現在、多くのブランドがフーディを出しているけれど、コレはかなり個性的!
今回紹介するのは、ホグロフス/パワーウール マルチ フリース プルオーバー。
価格:19,800円
サイズ:S、M、L(ユニセックス)
カラー:グレー1色
重量:282g(Lサイズ)
パワーウール マルチ フリース プルオーバーの詳細はこちら
いわゆるフーディと呼ばれる、目出し帽的フードを備えた中間着。
上の写真を見ての通り、何の変哲もない、ちょい地味なフツーの薄手ミッドレイヤーです。
でも、よく見てみてください!なんだかフードの付け根、首部分が変わっていませんか???
なんと!?パカッと、背面側に外せるフードなんです!
通常のフーディは、フロントがハーフジップやフルジップになっていて、ジッパーの開閉によってフードの着脱をします。
例えば、こんな感じです。フーディの元祖パタゴニアのR1フーディ(左)、フーディニのパワーフーディー(右)。
顔半分を包み込んでくれて温かいのですが・・・・・・
多くのフーディは、パラクラバ的に被るとフロントジッパーが当たります
フロントジッパーが、口や顎に当たるのが、フーディ。
撮影時のように暖かければ、気になりませんが、寒いと、ちょっとジッパー部分がヒンヤリ、激しく動くと違和感があります。
でも仕方ないんです。
多少違和感があってもジッパーがなければフードの着脱は難しいですし、頭と顔は間違いなくあったかい。急に寒くなってビーニー等の保温帽子を忘れてきても、このフーディがあれば変わりになってくれるんですから!
だから、私も「フーディはそういうもの。便利だからそれでOK!」と愛用しています。
ホグロフスのデザイナーさんは「ジッパーの違和感を解消したかった!」んだと、想像します
既存のフーディは、いわゆるフーデッドパーカーのフードをバラクラバ的に使うウエア。つまりフーデッドパーカーがベースです。
でもホグロフスは、フーデッドパーカーをベースにしてフーディをデザインすることをヤメたんだと思います。
代わりに、バラクラバの機能をそのまま活用する、つまりバラクラバをベースに、フーディを再構築したんだと思うんです。
と思ったら、このウエアは日本限定発売モデルとカタログにあります。スウェーデン本国アイデアではなく、これは日本発のアイデアなのかもしれません!だとしたら、こんな個性的なアイデアを思い付ける日本人がいることに、驚きです!
バラクラバにプルオーバーを追加したからマルチさアップ!
パラクラバをベースに、プルオーバーを追加したようなデザインの、ホグロフス/パワーウール マルチ フリース プルオーバー。
当然、バラクラバの機能を最大限活用できます。
写真左は、バラクラバ。頭部と頸動脈の通る首を保温できるので、血流がよくなり身体全体が温かくなります。
中は、目出し部分から顔を出して、ビーニー風。頭部と首は保温され、ビーニーよりも温かく、ビーニー同様に呼吸がしやすい。
右は、目出し部分から頭部を出して、ネックウォーマーに。風が吹いていて、薄ら寒い時の保温にぴったり!
フーデッドパーカーベースの既存のフーディでも、同様の使い方ができない訳ではありませんが、やはりジッパーの違和感が残ってしまいます。
そのため、バラクラバの機能を重視したいなら、このプルオーバーを選ぶことをオススメします!
フーディなのでサムホール装備、グローブ代わりにもなる
バラクラバにプルオーバーを追加したデザインでも、フーディの特長のひとつである袖のサムホール※1はしっかり装備しています。
また、サムホールに指を通した上からグローブを装着すれば、手首の保温力が上がり、血管が温められ、身体も暖かくなります。寒がりハイカーは、このサムホール、是非活用して欲しい機能です!
※1、サムホール:親指を通す穴のことで、ハーフフィンガーのグローブのように使え、少し寒い時の手先の保温に有効。
八ヶ岳縦走で着用してみたら、どうだった?
