメンテナンス用の洗濯洗剤と撥水剤
撮影:まつだしなこ

ストームクルーザーの撥水性を保つには、こまめなお手入れが欠かせません。
レインウェアは使用を重ねることで皮脂や汚れが付着し、放置すると防水・透湿性能が低下してしまいます。

新素材「スーパードライテック®」は、PFASを使った従来の撥水加工に比べると、撥水性能の持続性はやや控えめなため、定期的な洗濯や撥水処理で汚れをしっかり落とすことがより重要になります。

レインウェアの使用後は、専用の洗剤で正しく洗い、必要に応じて撥水剤でメンテナンスしましょう。

ストームクルーザーと比較!他ブランドの独自素材レインジャケット

モンベルのストームクルーザーが新素材「スーパードライテック®」へと進化したように、近年では各社の独自開発素材を採用したレインジャケットが次々と登場。

最後に、人気アウトドアブランドが展開する独自素材モデルを取り上げます。ストームクルーザーと比較しながらその特徴をチェックしてみましょう。

    ミレー ティフォン ストレッチ ジャケット(メンズ)

    素材ティフォン 3L ニットバック ナイロン100%
    重量300g
    耐水圧30,000mm
    透湿性50,000g/m2/24h

    ソフトな生地で、抜群のストレッチ性で人気のレインジャケット。透水性も50,000g/m2/24hとトップクラス。さらにダブルスライダーやベンチレーションを兼ねた胸ポケットがあり、直接的に衣服内の通気をすることも可能な、全天候で使い勝手がいい一着。

    ▼レディースモデルはこちら


      パタゴニア グラナイト・クレスト・レイン・ジャケット(メンズ)

      素材30デニール・ネットプラス・ポストコンシューマーリサイクル・ナイロン100%
      重量400g
      耐水圧-
      透湿性-

      抜群の防水性と透湿性を兼ね備えたH2Noパフォーマンス・スタンダード採用の3層構造のレインジャケット。脇の下にベンチレーション付きで、衣服内部の換気が可能。柔らかな裏地は肌触りも心地よく、ウィンドシェルとしても活躍。

      ▼レディースモデルはこちら


        ファイントラック エバーブレスフォトンジャケット(メンズ)

        素材15デニールナイロンリップストップ/エバーブレス®メンブレン
        重量300g
        耐水圧20,000mm
        透湿性10,000g/㎡・24hr

        細部まで動きやすさを追求したレインジャケット。縦横に伸びるストレッチ素材を使用し、縫製やパターンにも工夫を凝らして快適な動きをサポートします。さらに、加水分解による劣化が起こりにくく、優れた性能を長期間キープできるのも特長です。

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          カリマー WTX 2.5L jkt(メンズ)

          素材WTX™ 2.5L(ナイロン 100%)
          重量265g
          耐水圧20,000mm
          透湿性20,000g/m2・24hrs

          シンプル機能で、手頃な価格が魅力のスタンダードなレインジャケットです。胸ポケットのみで、ヒップベルト対応のすっきりした腰回り設計のシンプルデザイン。ダブルジッパーつきで通気性も確保しています。


            ザ・ノース・フェイス フューチャーライトドリズルジャケット(メンズ)

            素材50D Recycled Polyester FUTURELIGHT(ポリエステル100%)
            重量-
            耐水圧-
            透湿性-

            独自の防水透湿素材「FUTURELIGHT」を採用したレインジャケット。50デニールと厚手で、しっかりとしたハリもある生地ですが、しなやかな着心地で動きやすさも確保。ヘルメット対応フードやダブルフラップなど、細部までアウトドア仕様の設計です。

            ▼レディースモデルはこちら

            機能性・着回し・環境配慮、すべてがそろったバランス派!

            モンベルのストームクルーザーを着用している登山者

            ストームクルーザーは、防水透湿性や着心地が向上し、環境にも配慮された一着へと進化しました。

            実際に夏山で使用してみると、しっかり濡れを防ぎつつ、ムレ感も少なく快適。着心地がよく動きやすいので、気温の高い日の行動でもストレスが少なく行動できました。防風や防寒用としても着回しできて便利です。

            機能性・着心地・環境配慮のバランスが絶妙で、日帰りハイクから縦走登山まで幅広く使える万能レインウェア。「雨の日も快適に山を歩きたい」と本気で考える人に、心からおすすめできる一着です。

            今回ご紹介したアイテムはこちら

              モンベル ストームクルーザー ジャケット(メンズ)

              素材スーパー ドライテック®3レイヤー(30デニール・バリスティック®ナイロン・リップストップ)
              重量254g
              耐水圧20,000mm以上
              透湿性40,000g/m²・24hrs

                モンベル ストームクルーザージャケット(レディース)

                素材スーパー ドライテック®3レイヤー(30デニール・バリスティック®ナイロン・リップストップ)
                重量225g
                耐水圧20,000mm以上
                透湿性 40,000g/m²・24hrs

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