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山小屋を運営するのは、なんと美人三姉妹!?

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山小屋といえば山を知り尽くすベテラン勢をはじめ、屈強な山好きの人たちが働いているイメージを持つ方もいるのではないでしょうか?
しかし、この『やまさん~山小屋三姉妹~』で山小屋を運営するのは、なんと美人三姉妹!もともとのオーナーである父親が怪我をしたことがきっかけとなり、娘である三姉妹がオーナー代理として山小屋を運営する物語です。各々の得意分野を活かして山小屋で働く様子や、普段は覗くことができない小屋事情に注目です!
実在の山小屋がモデル!彼女たちの山小屋「雲海小屋」

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この佇まい……どこかで見たことがあるような?それもそのはず、三姉妹の山小屋「雲海小屋」はなんと那須岳の三斗小屋温泉「煙草屋旅館」がモデルなのです!
建物の見た目もさることながら、野天風呂や小屋内の共同浴場や大きな窓が並んだ部屋、テント場など実際の小屋の様子を忠実に再現。行ったことがある人にはたまらないのでは。
小屋だけでなく、稜線以外に電波がまったく届かないことや、風が強い峠道といった登山についてもリアルに描かれています。
<特別>集英社 担当編集者が紹介する『やまさん~山小屋三姉妹~』

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『やまさん~山小屋三姉妹~』の舞台である「雲海小屋」には、登山初心者から常連さん、老若男女が訪れます。苦労して登った先にある山小屋はまるでオアシス。そこでの出会いはまさに一期一会です。普段の生活とは違った素敵な仲間を見つけられるかもしれません。
そんな山小屋を切り盛りするのは、真面目で面倒見の良い長女・沢子。力はないけれど経理やPRが得意な次女。そして、自由奔放で山が大好きな三女。毎日のように訪れるユニークなお客さんたちとの出会いと別れは彼女たちを体力的にも精神的にも成長させてくれます。
また、荷物を小屋へ運ぶ「歩荷」や、小屋での水や電気事情、登山で気をつけるべきことまで様々な山の知識も学べる作品です!
山頂手前の第2のお家、7合目マイペースコメディ『やまさん〜山小屋三姉妹〜』をぜひご覧ください!
山と小屋への愛はそれぞれ!個性豊かな登場人物
メインの登場人物は、山小屋を運営する美人三姉妹と、ひょんなことから手伝うことになった山初心者の男子高校生の4人。一体どんなキャラクターなのでしょうか?
三女:吾妻 華歩(あずま かほ)

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体力がずば抜けた16才の女子高校生。重い荷物もなんのそので歩荷もへっちゃら。山以外のことは特に興味がなく、人付き合いが苦手で不愛想。その分、遭難者の対応や荷物の背負い方、歩き方といった山の知識が豊富。
次女:吾妻 稜(あずま りょう)

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都会で働いていたシティガール。現在は無職で山小屋を手伝い、経理や在庫、スケジュール管理などを(しぶしぶ)担当。体力はないが、電波の届く稜線まで上がって小屋の情報をSNSで発信している。ストーリーのツッコミ役でもある。
長女:吾妻 沢子(あずま さわこ)

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小屋のオーナー代理を務めるしっかり者。山への愛と知識は華歩以上。おっとりとした穏やかな性格で登山者をあたたかく出迎えるが、遭難やトラブルがあった時には厳しい一面も見せる。
三女の同級生:西園寺 真(さいおんじ まこと)

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都会から雲海小屋のある麓の田舎に引っ越してきた高校生。登山初心者の、いわゆるお坊ちゃま。華歩に助けられたことに恩を感じ、助けになりたいと制服、ローファー姿で山に足を踏み入れ遭難してしまう。それも華歩たちに助けられ、雲海小屋を手伝うことに。レールの敷かれた人生に疑問を感じており、山小屋生活に触れて今までと違った世界を楽しむようになる。
実は山小屋の人ってこんなこともするんだ……なウラ側が覗ける

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このマンガの面白さは、なんといっても、「山小屋事情」を覗けるところ。普段私たちが目にしている山小屋の雰囲気とは違った、小屋での生活が描かれています。
また、山小屋で忙しく働く三姉妹と、山はまったくの初心者である西園寺くんのそれぞれの成長ストーリーも見どころ!山小屋の人って実はこんな生活をしているんだ……!と未知の発見があるかも?
自分で荷上げした食材が、登山者へ届くって感動!

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西園寺が沢子に頼まれて荷上げした「きゅうり」が宿泊客への食事としてふるまわれ、それを見て「感慨深くて」と呟くシーン。歩くのもやっとだったのに、少しづつ荷物を持って歩いてこれたことにちょっぴり感動した様子でした。
普段ならなんでもないことですが、登山では運んだ食材を調理して食べることって格別!コンビニのおにぎりやカップラーメンでも美味しいのは「自分で運んだ」「遠くまで歩いた」ということが最高のスパイスになるからですよね。
また、私たちが何気なく山小屋で口にしている食事は、こんな背景があって運ばれてきているんだと思うと、より美味しくなりますね!
登山者の安全のために、時には遭難者の救助も!

