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高尾山 信仰 神様

ちょっとの知識で景色が変わる?山をもっと味わう神様登山のススメ

山で自然の力を感じると「すごい!」って感じるのはなんでだろう?そんな疑問を解決するヒントは『山岳信仰』にありました。

歴史を知って視点が変わるだけで、いつもの山が別世界。山をもっと楽しむコツを、山岳信仰に詳しい廣田ガイドに教えていただきました。

目次

アイキャッチ撮影:YAMA HACK編集部

大きな岩や巨木に「すごい」って感じるのはなんでだろう?

山岳信仰 
出典:PIXTA

山で変わった岩や大きな樹を見つけた時に、「すごい!」って思うことありませんか?
なんだか神々しいなぁと感じるものの、その理由について深く考えることってあまりないもの。

なぜ、自然の力を感じると直感的に畏敬の念を抱くのか、とても不思議なものですね。

不思議に思ったので詳しい人に訊いてみました

廣田ガイド 高尾山 山岳信仰
提供:廣田ガイド(法螺貝を奏でる廣田ガイド)

廣田 勇介ガイド

山岳ガイドであり、カメラマンとしても活躍。富士山でのガイドをきっかけに信仰登山の魅力を知り、日本全国の山岳信仰の山を案内している廣田ガイド。アウトドア雑誌・ランドネにて『神様百名山を旅する』を連載中。

今回は、山と神様の関係や歴史について教えてもらいました。

「山にはたくさんの神様がいるんです」

山岳信仰
出典:PIXTA

人が自然を前にして不思議な気持ちになることについて考えるヒントは、古来より日本人が神様の存在を信じてきた歴史にあります。

その中でも、山は麓の農民に水をもたらす大切な存在であり、人々は暮らしを支えてくれる山に対して感謝や畏敬の念を抱いて過ごしてきました。

山には神を感じさせる「何か」が存在し、古の修験者たちは山に登ることで神や仏と一体化するという考え方を持ち、それがいわゆる日本の山岳信仰となってきたのです。

かたく考えなすぎなくてOK!

富士山 信仰
出典:PIXTA

山岳信仰というと、山奥での厳しい修行や何かしらの宗教を信仰することと思いがち。だけど、それだけが山岳信仰ではありません。

古来日本人は、森羅万象、人智でははかり知れないものをはじめ、何にでも神が宿るとし、自然発生的に神道が生まれたと考えられています。

山などの自然物・神話・土地・衣食住の神など数多くの神々は、「八百万の神(やおよろずのかみ)」という身近な存在で、信仰は人々の生活の中にあったのです。

この自然信仰や神道をはじめ仏教などと混ざり合って、日本独自の宗教感へと発展していきました。

廣田ガイド

廣田ガイド

「日本人は無宗教」だなんて言われますが、それは少し違うんですよ。

それは一神教の神様がいない、ということなんです。例えば、クリスチャンのように1つの神を信じ続けている日本人は少ないでしょう。

でも、特定の宗教を信仰していなくても、お正月には神社やお寺に初詣に行きますよね。富士山を見たら感動するし、ご来光を見れば拝みたくなる。

自然に対して敬意を払うとか大切にするという想いが根底には流れていて、日本人には豊かな宗教的感覚が備わっているんじゃないかなと。

頭で考えるよりも実際に歩いて感じてみよう、ということで「高尾山」を案内してもらいながら巡ってきました。

えっ!?これが同じ山?歴史を知るとより深く山を味わえる

出典:PIXTA

高尾山はミシュランガイドで3つ星を獲得し、言わずと知れた人気スポット。しかし、実はそれだけでなく3つの信仰を柱とする修験の場であり、長い歴史のある山なのです。

「真言宗智山派 大本山髙尾山薬王院有喜寺(しんごんしゅうちざんは たかおさんやくおういんうきじ)※以下、薬王院」の寺域として豊かな自然が残る山中には、歴史ある社殿や祠、遺構などが点在。

普段の山登りでは通り過ぎてしまいがちなポイントを、神様やその背景にある歴史などと共に教えてもらいながら歩きます。

今回巡ったスポットはこちら

高尾山マップ
作成:橋爪 勇志

高尾山の神様めぐりコース(1号路使用)

氷川神社→高尾山登山口→金毘羅台→浄心門→仏舎利塔→髙尾山薬王院→神社→浅間社→山頂→弁天洞→ケーブルカー・高尾山駅

通常、1号路を利用しての薬王院へのコースタイムは70分ほどですが、今回は時間をかけて神様・仏様などを巡りながらまずは山腹の薬王院へと向かいました。

スタートからいきなり貴重なスポット

高尾山 氷川神社
撮影:YAMA HACK編集部

冒頭でも説明した通り、高尾山で有名なのは「薬王院」という寺です。

ところが、まず最初に向かったのは高尾山口駅のすぐそばにある神社「高尾山麓 氷川神社」でした。これは一体どういうことなのでしょう?

廣田ガイド

廣田ガイド

高尾山麓 氷川神社は、薬王院と深い関係があります。高尾山麓 氷川神社は江戸時代に高尾の総鎮守となったのですが、その別当が薬王院だったのです。

“ 別当 ”というのは、兼務するという意味。

つまり、「当時、この氷川神社を管理していたのは薬王院です」という意味になります。

ライター 高橋

ライター 高橋

お寺が神社を管理するって……。なんだか混乱してきました。

廣田ガイド

廣田ガイド

江戸時代まで日本は神仏習合(しんぶつしゅうごう)と言って、神道と仏教がはっきり区別されておらず、喧嘩しないで一緒に暮らしている状態でした。神社の中に寺院があったり、寺院も神道の神様を祀っていたりとそれが当たり前。

ところが、明治維新後の神仏分離令により、当時、多くの寺が神社に鞍替えせざるを得なかった。現在の神社を名乗っているところも、もともと寺だったところが多いです。

なので、時代の変化に翻弄されながら現代でも神仏習合であり続ける薬王院はとてもめずらしい存在のお寺なんですよ。

ライター 高橋

ライター 高橋

よく来るのに、そんなめずらしい場所とは知らなかったです。

廣田ガイド

廣田ガイド

ちなみに、高尾山麓 氷川神社は、日本神話の神様である素戔嗚尊(スサノオノミコト)を祭神としています。

高尾山のある八王子という地名は、この素戔嗚尊の8人の王子(=八王子)が由来なんですよ。

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