然別湖を一望!【白雲山~天望山】を巡る絶景ハイキングコース
北海道を代表する山域の一つ、大雪山。その中にある唯一の自然湖「然別湖」の周りに位置するのが【白雲山・天望山】です。比較的難易度の高い山が多い東大雪山系の中で、初心者でも登る事が出来る山のため一年を通して人気のある山です。見どころはなんといっても美しい然別湖や十勝平野を見渡すことができる絶景!山頂からだけではなく登山道からも見る事が出来るので、景色を楽しみながら歩きたい人にはピッタリ!今回は白雲山~天望山を周る周回コースを紹介。さらに然別湖の見どころも合わせて紹介します!
2025/04/22 更新
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ライター
emi
21歳の時に初めて登った北岳に感動!その後地元山梨や長野などの山々を仲間と登り、すっかり山好きになりました。鳳凰三山や穂高岳の様な有名な高山も大好きですが、現在は、近場の低山をのんびりハイクがちょうどいい感じ。これからは、簡単で美味しい山ごはんにチャレンジしたいです!
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アイキャッチ画像提供: ヤマレコ/zusiku(白雲山から望む然別湖)
難易度の高い東大雪の山々。初心者は登れない?
提供: ヤマレコ/hiro1360(然別湖越しの白雲山と天望山)大雪山は、北海道の中央部にそびえる火山群の総称で、日本一広大な「大雪山国立公園」に属する山。2000m級の山々が連なり、北大雪、表大雪、東大雪、十勝連峰の4つの山域に分けられています。
東大雪の山々は、石狩岳やニソペツ山をはじめ比較的難易度の高い山が多いエリアですが、比較的標高の低い白雲山と天望山は初心者にもおすすめの山。また二つの山は美しい「然別湖」を囲むようにそびえ、山頂からは絶景も望めます。
白雲山・天望山とは?
登頂までの時間も短く、東大雪の中ではビギナー登山者にもおすすめな白雲山と天望山。眺望も素晴らしく、麓に佇む然別湖をたっぷり満喫しながら山歩きが楽しめます。
白雲山(はくうんざん)とは
出典:PIXTA (白雲山)標高 | 山頂所在地 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
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1,187m | 北海道河東郡上士幌町上音更市 | 18.2℃ | 4℃ |
白雲山は、大雪山国立公園の南端に位置する標高1187mの山。北海道百名山に数えられ、それほどの標高ではないものの高度感があり素晴らしい景色が望めます。山頂からは、日高山脈や十勝平野を一望でき、眼下に広がる澄んだ然別湖は必見。
天望山(てんぼうざん)とは
出典:PIXTA (天望山)標高 | 山頂所在地 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
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1,174m | 北海道河東郡上士幌町上音更市 | 18.2℃ | 3.9℃ |
白雲山に隣接する天望山は、麓に然別湖が望める標高1174mの山。湖に映り込む姿が美女の唇に似ていることから、別名「くちびる山」とも呼ばれています。山頂からは然別湖はもちろん、ニペソツ山やトムラウシ山なども望め、山名の様に爽快な展望が満喫できます。
大雪山国立公園 唯一の自然湖【然別湖】
出典:PIXTA (然別湖)然別湖は広大な大雪山において、唯一自然にできた湖。標高810mに位置し、原生林に囲まれた然別湖は、北海道内で1番高い場所にある湖としても有名です。透明度抜群な湖の周囲は13kmほどで、もっとも深いところは水深100m。約3万年前の噴火により川が堰き止められてできた湖といわれ、湖北には「弁天島」が浮かんでいます。
また周囲の森では「ナキウサギ」や「オジロワシ」などの貴重な野生動物が多く生息。
豊かな自然が作りだす絶景の数々
出典:PIXTA (然別湖の星空)標高が高い然別湖は、星空が綺麗なことでも有名です。恵まれた大自然の中に佇む然別湖、そこから望むきらめく星空は格別。地元のホテルやネイチャーセンターが主催するナイトクルーズやナイトウォッチングなどのイベントも開催されています。
