デジタル一眼、GoPro、スマホ…高画質なカメラがたくさんある中、『フィルムカメラ』の魅力って?

2021/10/15 更新

最近、山でフィルムカメラで写真を楽しむ人が増えていますね。山の景色や山ごはんなど、フィルム写真は独特の雰囲気が素敵です。今回は、山で楽しむ”フィルムカメラ”にフォーカス。インスタの「#山フィルム」が人気のフィルムカメラ好きハイカー・ukiさんの登山にも密着。その魅力に迫ります!


アイキャッチ撮影:YAMA HACK編集部

山でフィルムカメラを楽しむ人、ますます増えてます!

巷ではフィルムカメラ人気が続いてますが、山でもフィルムカメラで写真を楽しむ人が増えています。
美しい山の景色や山仲間との写真、おいしそうな山ごはんなど、同じ写真でもフィルムならではの独特な雰囲気の写真はとっても素敵。
ですが…使ったことがない人にとっては、フィルムを変えたり…設定もなんだかちょっと難しそう。

今回は、そんな山の楽しみ方のひとつ「フィルムカメラ」に注目していきます。

インスタで見つけた!山でフィルムカメラを楽しむハイカーさん

まずはInstagramで、ハッシュタグ「#山フィルム」で写真をアップしているハイカーさんを直撃。
フィルムカメラ登山にまつわる魅力や失敗など、山フィルムのあれこれを聞いてみました!

【uki1022さん】

【1】使っているカメラ&フィルムは?
カメラ:Hasselblad500cm / ミノルタSR-7
フィルム:富士フィルム プロ400(ブロニーフィルム)/ 富士フィルム 業務用100(35mmフィルム)
【2】フィルムカメラの魅力を教えてください!
仕上がった写真の質感が好きです。撮影時の楽しかったことや写真に込めた気持ちなどを思い出せるところが魅力だと思います。
【3】フィルムならではの失敗を教えてください!
フィルムをセットせずに撮っていて撮り終わってから入っていないことに気づいたり、失敗はたくさんあります。
【4】気をつけている点や撮影ポイントはありますか?
フィルムは枚数が限られてるので失敗しないように、撮る前には露出を合わせたり光や影に気をつけながら撮っています。”ここを撮りたい”って思った瞬間しかシャッターを切らないので、一瞬一瞬をすごく大切にしています。

【onatsuno_oyamakirokuさん】

【1】使っているカメラ&フィルムは?
カメラ:RICOH LX-55w / PENTAX MZ30/OLYMPUS trip35
フィルム:kodak ultramax400 / 富士フィルム 業務用100
【2】フィルムカメラの魅力を教えてください!
どんな風に写っているか、仕上がるまでの時間が心待ちになること。 デジタルカメラとは違うあたたかみやボケ、色みが出るところが気に入っています。
【3】フィルムならではの失敗を教えてください!
フラッシュを使わずに撮って、暗すぎてしまったり、フラッシュを使ったが故に本来目に見えている景色とは離れた絵に仕上がってしまったこと。そこが、面白みでもありますが…。
【4】気をつけている点や撮影ポイントはありますか?
暗すぎないか、フラッシュは必要かなど、光の明るさには気をつけ、慎重にブレないように心がけています。撮りたいと思った瞬間や景色を目にしたその時にカメラを構えます!

【pii_22さん】

【1】使っているカメラ&フィルムは?
カメラ:Canon EF / Hasselblad500cm
フィルム:FUJIFILM業務用フィルムiso100 / Kodacolor200 / FUJIFILM premium400/FUJIFILM PRO400H(120mmフィルム)
【2】フィルムカメラの魅力を教えてください!
ファインダーを覗いた時の感動、アナログな所、空気感やかっちりし過ぎない自然な写り、現像までのワクワク感…とにかく魅力がたくさんです。
【3】フィルムならではの失敗を教えてください!
フィルムを次のコマに送る時にレバーを回しすぎてしまい、撮ってる途中のフィルムを千切ってしまって撮った写真がパーになったことがあります。
【4】気をつけている点や撮影ポイントはありますか?
全てマニュアルなので、光には気をつけiPhoneのアプリを使って露出設定をし撮影しています。あえて太陽の光を存分に入れたりフレアを出したりするのも楽しいです。目にとまった瞬間を逃したくないので、撮りたいと思った場面で撮るようにしています。

【102fishさん】

【1】使っているカメラ&フィルムは?
カメラ:Leica R7
フィルム:たくさん撮りたいのでなるべく安いものを使っています。
【2】フィルムカメラの魅力を教えてください!
魅力はフィルムの雰囲気です。どれだけ加工をしようと、この味は出せないなと思います。
【3】フィルムならではの失敗を教えてください!
ピントや設定を調整するのに時間がかかってしまって…撮りたい一瞬をよく逃します。あとは、”重さ”が悩みです。
【4】気をつけている点や撮影ポイントはありますか?
撮れる枚数が限られているので、同じような写真を撮らないように気をつけています。 何も考えず、自分が今撮りたい!って感じたときに自由に撮っています。自分が見て感動した景色を、たくさんの人と共有できたらなと思っています。
失敗のリスクなどデメリットもあるけれど、それ以上に一瞬を大切に撮影することやフィルム独特の雰囲気が魅力であることがわかりましたね。みなさん色々と工夫しながら、そこも含めて楽しんでいるようです。

……実際のところ山でフィルムカメラってどうなんでしょうか?

