どこまでも続く稜線の絶景に心が震える!ずっと見てきた憧れの「槍ヶ岳」

2021/09/30 更新

登山女性向け情報ページ「POLE POLE」。そこで、山の魅力や楽しさを発信してくれる存在がアンバサダー。今回は、ご夫婦で登山を楽しむ様子を紹介してくれている<nyasuna>さんの登場です。思い入れのある山や、チャレンジしたい山など、ひとりの女性登山者として山について、胸に思い描いていることをインタビューしました!


アイキャッチ提供:にゃすなさん

山に登る理由は人それぞれ

大菩薩嶺
撮影:YAMAHACK編集部
山に登る人は、初心者からベテラン、スタイルもきっかけも様々で、いろいろな人がいますよね。そして、その数だけ山へ登る理由や想い、楽しみ方も存在します。コロナウイルスでの自粛期間もあり、より山について考える時間も多かったのではないでしょうか。

YAMA HACKでは、これまでアウトドアに関わる多くの人達に、山への想いを聞いてきました。様々な人の話を聞くと、自分とは違う価値観や共感できるポイントだったり、新しい山の魅力を発見できるかもしれません。

今回は、よりYAMA HACK読者に近い登山者「POLEPOLEアンバサダー」の方に、山への想いを聞いてみたいと思います。

「POLE POLE」アンバサダーってどんな人?

『POLE POLE』とは女性のための登山情報ページ。登山が好きなすべての女性に、レベルや年齢にとらわれることなく自分らしく山を楽しんでほしい、そんな想いをカタチにする場所として2020年3月にOPENしました。
そのPOLE POLEで、女性ならではの視点で山の楽しさや魅力を発信してくれる存在がアンバサダーさん。自分らしく山を楽しみ、その思い出の詰まった写真などを投稿してくれています。

いつも見ているだけでワクワクする写真を投稿してくれるアンバサダーさんって、どんな人なんだろう?
普段なかなか聞くことのできない山への想いを聞いてみたい!

そんな訳で、「思い出の山」や「挑戦してみたい山」など山にまつわるお話を伺ってきました。

初めまして!POLE POLEアンバサダー<nyasuna>さん

POLEPOLE 槍ヶ岳 nyasuna
提供:にゃすなさん(Instagram/nyasuna
プロフィール|nyasunaさん
名前:にゃすな
登山歴:4年目  
アメリカの国立公園でトレッキングを体験し、自然の雄大さに圧倒されたのが最初のきっかけ。道具を一式揃えたことで日本の山にも登ってみたら、海外に負けない景色と出会い、そこからどっぷりハマり現在に至る。基本は夫婦でマイペースに登るスタイル。
自然と触れ合うことが好きで、絶景山写真を紹介しているにゃすなさん。 早速、大好きな山の話を聞いてみましょう!

私の大好きな山、それは「槍ヶ岳」

POLEPOLE 槍ヶ岳 nyasuna
出典:PIXTA

槍ヶ岳
標高:3,180m
所在地:長野県松本市・大町市、岐阜県高山市
北アルプス南部のシンボル的な存在とも言える槍ヶ岳。日本第5位の標高を誇り、日本百名山のひとつ。鋭く尖った山頂部は、多くの山域から眺めることができる。バリエーションルートも含めて多くの登山コースがありますが、どれも上級者向け。美しい尖峰は、いつかは登ってみたい登山者の憧れ。

── 初めての登山が海外トレッキングだったと伺っていますが、きっかけを教えてください。

学生の頃から海外旅行が好きで、社会人になっても休みは海外に旅をすることに費やしてたんです。

ですが…結婚したら、主人はバイクツーリングでキャンプをするタイプの人で…
全く海外に興味がなかったんですよ。笑
共通の趣味がなかったので「テントがあるからキャンプでも行ってみる?」って主人が提案してくれたんですよね。