出典:PIXTA (然別湖の紅葉)例年の然別湖の紅葉シーズンは10月上旬〜10月中旬頃。湖の周辺では、ダケカンバやナナカマドなどが織りなす色とりどりの絶景が楽しめます。中でもおすすめなのが、カヌーや遊覧船に乗って湖面から水際の紅葉を望むスタイル。
「湖の宝石」ミヤベイワナ
出典:PIXTA (ミヤベイワナ)サケ科イワナ属の淡水魚、オショロコマ。然別湖では、火山によって川を堰き止められたことで、オショロコマが独自に進化を遂げ「ミヤベイワナ」に。世界でもミヤベイワナが生息するのは然別湖だけで、エメラルドグリーンの魚体に鮮やかな斑点が浮き上がり「湖の宝石」と呼ばれています。
また、この然別湖では1年のうち50日間のみ、さらに1日50名限定で釣りの特別解禁期間が!毎年抽選を行っているため、気になる方はグレートフィッシングHPをチェックしてみてください。
冬だけ登場!「しかりべつ湖コタン」
出典:PIXTA (しかりべつ湖コタン)1月の末、然別湖が全面結氷する60日間に「しかりべつ湖コタン」という幻の村が現れます。村の建物は全て雪と氷で作られ、アイスバーやアイスロッジ、アイスチャペスに露天風呂まで。春には溶けてしまう幻想的な別世界を味わうことができます。
然別湖を一望できる絶景ハイキングコース
魅力的な然別湖を眺めながら、のんびりハイキングできる白雲山と天望山の縦走コースを紹介します。体力的に自信がない方は、どちらかの山だけでも十分に楽しむことができます。
提供:YAMAP距離 | コースタイム | 日程 | 難易度 |
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約8km | 約5時間15分 | 日帰り | ★★☆☆☆ |
白雲山・天望山登山口(90分)→白雲山(25分)→コル分岐(40分)→天望山(50分)→東雲湖(70分)→湖畔コース分岐(40分)→白雲山・天望山登山口
提供: ヤマレコ/hiro1360(白雲山登山口)白雲山・天望山登山口にある登山ポストに届けを出してからスタート。まずは分岐を白雲山方面に進みましょう。はじめは樹林帯の中にある、石の多い苔の綺麗な登山道を登っていきます。
提供: ヤマレコ/kitanoojisan(登山道から望む然別湖)登山口から歩きはじめてまもなく、眼下に然別湖や湖畔のホテルが望めます。そのまま北斜面の登山道を登っていくと、林を抜け尾根に到着。尾根からはこれから目指す白雲山山頂が現れます。
提供: ヤマレコ/sato-minoru(白雲山山頂直下の岩場)全体的に登山道は明瞭ですが、山頂に向かう登山道では大きな岩が増え、最後の登りは結構な急登になります。士幌高原コースの分岐を過ぎ、頂上直下の巨石がゴロゴロする登山道を登りきって山頂へ。
提供: ヤマレコ/hiro1360(白雲山山頂)岩が多い白雲山の山頂は、360度の展望が広がる絶景ポイント。山頂からは青く美しい然別湖の全容が望め、神秘的なその姿に息を呑みます。他にも東ヌプカウシヌプリや、遠方に大雪山、日高山脈などが一望できます。
提供: ヤマレコ/kuge(十勝平野)高度感のある山頂からは壮大な十勝平野も一望できます。どこまでも続く広大な十勝平野はまさに圧巻。どこまでも続く遥かな地平線を眺めていると、きっと時が経つのを忘れてしまうことでしょう。
提供:ヤマレコ/hiro1360 (天望山に向かう笹の登山道)白雲山山頂の絶景を満喫したら、次は天望山を目指します。まずは天望山分岐に向かって下っていきましょう。登り返しになる分岐からは、笹が生い茂る登山道を進みますが、かなり背丈のある場所も。
提供: ヤマレコ/yamaike(天望山山頂)天望山の山頂からも眼下に然別湖を望め、その奥にはウペペサンケ山やニソペツ山、トムラウシ山などを満喫できます。景色を楽しんだら、「東雲湖(しののめこ)」を目指して下山をはじめましょう。
出典:PIXTA(東雲湖)東雲湖は、日本秘境100選にも選ばれる周囲0.8kmの小さな湖。オコタンペ湖とオンネトーと共に北海道三大秘湖にも数えられています。ひっそりと佇む東雲湖は、ナキウサギの生息地としても有名です。東雲湖からは然別湖畔を経由して登山口へ。
提供: ヤマレコ/yamanaka1114(ナキウサギ)然別湖周辺では、体長20cmほどのハムスターに似たナキウサギが生息しています。目撃情報も多く、運が良ければ山中や湖のほとりでその可愛らしい姿に出会えるかもしれません。
初級者向けの山ですが、地図・GPSアプリは必ず持参!