もちろん”山に持っていく”ことのデメリットも。

出典:PIXTA
どんなものでもメリットとデメリットはつきもの。

・予備のフィルムが荷物になる
・失敗のリスク
・フィルムや現像代が高い

デジタルカメラと違い、撮影するためのフィルム、見るための現像にお金がかかります。また、写真をたくさん撮りたい人は、フィルムを何本も持っていく必要があるため、荷物が意外とかさばってしまうのだとか。
他にも、撮った写真をすぐに確認できない不安やもどかしさもありますよね。

”写ルンです”と一緒に!フィルムカメラ大好きukiさんの登山に密着

そこで、フィルムカメラ好きハイカーのukiさんに密着。一緒に”写ルンです”を持って、山フィルムを体験してきました。
デメリットもありながら、なぜ山にフィルムカメラを持っていくのか。山でフィルムカメラを楽んだ様子をお伝えします。

フィルムカメラ 登山 うきさん
撮影:YAMA HACK編集部
ユーザーネーム:uki1022
名前:うき     登山歴:3年
フィルムカメラで景色を撮るために山へ登り、美ヶ原で北アルプスの絶景に出会い山の虜となる。1.5kgはある愛機・ハッセルブラッドなど最低2台はカメラを持参。カメラとフィルムが重いことが悩み。

愛機・Hasselblad500cm&ミノルタSR-7とを持って・・・出発!

今回はコースタイム2時間程の軽登山でしたが…しっかりと2台の愛機を持って登場してくれたうきさん。
カメラ機種やフィルムの種類によって写真の雰囲気が異なるということで、今回は愛機の他に「写ルンです」も使ってもらい、撮り比べてみることにしました。
※撮影クレジットのない写真は全てうきさん撮影

フィルムカメラ 登山 写ルンです
撮影:YAMA HACK編集部(左からHasselblad500cm、ミノルタSR-7、写ルンです、ライター所有のリコーGR1s)
今日は、Hasselblad500cmとミノルタSR-7を持ってきました。
写ルンですも山友だちと「#写ルンです登山隊」をして楽しんでいるので好きです!
うきさん
うきさん

山でフィルムカメラを使うのは初めてなので、ちゃんと撮れるかドキドキです。


どんな写真が撮れるのか…いざ出発!

早速パチリ!

フィルムカメラ 登山
撮影:YAMA HACK編集部
スタートと同時にパチり。
うきさん、気に入った瞬間を逃さず撮影しています。

▲Hasselblad500cmで撮影

▲ミノルタSR-7で撮影

▲写ルンですで撮影
ここ撮りたい!って心が動いた瞬間を大事にして撮るようにしています。
山などの景色を撮ることも好きですが、友だちの素の表情や笑顔を撮ることも大好き。楽しそうに写っているとより感動しますね。
うきさん
うきさん

使っていればすぐ慣れます!

フィルムカメラ 登山
撮影:YAMA HACK編集部
と、ここでフィルム切れ。手際よくフィルムを交換していました。
平らな場所が少ない山の中でフィルム交換するのは難しそうですよね…
フィルム交換にはすっかり慣れました。何度もやっているので難しくはないですよ。
でも、雪山で交換する時はグローブを外さないといけないので…正直その時はめちゃくちゃ辛いです。笑
うきさん
うきさん

イマドキアイテムを使いながら”一瞬を撮る”を楽しむ

カメラの話を色々と聞きながら歩いていると、うきさんがスマホを取り出しました。
「あ、スマホでも撮影するんだ」と思っていたのですが…

フィルムカメラ 登山
撮影:YAMA HACK編集部(スマホアプリで露出を測る様子)
フィルムカメラ 登山
撮影:YAMA HACK編集部
ハッセルには撮影時の光の強さを測る”露出計”がないので、スマホのアプリを使っているんですよ。だから、絞り値やシャッター速度など細かい設定が簡単にできちゃいます。
ちなみに、普通にスマホでも撮りますよ!笑
うきさん
うきさん

専門的なスキルが必要だと思っていましたが、難しい設定などは便利アイテムに助けてもらいながら撮影しているんですね。フィルムカメラへのハードルが下がりました!