今回、1日目に八ヶ岳の麦草峠からオーレン小屋に向かい、宿泊。
2日目の早朝、オーレン小屋からのハイクスタート時から、このパワーウール マルチ フリース プルオーバーを着用しました。出発時の気温は0℃。霜が降り、トレイル脇には霜柱もありました。
しかし私は暑がりなこともあり、インナーにメリノウールの半袖Tシャツ、アウターに極薄ウィンドジャケット、バラクラバは背後に外して登り始めました。
冷気の溜まった谷間は思った以上に寒く、バラクラバをネックウォーマーにし、ウィンドジャケットのジッパーもクローズ。グローブも装着して、登り直しました。首には大動脈が通っているので、ネックウォーマーで温めるだけで、カラダが感じる温かさはかなりアップします。
向かっている硫黄岳山頂に近づいてくると、陽が当たる場所が増え、今度は汗が噴き出てきました。
そこで汗が出過ぎる前にウィンドジャケットを脱ぎ、バラクラバを外し、グローブも取りました。
すぐに涼しくなり汗が引き、汗冷えすることもありませんでした。
けれど、なんだか手先だけは冷たい・・・・・・山頂で風が吹いていて、さらに冷えて、手がかじかんだらイヤだなと思い、サムホールに親指を通しました。
はい、ちょうどいい!袖がちょっと長くなっただけで、なんでこんなに温もりを感じるのか。いつも不思議に思いますが、冷えている箇所へと続く血管を温めること、それが大切なんですね。
バラクラバって、こんなに気持ちよかったっけ?
硫黄岳山頂は、快晴!陽射しも強く、バラクラバを装着するほどの寒さではなかったのですが、テストのために装着。
寒くないのは当然ですが、暑くないのが不思議。ちょうどいい!しかも気持いい!!
このプルオーバーの素材は、ポーラッテック社製のパワーウール。速乾性のあるポリエステルに、調湿性、保温性に長けたメリノウールを混紡素材。しかも表面はポリエステルで滑りがよく、裏面は凸凹としたメリノウールのグリッド形状で、肌当たりがやわらかく、吸湿効果に長け、通気性も高いもの。
だから、気持ちがよかったんですね!今回はTシャツの上に保温着としてレイヤリングしましたが、ベースレイヤーとして、素肌の上に直接着るのも、アリ!かもしれません。
結局、10時間着続けて、ずっと快適でした
さて、硫黄岳からは横岳、赤岳、権現岳、そして観音平までハイクを実行。
約10時間の間、ずっとパワーウール マルチ フリース プルオーバーを着続けました。最高気温は12℃くらい。バラクラバは外し、風の強い場所でサムホールを装着。暑くなったら、袖をたくし上げました。青年小屋から観音平までは、ペース上げて走りましたが、オーバーヒートすることもなく、ずっと快適でした。
まだそれほど寒さが厳しくなかったので、保温力についてはさらなる検証が必要です。
でも気温0℃から12℃まで、ほぼウールTシャツとこのプルオーバーのレイヤリングで済んだこと考えると、薄手のミッドレイヤーとしては、かなり高い対応力を持ったウエアだと感じました。
恐らく、同じパワーウールを使用していても、フーデッドパーカーベースのフーディでは、同様の対応力、快適さは得られないでしょう。
願わくはカラー展開がグレー1色のみではなく、ブルーやグリーンをプラスして欲しい!
ちなみにホグロフスのタイツ的パンツもよかった!
今回着用したパンツは、同じホグロフスの
ハイブリッド ストレッチパンツ
価格:14,850円
サイズ:S、M、L(ユニセックス)
カラー:マグネタイト、ライトベージュ、アースグリーン
重量:250g(Lサイズ)
本体素材はソフトシェルで、ヒザと背面がハイゲージニッティング素材。膝下はタイツのようにぴったりとフィットしてバタ付き皆無。膝上はショーツのようなゆとりのあるシルエットで、動きやすいもの。
パワーウール マルチ フリース プルオーバーと組み合わせると、上下グレーでかなり地味なので、帽子やシューズ、ジャケットで目立つ色合いをプラスするといいかもしれません。
それでは、みなさんよい山旅を!
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