比較的登山道もわかりやすく、初心者でも登れる山ですが、必ず地図とGPSアプリは準備しましょう!
然別湖の周辺の天気は?
登る前に現地の天気をこちらでCHECK!
てんきとくらす(白雲山・天望山周辺週間天気)
登山の後に行きたい温泉
登山で疲れた身体を温めてくれる地元の温泉を2箇所紹介します。然別湖の大自然を満喫しながら、宿自慢の温泉を楽しみましょう。(然別湖畔に隣接するホテルは「ホテル福原」の閉館により現在はホテル風水1件のみ)
然別湖畔温泉ホテル風水
出典: 然別湖畔温泉ホテル風水HP(然別湖畔温泉ホテル風水)然別湖のほとりに建つ「然別湖畔温泉ホテル風水」は、宿泊はもちろん日帰り温泉も可能です。滞在中には客室やレストラン、温泉からも神秘的な然別湖を思う存分堪能できます。
淡緑色のにごり湯は、贅沢な100%源泉掛け流し。内湯や露天風呂からは、目の前に然別湖やくちびる山が望め、夜には湯船から満点の星空を楽しめます。
住所:〒081-0344 北海道河東郡鹿追町字然別湖畔国有林 163 ロ林小班
電話番号:0156-67-2211
日帰り温泉料金:1,000円
然別湖から車で約40分。かんの温泉
出典: 然別峡 かんの温泉HP(かんの温泉)山あいの「然別峡」に佇む「かんの温泉」は、客室が全16部屋。大自然の中でのんびりと時の流れを感じながら過ごせる一軒宿です。
出典: 然別峡 かんの温泉HP(かんの温泉)100余年の歴史を誇るかんの温泉は、昔から「菅野の湯で治らない病気はない」といわれるほどの名湯。13もの源泉を利用しており、掛け流しの源泉を11個の湯船で満喫できます。
住所:〒081-0344 北海道河東郡鹿追町字然別国有林145林班
電話番号:050-5319-6223
日帰り温泉料金:大人650円、中学生300円、小学生200円、幼児無料
アクセス情報
白雲山・天望山登山口への交通機関でのアクセス方法、および最寄りの駐車場情報をお伝えします。登山口へは然別湖畔と白雲橋のどちらかからでもアクセスが可能です。
車の場合
道東自動車道 十勝清水IC→然別温泉駐車場、もしくは白雲橋駐車場
電車・バスの場合
JR根室本線帯広駅→北海道拓殖バス→然別湖バス停、もしくは白雲橋バス停
バスの時刻表を調べる(北海道拓殖バスHP)
然別湖畔温泉駐車場
然別湖の湖畔にある公共の駐車場となります。100台停められる広い駐車場は無料で、トイレも完備されています。
【駐車場情報】
住所:〒081-0344 河東郡鹿追町然別湖畔
電話番号:0156-69-8181(然別湖ネイチャーセンター)
駐車台数:100台
料金:無料
白雲橋駐車場
白雲橋駐車場は然別湖から1kmほどの白雲山・天望山登山口にあり、登山ポストとトイレも設置されています。
【駐車場情報】
住所:〒081-0344 河東郡鹿追町然別湖畔
駐車台数:5〜6台
料金:無料
白雲山と天望山から絶景を満喫しよう
出典:PIXTA (然別湖越しの白雲山と天望山)難易度の高い東大雪山の中で、初心者でもトライしやすい白雲山と天望山はいかがでしたか。短時間で登頂でき、山中や頂上から美しい然別湖を存分に味わえるのは嬉しいですね。山頂からは周囲の名峰や、雄大な十勝平野が一望できるのも魅力的。下山後には然別湖を遊覧船で楽しんだり、湖畔の温泉に入りながら湖越しの山々を眺めるのも素敵でしょう。
【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。