山に登る理由は人それぞれ
山に登る人は、初心者からベテラン、スタイルもきっかけも様々で、いろいろな人がいますよね。そして、その数だけ山へ登る理由や想い、楽しみ方も存在します。コロナウイルスでの自粛期間もあり、より山について考える時間も多かったのではないでしょうか。
YAMA HACKでは、これまでアウトドアに関わる多くの人達に、山への想いを聞いてきました。様々な人の話を聞くと、自分とは違う価値観や共感できるポイントだったり、新しい山の魅力を発見できるかもしれません。
今回は、よりYAMA HACK読者に近い登山者「POLEPOLEアンバサダー」の方に、山への想いを聞いてみたいと思います。
「POLE POLE」アンバサダーってどんな人?
『POLE POLE』とは女性のための登山情報ページ。登山が好きなすべての女性に、レベルや年齢にとらわれることなく自分らしく山を楽しんでほしい、そんな想いをカタチにする場所として2020年3月にOPENしました。
そのPOLE POLEで、女性ならではの視点で山の楽しさや魅力を発信してくれる存在がアンバサダーさん。自分らしく山を楽しみ、その思い出の詰まった写真などを投稿してくれています。
いつも見ているだけでワクワクする写真を投稿してくれるアンバサダーさんって、どんな人なんだろう?
普段なかなか聞くことのできない山への想いを聞いてみたい!
そんな訳で、「思い出の山」や「挑戦してみたい山」など山にまつわるお話を伺ってきました。
初めまして!POLE POLEアンバサダー<chinaa_33>さん
名前:china
私の大好きな山、それは「笠ヶ岳」
笠ヶ岳
標高:2,898m
所在地:岐阜県高山市
北アルプスの南側に位置する笠ヶ岳は日本百名山のひとつ。登山口から山頂までの所要時間が長く、1,900m近い標高差があるため一般的には健脚者向け。北アルプスの主要な縦走路から外れているため、静かな山歩きを楽しみたい人から支持されている山。
── これまでに登った山の中で、思い入れのある山はどこですか?

── えっ…落雷ですか!?

── それは衝撃的でしたね。どんな山行だったのか教えてください!
天気予報も晴れで、初めて行く山にワクワクしていたのを覚えています。

── 大人数でにぎやかそうですね!
1番後を歩いていたので、白くて細い光がみんなの頭の上を走る瞬間を見てしまい.…。

── めちゃくちゃ怖い体験をされたんですね。

── 怪我することなく無事だったことが何よりですね。

── ご自身だけでなくテントにも落雷していたんですね。
でも雨が強く降りはじめたので急いで荷物をかき集め、雷が鳴る恐怖の中、とにかく必死で小屋まで走りました。
もちろん予約もしていなかったのですが、小屋では快く受け入れてくださり本当にありがたかったです。
自炊室もゆっくり使わせてくれたりと親切にしていただき、小屋の方には感謝しかありません。

メンバー全員が無事だった事が奇跡
もちろん予定を変更し、下山することにしましたよ。

── 雷の衝撃がすごかったことがわかる写真ですよね。
カメラ、モバイルバッテリーなどの電子機器は当然全滅。ビールは全て穴が空いていて、袋がアルミコーティングされているお菓子や食品類は、溶けたり穴が空いていました。
他にもポール付近にあったザック、マットなど破損したものは多数あります。

── これだけの被害にもかかわらず、メンバー全員が無事で本当に良かったですね。

── 雷って登山者の側から積極的な対策をとることが難しい自然現象ではありますよね…何か予兆は感じていましたか?

── 遠くのかすかな雷鳴でもあっという間に雷って迫ってくるんですよね。最も大きな雷対策は”出会わない工夫”だとも言われていますが…雷に対して改めて対策などをするようになりましたか?
長い縦走や稜線にテントを張る山行の場合は、ワンポールではなく自立型テントで計画したり、早い時間の行動を心掛けたり…できる限りの対策を取れるように計画段階からより深く考えるようにもなりましたね。

山に登る以上、誰にでも起きうる可能性のある落雷の怖さが伝わってきましたね。
”雷にあったらまずは建物内に避難する”という、天候の急変に適切に対処したchinaさんたち。山に潜む危険を身を持って体験した山行だからこそ、心に深く残っているんですね。