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なぜ、20年経ってもこれを選んでしまうのか? “軽ければいい”ではない、定番の条件。ホーボーグレートワークスの『マルチポケットトートバッグ』|定番道具のモノ語り#24(2ページ目)

よく考えられた大きさ、収納物への対応力

Hobo GREAT WORKS マルチポケットトートバッグ
撮影:ポンチョ

大きめのバックパックやバッグを持つと、ついつい余計なモノを収納してしまいませんか?私は、収納力に余裕があると、「念のため」「これも欲しい!」と、山道具やお土産を入れがちです。

その点で、マルチポケットトートバッグのサイズは38×38×10cm、容量は約15L。開口部は巾着仕様なので荷物を圧縮することもできます。

それは満杯にして肩に掛け、手に持っても、「重っ!」とはならない容量です。山行の帰り道、余計なものを買いすぎて、その重さを持ち歩くことで疲れてしまうことが、ありません。

マルチポケットトートバッグ
撮影:ポンチョ ※上画像内に入っているグリーンのスタッフバッグは、PAAGOWORKSのW-フェイススタッフバッグの原型となったモノ。マルチポケットトートバッグ同様に、20年使っています。

形も絶妙です。トートバッグの多くはL.L.ビーンのようなヨコ型か、マイバッグに使われるタテ型です。

一方、マルチポケットトートバッグは、スクエア。10cmのマチが配されていますが、ソフトなナイロン素材が収納物に応じて変化。しかも肩紐のナイロンテープが側面から底部にまで回っているので、荷物を保持してくれ、持ち運びがしやすいんです。

感覚としては肩紐を装備させた丈夫な巾着袋。上画像はローカットシューズを底に、その上に温泉道具と着替えを収納。外側メッシュポケットに防寒用のウィンドシェルを入れた状態です。

メッシュポケットには他に電車内で飲むドリンクボトルを追加でき、濡れた手ぬぐいを乾かしながら収納。本体内には妻へ(もちろん自分用としても)のお土産のご当地銘菓と入浴剤を収納する余裕が残り、ちょうどいいんです

Hobo GREAT WORKS マルチポケットトートバッグ
撮影:ポンチョ

サブバッグとして、どんなシーンで使えるのかを実によく考えられた、容量、形状の旅用トートバッグです。

旅先では、外側前面のメッシュポケットが意外と便利で、シンプルなトートバッグにはない、使い勝手を装備。「スーパーサブ」的に、いろいろなシーンで「やっぱり、使いやすいなぁ」と思わせます。

小さすぎない、パッキングサイズ

Hobo GREAT WORKS マルチポケットトートバッグ
撮影:ポンチョ

マルチポケットトートバッグは、ポケッタブル仕様。外側メッシュポケット中央部に、本体をまとめて収納することができます。そのパッキングサイズは18×13×4cm、重量125g。大きくはありませんが、小さくもありません。

アウトドアブランドがつくるマイバッグには、もっと小さな、掌に乗るパッキングサイズもあります。

でも、ちょっと大きめのおかげで、バックパックの雨蓋等に収納しておいたはずなのに、「あれ、どこいった?」と、あちこち探す必要がありません。

なんでも小さくて、軽ければよいという訳ではないのです。使いたくなった時に、すぐに見つかるサイズ感。これ、結構大事です。

エマージェンシーカラーではないのに、目に留まるカラー

Hobo GREAT WORKS マルチポケットトートバッグ
撮影:ポンチョ

パッキングサイズ同様に、カラーも重要です。

これは私の資質の問題ですが、自宅で登山や旅の用意をする際も、仕舞ったはずの場所に、その道具や小物がない……と、探してばかりいます。結局、仕舞ったはずだと一番最初に探した場所から、後で見つかります。私は、見つけることが不得手なんです。

でもマルチポケットトートバッグのカラー、ライトグリーンは意外なほどに目立ちます。探し物や忘れ物の確認をする際にも、見落としにくい効果があります。バッグ内側も同じライトグリーンなので、収納物を見分ける効果も高いんです。

目立つカラーであれば、明るいイエローやオレンジ等のエマージェンシーカラーの方がいいのでは?と思われるかもしれません。確かに、そうです。ですが、私は仕事で被写体になることも多く、ジャケットや中間着で目立つカラーを着ているので、バッグ類は少し落ち着いたカラーを選びたいんです。