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幼い頃にすぐ前を歩く登山者が滑落。一命は取り留めたものの顔に傷を負ってしまったことを目の当たりにして、トラウマになってしまった華歩。西園寺と小屋へ向かう途中に負傷者を発見し、「左目が(マンガのように)飛び出ている」の一言にトラウマが一気に蘇ってしまいます。動揺するものの、西園寺と協力して持ち前の知識を活かし、無事に対応。トラウマを乗り越えた華歩に拍手したくなりました。
負傷者の名前や怪我の確認、患部の応急処置、救助要請といった華歩たちの対応は上級者にも勉強になります!
山で生活するからこそ知っていることがたくさん!

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オーナー代理として毎日せわしなく働く沢子。小屋を手伝いにきたガイドの先輩に花見に行こうと誘われ、自分が案内すると大張り切り!素敵な場所が多いが、ガイドなしでは危険だからお客さんに教えられない……という沢子に、先輩は「じゃあ沢子ちゃんが案内すればいい!」と一言。ポンと背中を押された沢子は、自ら人に山の魅力を伝えていく楽しみをひとつ見出したようでした。
山小屋の人しか知らない絶景ポイントは私たち一般登山者には垂涎もの。山を知り尽くす小屋の人のガイドなら安心して進むことができるので、そんなプランがあったら申し込みたくなりますね。
思わず頷く!共感ポイントがあちらこちらに
主に、登山初心者の西園寺目線で進むストーリーは、登山者なら経験したことがあるであろう共感ポイントがたくさん。
目を見張る美しい景色に、心を奪われる

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小屋からは朝日が見えないので、お客さんに案内しているという御来光ポイントへ行く3人。稜線上ではない小屋によくある「ちょっと上に歩いたところが御来光ポイント」を思い出します。起きてすぐ、暗いうちから登り始めてゼーハーと息切れしてしまうのも見覚えが……。
たどり着いた御来光ポイントの景色は美しく、西園寺の遭難を「良い思い出で上書きしちゃいましょう」と言う沢子。たしかに山では長く大変な道を歩き切り、辿り着いた景色にいつも心が洗われて疲れが吹き飛び、「また登りたい」と思わせてくれます。このような景色を体感することができるからだ!と再認識。

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自分もそうだった~と思い起こす初心者あるある

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登山といえば大きいバックパックに重い荷物がつきもの。山小屋ともなれば「歩荷」ももちろんあります。慣れない重さの荷物を背負い、足取りはフラフラ、荷をぼとぼとと落としてしまう西園寺。「私の初心者のころと同じ!」と思わず共感。華歩の腰で重心を支える背負い方指南も「そんなふうに教えてもらったな」と懐かしさが。山を始め立ての人に参考になる説明にも注目です。

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母親が買い揃えてしまったという、お高い登山ギアを身に付けた西園寺に「下手だと恰好悪い」と言う華歩。背伸びして高いギアを買ったな……と思い出し、そんなちょっとしたシーンにも笑みがこぼれます。
やっぱり格別!山小屋のあたたかいごはん

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山で食べるものはなんだって美味しい!でも小屋で用意してくれる手の込んだ食事は格別です。お膳スタイルの夕食を準備したり、お弁当のおにぎりを作ったりと、忙しい山小屋の実態が見えて興味津々。「消灯までにおにぎり60個分を握らなくては」というシーンに大変さを感じつつありがたさがこみ上げてきます。

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ここでしか会わない・味わえない山友達とのごはん

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昔からの常連客と仲良しな華歩と西園寺が一緒にA5ランクのお肉を食べるシーン。ジオラマ風に人形を飾って「映え」写真も楽しみます。この山小屋でしか会わず、普段何をしているかまったく知らない山友達。ちょっぴり切なさを感じながらも、その瞬間を楽しむ華歩たちにほっこりします。
担当編集者のおすすめエピソードはこれだ!
登山者の財布がない?!忙しい中の探し物で、小屋中がバタバタ!

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登山者の財布がない?!忙しい中の探し物で、小屋中がバタバタ!

山小屋の宿泊客の財布が紛失してしまい、スタッフ総出で山小屋中を探し回るお話(23話め)です。
GWになり山小屋は繁忙期に。三姉妹(とバイトの西園寺)にとっては初めてのことで、食事や露天風呂の管理、飛び込み客への対応などにヘトヘトになった消灯時刻間際に「財布が無い」。朝の弁当を作らないといけないし、電気を勝手に使ってしまう初心者のお客さんもいるしで、てんやわんやに…。


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山小屋の繁忙期の混雑具合や、山でのNG行為など、登山初心者にとってはへー!と思える内容で、山小屋の空気を笑いながら感じられる素敵なお話だと思います。
あなたも三姉妹の山小屋を訪ねてみませんか?

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山小屋の裏側や、三姉妹と山初心者の青年の成長を綴る『やまさん~山小屋三姉妹~』。登山初心者は「こんな山小屋に行ってみたい!」と足が向き、上級者には背筋が伸びる思いのエピソードが満載です。彼女たちの営む山小屋をどうぞ覗いてみてください!




