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パーゴワークス / ZENN45

【ここまで自分好みになるなんて…!】道具好きがみんなハマる、パーゴワークスのバックパック「ZENN 45」

トレランパックの「RUSH」やハイキングパックの「BUDDY」などユニークなギアを手掛けてきたパーゴワークス。そんな同ブランドから2025年春、“日本の山の最適解”を求めたという新たなバックパック「ZENN」が登場しました。

高重心構造はそのままに、幅広のベスト型ショルダーハーネスにより、胸から肋骨で荷重を受ける“胸荷重”を採用。急峻な地形の多い日本の山での“足上げのよさ”を実現しています。

その背負い心地を、1泊2日の北飯豊登山でじっくり確かめてきました!

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目次

アイキャッチ画像:ポンチョ

全、善、禅、岼、ZENNパック

パーゴワークス ZENN45
撮影:ポンチョ

ラッシュやバディなど、既存のバックパックとは目線も機能も異なるモデルを生み出してきたパーゴワークス。そんな彼らが、また興味深いバックパックを2025年春に発売しました。その名も「ZENN(ゼン)」。

すべてを網羅した「全」、山に最適という意味での「善」、山や自然での修養を求めた「禅」、さらには山の頂を意味する「岼」。その商品名にどんな意味が込められたかはわかりませんが、ZENNシリーズにあるシェルターも含めて「日本の山の最適解」を求めたギアです。

パーゴワークス ZENN45
撮影:ポンチョ

ZENNシリーズのバックパックは、容量別に45・35・25の3モデルが用意されています。

今回は夏~秋のテント泊シーズンに向けてレビューをお届けするため、もっとも容量の大きい「ZENN45」を背負い、1泊2日のテント泊登山で使ってきました。

登ったのは、峻険なアプローチ、そして広がりのある稜線風景が2,000m以下の山並みとは思えない、北飯豊の頼母木山~鉾立山です。

背負い心地、運動性、アクセス性などを、行程に沿ってテスト。わかったのは……

パーゴワークス ZENN45
撮影:ポンチョ(5Lのフロントポケットは、ハーネスと組み合わせてサブザックとして使える)

直登が連続するアプローチではZENNの「運動性やフィット感」を、撮影回数が多くなるたおやかな稜線では「ポケット類へのアクセス性」を。
頼母木小屋のテント場からはパック本体をデポして容量5Lのフロントポケットを背負い、身軽になって隣の頂を目指し、その「背負い心地や使い勝手」を確かめました。

そこでわかったのは、このZENN45は道具好きこそがワクワクするバックパックだということでした。

そのポイントを5つ紹介しましょう!

POINT1:これからのバックパックの基本となるだろう「胸荷重」

パーゴワークス ZENN45
撮影:ポンチョ

ZENN45のショルダーハーネスのはじまりは、肩甲骨の下部あたりからです。多くのバックパックよりも、低い位置から背中、肩を包んでいます

パーゴワークス ZENN45
撮影:ポンチョ

低い位置からはじまったショルダーハーネスは、トップスタビライザーでパックと連結し、背中側にパック本体を引き寄せます。その際、多くのバックパックでは肩に掛かる荷重を軽くしようと、肩の頂点からトップスタビライザーを伸ばしますが、上画像の通り、ZENN45は肩の頂点の少し前側から取り付けられています

通常のバックパックとは異なるこの2つの仕様で、背負った感じは、どう変わるのかというと……。

パーゴワークス ZENN45
撮影:ポンチョ

パーゴワークスのラッシュやバディ同様に、肩甲骨付近に荷重が掛かる“高重心となり、腰荷重のバックパックに比べて、足上げの自由度がアップします。

さらにZENN45は、ショルダーハーネスが幅広のベスト型のため、肩甲骨周辺と胸周辺で荷重をワイドに受け止める“胸荷重”になっています。背負った荷物の重さにもよりますが、15キロくらいまでなら肩に掛かる負荷は小さく、長時間歩行・長時間移動がラクに行えます。

一方で、普段の歩行時には使わない胸の筋肉を使うため、今回の1泊2日の山行後には胸筋に筋肉痛が出ました。背負った装備の総重量は17キロだったので、それなりの負荷が胸に掛かったのでしょう。肩にも時折強めの負荷を感じ、トップスタビライザーやショルダーハーネスの長さを調節しながら歩きました。

POINT2:フレーム内蔵で、重量17キロでもバランスよく歩行可能

パーゴワークス ZENN45
撮影:ポンチョ

ZENN45は、背中のラインに沿った形状のアルミ製フレームが内蔵されています。また52cm×70cm、厚さ5mmの背面パッドも装備。それぞれ上画像のように取り外すこともできます。

パーゴワークス ZENN45
撮影:ポンチョ

本体内部には、フレームとパッドを収納するスリーブが備わり、面テープで固定するフタも装備されています。

ただし、面テープの幅が狭く、フレームとスリーブがぴったりサイズなので、扱いには少しコツがいります。面テープをしっかりと合わせておかないと開いてしまうことがあったり、面テープを閉じるのにチカラが必要で、ちょっと難儀しました。

軽量パックとは思えない、足運びの軽さ

パック背面の縁を囲むように配されたフレームは、トップスタビライザーのパック側の付け根とウエストハーネスから伸びるスタビライザーと連動。背負った際の捻じれやヨレを防ぎ、スタビライザーによってカラダに引き寄せた荷重をしっかりと背中に載せる役割を担っています。

パーゴワークス ZENN45
撮影:ポンチョ

前述の通り、ZENN45は肩甲骨まわりと胸に大きな荷重がかかる設計のため、ウエストハーネスはいわゆるアルパインパック同様にコンパクトかつソフトな仕様。腰骨が締め付けられないので足上げがしやすく、長時間の歩行で腰に痛みが出るということもありません。

パーゴワークス ZENN45
撮影:ポンチョ

今回背負った総重量は17キロ。普段は12キロ程度でテント泊山行をしているため、パックを持つとかなりの重さを感じました。しかし、背負ってみると腰への負担が少なく、十分な動きやすさが確保されているのがわかります。

パックの重量は、フレーム入りとしては軽量な1,175g。それでいて、軽量パックとは思えない安定感があります。背中側にしっかり引き寄せられるフィット感の高さによって、歩行中にパックが振られてバランスを崩すこともありません。

急峻な地形を登り、下ることの多い日本の山で機能的だと感じられました。こうした特長が、“足運びの軽さ”にもつながっているのでしょう。

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