ヘルメット着用有無や様々な頭の動きにフィットする「フード」
フードは片手で調節可能なワンハンドアジャスター対応。ヘルメットを装着してかぶる時、そのまま頭に被せる時、どんなシーンでもフィットして頭の動きに追随してくれます。
ウェア内の温度を快適に保ってくれる大きな「ベンチレーション」
気温が高く風も少ない状況で“暑さ”を感じた時にウェア内の熱を放出し外気を取り込む、わきの下のベンチレーション。ハイブリッド ライエルジャケットの開口部は約40cm(All Mountainジャケットは約28cm)と大きめ。ハードな行動で身体が熱を発散しやすい状況でも、ウェア内を常に快適に保ってくれます。
冷えた手を差し入れやすいレイアウトと大きさの「ポケット」
ハードシェルジャケットのサイドポケットの多くは、肋骨あたりの位置に斜めに切れ込みが付けられています。ところがハイブリッド ライエルジャケットのサイドポケットは脇腹あたりの位置に縦に切れ込みが付けられている大容量タイプ。ザックのショルダーベルトと干渉しにくい上、自然な角度で手を差し入れることができるのです。
雪山登山では指先の冷えを緩和するために、ついついポケットに手を入れたくなるものですが、そんな時に嬉しい工夫ですね。左胸外側にもポケットが付いており、小物を収納可能です。
二重構造の腰周りや大きなポケットが快適&便利!
続いてハイブリッド ライエルジャケットの内側をフォーカス。先ほどご紹介した通り、腰の部分を360°カバーする二重構造になっています。さらに突筆すべきは、右胸内側の大きなポケット。
気温の低い雪山登山ではスマートフォンの急激なバッテリー低下が深刻な問題、身体に密着して比較的温度の高い状況をキープできるこのポケットはとても重宝しました。
ユーザビリティを追求した様々な工夫がされた「パンツ」

最後にハイブリッド ライエルパンツの細部もご紹介。
フィールドテスト時にも紹介しましたが、腰まで開くサイドのチャックに、足元の二重構造。さらに付属のサスペンダーなど、本格的な雪山登山に欲しい機能が詰め込まれています。
さらに右太もも外側にもポケットが(All Mountainパンツにはポケットがありません)。下りも利用するロープウェイやゴンドラのチケットなど、“頻繁には使わないが失くすと困る”ちょっとしたアイテムの収納場所にぴったりですね。
レイヤリング次第では雪山登山以外でも活躍!

と、ここまで「雪山登山」でのハイブリッドライエルの魅力について紹介してきましたが、内側のレイヤリングを無積雪期のウェアにすれば、ハイブリッド ライエルは”雪山登山以外”にもオススメ。
また、しなやかな着心地のハイブリッドライエルは、激しい身体の動きをともなうアルパインクライミングなどのシチュエーションにもおすすめ!
ちなみに、今回筆者が雪山フィールドテストでハードシェルの内側に着用したウェアは、以下の通りです。
・ベースレイヤー(写真右):THE NORTH FACE・TEKUNDER ロングスリーブ ホットクルー(上)&ホットトラウザーズ(下)
・ミドルレイヤー(写真左):THE NORTH FACE・ベントリックスフーディー(上)&アルパインライトパンツ(下)
THE NORTH FACE担当者に直撃!「ハイブリッド ライエル」の独自性
実際に着用し、ハイブリッドライエルの着心地や魅力については分かりました。
そこで最後に、このウェアに込められたTHE NORTH FACEならではのこだわりや特徴を知るべく、ブランド担当者にインタビュー。お話を伺ったのはTHE NORTH FACE・プレスチームの鰐渕さんです。
”GORE-TEX PRO テクノロジー×THE NORTH FACE”の独自性はハイブリッド」
ーーー2020年秋は、様々なブランドが「GORE-TEX PRO テクノロジー」を採用した新アイテムをリリースしましたね。その中でTHE NORTH FACEのハイブリッド ライエルは、どんな特徴があるのでしょうか。
2020年秋に登場した3種類の「GORE-TEX PRO テクノロジー」のうち、ハイブリッド ライエルは部位に合わせて以下の2種類の素材を使用しています。
・ウェア青色部分:GORE-TEX PRO Stretch Technology(ゴアテックス プロ ストレッチ テクノロジー)
・ウェア水色部分:GORE-TEX PRO Most Breathable Technology(ゴアテックス プロ モスト ブリーザブル テクノロジー)
ーーーそれぞれの「GORE-TEX PRO テクノロジー」にどんな特性があって、どの部位に使用しているのでしょうか。
ーーー肘や膝で実感したストレッチ性は、ゴアテックス プロ ストレッチ テクノロジーによるものだったのですね。
ーーー雪山登山にしては暖かく風もない日でしたが、身体の蒸れが気にならなかったのはゴアテックス プロ モスト ブリーザブル テクノロジーのおかげだったのですね。
新しい「GORE-TEX PRO テクノロジー」で実現した驚異の“薄さ”
ーーー実際に着用してみて印象的だったのが“しなやかさ”なのですが、これは「GORE-TEX PRO テクノロジー」のどんな特徴から感じるものだったのでしょうか。
ゴアテックス プロ ストレッチ テクノロジーは40デニール※、ゴアテックス プロ モスト ブリーザブル テクノロジーに至っては30デニールの素材です。
これまでのGORE-TEX テクノロジーのメンブレン(防水透湿素材)を使用してウェアを作る場合、薄さの下限は「40デニール」だったのですが、新しいGORE-TEX PRO テクノロジーに「30デニール」のゴアテックス プロ モスト ブリーザブル テクノロジーが加わったことで、さらに薄いウェアを開発することが可能になったのです。
ーーーちなみに、比較検証で着用したAll Mountainのメンブレンのデニール数は、どれくらいなのですか。
ハイブリッド ライエルは表生地に薄い生地を使えるようになったので、生地全体が薄くなっています。
ーーーなるほど…しなやかさの理由がわかりました!
「ハイブリッド ライエル」がオススメのシチュエーションとは?
ーーー最後に、ハイブリッド ライエルのオススメのシチュエーションを教えてください。
深雪でのラッセルやの氷雪の急斜面での行動、アイスクライミングやアルパインクライミングなど激しい身体の動きをともなう場合など、雪山登山でのフィールドテストで予見してもらったシチュエーションで、そのポテンシャルを実感できるはずです。
“もたつきにくく動きやすい”ハイブリッド ライエルの強みを活かして、アクティブで快適な登山を楽しんでください!
初めての雪山登山にもオススメの「ハイブリッド ライエル」
急傾斜の登降やアイスクライミングをはじめとした先鋭的な冬期の登山において、強みがあるとご紹介した「ハイブリッド ライエル」。しかしその“しなやかで動きやすい”着心地は、「”初めて”の雪山登山・”初めての”ハードシェル」というユーザーにもぜひ体感して欲しいと強く感じました。
初めての雪山では、多本爪アイゼンやピッケルなど、ただでさえ扱いが難しいアイテムに初めて触れたり、経験したことのない身体の動きもあります。
そんな局面でソフトシェル並にストレスのない着心地のハイブリッドライエルは、体力・気力面での消耗を軽減し「本格雪山」での正しい身体の動き(アイゼン&ピッケルワーク)の習得の集中できると感じました。
快適でストレスのないウェアに身を包めば正しいアイゼンワークやピッケルの使い方に集中でき、安全な雪山登山技術の習得にも役立つことでしょう。
様々なユーザーの多様なニーズに対応するハイブリッド ライエル、ぜひそのパフォーマンスを体感してみてください。