── うんうん。
それでキャンプに行ったら「自然の中で過ごすのが結構好きだな」って感じて。
なら、海外でもキャンプしてみようって。笑

── どうしても海外に行きたかったんですね。笑
”運転好きな主人”と”海外ならどこでも行きたい私”、両方が楽しめることをしようって相談して、
『アメリカをドライブしながらグランドキャニオントレッキング』って決まったんです。

── ご夫婦の要素を合わせると…アメリカトレッキングだっんですね!
そうなんです。
装備も持っていなかったので、この時に日帰り用ザックや靴など基本的なものを一式揃えました。


提供:にゃすなさん(グランドキャニオンの雄大な景色。とにかく圧巻ですね!)
── 実際に行ってみてどうでした?
グランドキャニオンに着いた日の、あたり一面の夕景がもう言葉では表せないくらいすごくて…地球にこんなところがあったんだ!って感激しました

── 1番最初のトレッキングで素敵な体験をし過ぎましたね。笑
いやぁ、ほんとにそうです。
それまで、山とは全く無縁の生活で自然にもそんなに触れてこなかったので…大自然の雄大さがケタ違いで、完全に自然の虜になりました!

どこの山に登っても、いつも見えるあの”とんがり”

提供:にゃすな
帰国後も、せっかく装備を揃えたので百名山の本などを買って登山の計画を立てました。日本での初めての山は、日帰りで秩父の両神山でしたね。

── 初めてが両神山ですか!素敵な山ですが、百名山の中でもわりと渋い山を選んだんですね。
山頂からの景色も想像と違っていたし、そもそも登山道のほとんどが樹林帯で眺めもなくて。
おまけに帰りには雨まで降ってきて…。

── それは大変でしたね。どうして両神山を選んだんですか?
それが、なんでそこにしたかわからないんです。笑
とにかく、ボロボロになって帰ってきたんですけど、不思議と嫌ではなかったんですよね。
ただ、ステップアップは大事だなと学んだので、その次はキャンプをしながら那須岳に行きました。この時はすごく楽しかったです。

── ステップアップ大切ですね!
はい。なのでしばらくは、キャンプと一緒に山を楽しむスタイルでした。
次第に「次は山に泊まりで行ってみたいよね」って話になり、燕岳で北アルプスデビューしたんです。

── 確かに、燕岳は北アルプスの入門ってよく言われていますよね。
でも、とにかく登りが辛くて・・・どこが入門だ!?って。笑

だけど、登り切った時の一面に山々が広がっている景色に完全に心が掴まれました
朝日も夕日も素晴らしくて、それこそアメリカで見た景色に負けていなくて。「北アルプスすごい!!」って。
もう、そこでハマりましたね。


POLEPOLE 槍ヶ岳 nyasuna
提供:にゃすなさん(殺生ヒュッテのテン場にて槍ヶ岳とツーショット)
── 日本の山も負けてないぞ!と。
そうです。その後は、南アルプスとか色々な山域の山に登ってたんですが、その時に、どこに登っていても”とんがり”が見えたんです。

山座同定が苦手なので、それでも一発で分かる山容でとにかくかっこいい!
別の山に登っていても、槍ヶ岳が見えるとなぜかめちゃくちゃ嬉しくなるんですよ。

── 槍ヶ岳かっこいいですよね!
そうなんですよ〜。いつも見えるので、いつかあのとんがりの先に立ちたいっていう思いがどんどん強くなって…。
蝶ヶ岳から槍を見た時に「もう我慢できない!次は槍だな」って。
ちょうどその頃、山でもテント張りたいねという話も出ていたので、テント泊で槍ヶ岳に挑戦することに決めました。