後に発売されたPAAGOWORKSのトートバッグは、カラーがピンク×グレー、ブルー×イエローでした。目立つカラーリングは間違いなく探し物&忘れ物防止に役立ちます。でも私の場合はコーディネートがマルチカラーになってしまうのがイヤで、新たに購入することを躊躇せざるを得ないものでした。

その点で、深いグリーンではなく、新緑のような明るいライトグリーンのマルチポケットトートバッグは、忘れ物&探し物しがちな人にとって機能的。あらゆるカラーとよく馴染むので、どんなウエアを着ていても、使いたくなるんです。

シンプル、でも機能的。つくり手の試行錯誤を感じる道具

Hobo GREAT WORKS マルチポケットトートバッグ
撮影:ポンチョ

マルチポケットトートバッグを登山で装備する際には、ポケッタブルでは使わず、スタッフバッグとして、着替えと行き帰りに履くサンダルを入れて、使っていました。

テント泊であれば、就寝時には枕にもします。防寒着等を入れてきている他のスタッフバッグではなく、マルチポケットトートバッグを枕にするのは、メッシュポケット面をスリーピングマット側にしておくと、滑り止めになるからです。就寝中に枕が「どこいった?」とマットから脱落することを防いでくれます。また頭側にした面のナイロンテープ(上画像)は、ズレ防止にも機能しているように感じています。

枕にして機能的な仕様は、つくり手が狙った機能ではないでしょう。でも、ツルツル素材で円筒形のスタッフバッグを枕にするよりも、滑り止め付きで扁平なマルチポケットトートバッグの方が、枕にぴったりです。

Hobo GREAT WORKS マルチポケットトートバッグ
撮影:ポンチョ

つくり手の狙いという点では、マルチポケットトートバッグのハンドル、ナイロンテープの長さは秀逸です。他のトートバッグでは、ハンドルが長すぎて手持ちだと地面を擦りそうになったり、短くて腕を通せないものが多々あります。

しかしマルチポケットトートバッグのハンドル長は、本体側の縫い目からトップまで30cm。いわゆるマイバッグ用のトートバッグよりも長めです。でも本体がスクエアということもあり、手に持っても地面に擦れず、中綿ジャケットを着ても腕を通しやすく、荷物が増えても肩掛けしやすい、絶妙な長さです。

これは、いくつもサンプルをつくって、さまざまなシチュエーションを想定して、試行錯誤した上で設定された長さなのだと思います。おかげで、ラクに持ち運びができて、ストレスを感じません。本当によく吟味された仕様です。

つくり手の「発見」と、使い手の「気づき」

Hobo GREAT WORKS マルチポケットトートバッグ
撮影:ポンチョ

ストレスフリーという言葉があります。アウトドアや登山道具でいえば、不具合なく、使い勝手のよいモノを表現する時に使います。

でも使い勝手のよさって、ストレスフリーだからこそ、そのよさを意識されないこともあります。特にトートバッグは、フォーマットがほぼ決まっていて、フツーに使っていても大きな不具合を感じにくいシンプルな道具。使い手は、「まっ、こんなものだろう」と、思いがちです。

しかし、ストレスなく、そして不具合なく使える道具には、つくり手のモノづくりへの姿勢と、山やアウトドアフィールドでの経験を通した気づきと発見がベースにあります。つくり手として培ったいろいろなヒントやアイデアを、自分自身も含めた使い手を想像して、調和させていったモノなのだと思うのです。

Hobo GREAT WORKS マルチポケットトートバッグ
撮影:ポンチョ

そして使い手も、ある時、ふと気が付きます。ストレスフリーそのものには気が付かなくても、「似たような道具は他にも持っているのに、なんで、コレばっかり使っているんだろう?」と。

フツーに、当たり前に思っていた仕様や機能が、実は他の道具にはない、その道具の個性だったことに!

道具を使う。それは、つくり手が気づき、発見することを契機にモノづくりをするのと同じように、使い手が「その道具がなぜそうなっているのか」に気づき、発見することからはじまると、私は思っています。

それは、道具を介したつくり手とのコミュニケーションです。そうした対話ができる道具は、よい道具です。だから、長く使いたくなるのです。

惜しむべくは、PAAGOWORKSでは、現在、トートバッグがラインナップされていないこと。欲しい方は、再販リクエストをPAAGOWORKSにしてください。私も、そろそろ買い替え時が迫っているので、希望します!

それではみなさん、よい山旅を!

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