▲Hasselblad500cmで撮影

▲ミノルタSR-7で撮影

▲写ルンですで撮影
木漏れ日だったり、光の感じなどが好きなので、そういった一瞬を逃さないようにしています。
うきさん
うきさん
同じ光の感じで撮っていても、カメラによって写真の色味だったり雰囲気が異なっていてびっくりしました。それがすごく面白い!
好きな雰囲気で映し出すカメラ・フィルムを探すっていうのも、また楽しそうですね。

”限られた枚数”だからこそ、どんな場所・景色もより楽しく

撮影をしながら山頂へ向かっていましたが、山歩きを楽しみつつ動物と出会ったりと大満足。雲行きも怪しかったことから、ピークハントすることなくあっさりと下山。山麓グルメも楽しんで帰路につきました。

フィルムカメラ 登山 写ルンです
撮影:YAMA HACK編集部
歩いているだけで、いいな!と思う瞬間がたくさんあるので、山頂に絶対に行くというこだわりはないですね。
フィルム仲間とカメラの話をしながら、写真を撮っているだけでもすごく山は楽しめますよ。
うきさん
うきさん

スマホで撮っているとなんとなく作業というか、”写真を撮っている”っていう意識がなかったかもしれません。何枚でも撮影できますしね。
限られた枚数の中で、撮りたい一瞬を捉える…フィルムカメラは山の楽しみ方のひとつですね。

そうなんです!それに、型の古いカメラを使っているとご年配の方によく話しかけられるんですよね。そういう、出会いも嬉しいです。
うきさん
うきさん

今日も「懐かしいカメラだね〜」って話かけられてましたよね。会話のきっかけや新しい出会いもフィルムならではの魅力ですね。

失敗すらも楽しい思い出に!

提供:うきさん(フィルムセットを失敗し撮影カットが全て重なった写真)
今撮りたい!と思ってシャッターを押すも…「あ、巻いてなかった。」と、何度もフィルムを巻き忘れてしまいました。 これまでに、フィルムならではの失敗はあったのでしょうか?
失敗ですか?あります、あります!
ちゃんとフィルムがセットされてなくて、1枚に24枚分の写真が重なっていたり…。
うきさん
うきさん

撮った写真が全部重なってる…それはショック!


撮影:YAMA HACK編集部(現像した写真をチェックすると、ピントが合っていないものがちらほら)
たしかに…
今回の写ルンですでの撮影でも、逆光や日陰でフラッシュをたき忘れたり、フィルムを巻いた状態でポケットに入れてうっかりシャッターを押してコマを無駄にしたり…失敗もたくさんありました。笑

失敗するとショックが大きいですが…それも思い出になってて、後で見返すとこんな失敗したなぁと笑っちゃいます!逆に忘れられない思い出になったりしますよ。
うきさん
うきさん

フィルムカメラは山の楽しみ方のひとつ

撮影:YAMA HACK編集部(うきさんのHasselblad500cmを覗かせてもらいました)
《フィルムカメラ登山の魅力》
・厳選して撮影するから一瞬を大切にできる
・いつもと違った視点で山を見ることができる
・山頂にこだわることなく、山歩きを楽しめる
・ファインダーからのぞくと景色が違って見える
・会話や出会いのきっかけになる
・写真が仕上がるまでのワクワク感も楽しい
いやいや、本当にフィルム登山楽しかったです。うきさんが、ここぞという一瞬にカメラを構えていてその姿も素敵でした。
「あ、失敗したかも!?」って思っても、それもまた一緒に楽しめたり…。いつもとは少し違う登山を楽しむことができました。

もちろん、デジタルカメラにはデジタルカメラの、スマホにはスマホの良さがたくさんあります。「どれが一番良い」「どれが一番素敵な写真」ということは決められません。
山の楽しみ方のひとつとして、フィルムカメラならではの魅力を楽しむ登山、ぜひ試してみて欲しいと思いました。

フィルムカメラを持って山へ行ってみよう!

フィルムカメラ 登山 写ルンです
撮影:YAMA HACK編集部
ハードな道を歩いたり山頂を目指すだけが登山なんてことはありません。心地よく山歩きしながら“一瞬を撮る”ことを楽しめるのがフィルム登山のいいところ。景色だけでなく友人の表情や山ごはん、山麓グルメなどシャッターチャンスは無限大。
本格的なフィルムカメラはハードルが高いかもしれませんが、「写ルンです」なら簡単に手に入るので、みなさんもフィルムカメラを持って山に行ってみてくださいね!フィルムカメラの沼にハマりそうな予感がします!

帰宅してからも楽しい!現像した写真を待つワクワク感

撮影しながらの登山はもちろん楽しいもの。さらに、現像から写真が戻ってくるまでのワクワク感もたまりません。
最後に、今回の密着取材でうきさんと編集部が撮影した写真を紹介します。

▼うきさん撮影の写真がコチラ


撮影:うきさん(Hasselblad500cm・ミノルタSR-7・写ルンですで撮影したカット)
▼編集部撮影の写真がコチラ


撮影:YAMA HACK編集部(全て写ルンですで撮影)

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高橋 典子

ハイクとミニマルキャンプをこよなく愛するフリーライター。次はどこに行こうか、9歳の息子と地図を眺めるのが日課。最近は、山岳気象予報に興味津々!

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