感動で震えた!憧れの頂からどこまでも広がる稜線の絶景



POLEPOLE 槍ヶ岳 nyasuna
提供:にゃすなさん(山頂から裏銀座方面の写真)
初めてのテント泊で憧れだった槍ヶ岳に挑戦した、にゃすなさん。念願の槍ヶ岳での山行について、写真と共に語ってくれました。
── 初めてのテント泊、そして槍ヶ岳はどうでしたか?
今までに経験したことのない、重たいザックを背負い上高地からひたすら歩きました。当初は、上高地〜殺生ヒュッテ(テント泊)〜上高地の1泊2日の予定で、1日目の殺生ヒュッテに着いた時は疲労困憊でした。
POLEPOLE 槍ヶ岳 nyasuna
提供:にゃすなさん(テントから見えた槍ヶ岳)
── 初めてのテン泊装備を持って、上高地から殺生ヒュッテまでって結構な距離ですよね!?
しかも、テン場に辿り着いた時はガスと小雨で槍の姿もほぼ見えず。 景色を諦めてくつろいでいたら、ガスが晴れてきて…テントの中から槍が見えたんです。念願の槍がほんとに近くて感激しました!
その後は天気も回復し、日暮れから星空、夜明けにモルゲンロートと色々な景色が堪能できました。 今まで色々な山から見続けていた、憧れの槍ヶ岳のすぐそばに居られて、本当に幸せな時間でしたね。
POLEPOLE 槍ヶ岳 nyasuna 天の川
提供:にゃすなさん
POLEPOLE 槍ヶ岳 nyasuna 殺生ヒュッテ
提供:にゃすなさん(夜が明ける直前のなんとも言えない色の空が美しい)
── 素晴らしい景色の写真ばかりですね。カメラは一眼レフですか?
この日のために軽量な三脚も購入して、一眼レフでレンズも広角や望遠など3本持って行きました。
やっと行ける、初めて登るのでどの時間帯の景色も撮り逃したくなかったんです。


── 初めてのテント泊で、レンズ3本に三脚まで持って行ったんですか!?
重くて重くて…ひいひい言いながら登りましたけど、持って行った甲斐はありました!
夜中に写真を撮る時も周りを気にしなくていいし、すぐ外にはこんなに絶景が待っているなんてテント泊最高!って思いました。笑

憧れの山頂で感動に震える

POLEPOLE 槍ヶ岳 nyasuna
提供:にゃすなさん(山頂へのはしごを感極まりながら登るにゃすなさん。)
翌日、梯子や鎖に取り付いた時は、今までにない緊張感がありました。恐怖というより、遂にあのてっぺんに登るんだ…という高揚感からくるドキドキですね。
最後の梯子では感極まって半泣きでした。


POLEPOLE 槍ヶ岳 nyasuna
提供:にゃすなさん(槍ヶ岳山頂にて)
── ずっと憧れていた山ですもんね。山頂に立った時はどんな気持ちでした?
いろんな感情が入り混じって、もうすごかったです。
「あ!今、槍ヶ岳にいる!!」っていう、感動で震えました

目の前に広がる世界は繋がっていて、どこまでも歩いていける


提供:にゃすなさん(山頂からの絶景写真)
360度全部が山で、世界の中心にいる感覚でした。山頂についた時の達成感は忘れません。
でもいつもの癖で、思わず槍の姿を探しました。

── ずっといろんな場所から見てきた、目標の山ですもんね。
はい。山頂から正面に穂高連峰など、山の雑誌の写真で見てきた景色がそのまま目の前にあったんです。自分には縁のないものだと思っていたんですが、それが全部見えて。
槍ヶ岳の反対側にもたくさん山があって、見えるところ全部歩いてみたい、逆から今自分のいるところまで繋げてみたい、って思いました。
目標のひとつだった山が通過点になって、新しい目標が決まった瞬間でもあります!


憧れだった槍ヶ岳の山頂に立った嬉しさや、テント泊を満喫したことを語ってくれたにゃすなさん。さらに、新しい目標も決まった素晴らしい山行だったことが伝わってきましたね!

今後チャレンジしてみたいのは「槍ヶ岳〜大キレット〜北穂高岳を繋ぐ縦走」


出典:PIXTA

大キレット
槍ヶ岳の南側に位置する南岳と北穂高岳を結ぶ、V字状に切れ込んだ岩稜帯の稜線・「大キレット」。三大キレットのひとつで国内屈指の難関ルート。急峻な岩稜地帯が続き、通過には約4時間ほどかかる、上級者のみが挑戦できる場所。重大事故も頻発しているため、絶対に初心者は近づかないこと。

── 槍ヶ岳の山頂で決めた新たな目標について教えてください。

大キレットを歩いて槍ヶ岳から穂高連峰を繋いでみたいと思っています。

槍ヶ岳の山頂で、目の前に広がる世界はすべて繋がっていて、どこまでも歩いて行けるんだと思いました。穂高連峰の圧倒的な存在感、裏銀座の雄大な山容にとても感動しました。
なので、大キレットもそうですし、槍ヶ岳を目指して裏銀座から西鎌尾根も歩きたいんです。
あの時、見渡した稜線を全部歩いて、その後また槍ヶ岳に登って…自分の歩いた道を眺めたいなと思っています。


POLEPOLE 槍ヶ岳 nyasuna
提供:にゃすなさん(下山途中に西鎌尾根方面を少しだけ)
── どこも最難関ルートですね。
そうですね。挑戦っていう意味で言えば、大キレットを1番歩いてみたいです。

── これもテント泊で…?
はい!実は、槍ヶ岳への初めてのテント泊では自分のザックが小さくて、主人がたくさん荷物を担いでくれたんです。
そのため、下山時に主人の足が痛くなってしまって…結局、予定を変更して横尾にもう一泊したんです。

── そうだったんですね。
原因はそれだけではなくて、槍ヶ岳の近くで過ごしたくて山荘付近で写真を撮ったり長居しすぎていたのもありますけど。笑
もともと予備日を取っていたので、無理せず予定を変更しました。
結果的に、横尾でゆっくりキャンプも楽しめたので良かったです。

なので、次は大きなザックでカメラや荷物もしっかり自分で持ちたいと思います。笑

好きになるとどこまでもハマる!だからこそ全力で向き合いたい

POLEPOLE 槍ヶ岳 nyasuna スマホケース
提供:にゃすなさん(お気に入りのスマホケース。槍ヶ岳に行ったら絶対に撮りたかった写真)
大感動だった山行について語ってくれたにゃすなさん。槍ヶ岳への想いが止まりません。
登る前から好きでしたが登ってからはもっと好きになりました。スマホのケースも、好きすぎて槍ヶ岳のデザインのものを使っていたんですよ。
好きになるととことん好きになっちゃうタイプなんです。だから、今は山のことばかり考えてます。笑

── 次の目標も槍ヶ岳からの最難関ルートのひとつですよね。もともと、運動とかそういったことは得意だったんですか?
そういうわけでもなかったんですけど…気がついたら、私も主人も山を優先する感じになっていました。

── 2人で同じテンションで山にハマっていったっていうのもいいですね!最後に、槍ヶ岳に登った時のご主人の様子を教えてください。
結構、ドライなタイプの人なので…私の方が200倍くらい感激してました。
でも、後から山頂での写真を見ると、嬉しそうに看板を持っていたので、嬉しかったんだと思います。笑


槍ヶ岳への溢れる想いを伝えてくれたにゃすなさん。好きなものに全力で取り組む姿、素敵ですね。
これからも、新しい目標に向かって進むにゃすなさんの投稿を要チェックです!

にゃすなさんが紹介してくれた山



ポレポレ 登山女子

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高橋 典子

ハイクとミニマルキャンプをこよなく愛するフリーライター。次はどこに行こうか、9歳の息子と地図を眺めるのが日課。最近は、山岳気象予報に興味津々!

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