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圧倒的しなやかさ!GORE-TEX PROを使ったザ・ノース・フェイスの新アイテム「ハイブリッド ライエル」を徹底検証!(2ページ目)

ヘルメット着用有無や様々な頭の動きにフィットする「フード」

フードの特徴

撮影:washio daisuke(どんなシーンでもフィットするフード)

フードは片手で調節可能なワンハンドアジャスター対応。ヘルメットを装着してかぶる時、そのまま頭に被せる時、どんなシーンでもフィットして頭の動きに追随してくれます。

ウェア内の温度を快適に保ってくれる大きな「ベンチレーション」

開口部が大きなベンチレーション

撮影:washio daisuke(開口部が大きなベンチレーション)

気温が高く風も少ない状況で“暑さ”を感じた時にウェア内の熱を放出し外気を取り込む、わきの下のベンチレーション。ハイブリッド ライエルジャケットの開口部は約40cm(All Mountainジャケットは約28cm)と大きめ。ハードな行動で身体が熱を発散しやすい状況でも、ウェア内を常に快適に保ってくれます。

冷えた手を差し入れやすいレイアウトと大きさの「ポケット」

ポケットの位置

撮影:washio daisuke(手の保温も考慮したポケット)

ハードシェルジャケットのサイドポケットの多くは、肋骨あたりの位置に斜めに切れ込みが付けられています。ところがハイブリッド ライエルジャケットのサイドポケットは脇腹あたりの位置に縦に切れ込みが付けられている大容量タイプ。ザックのショルダーベルトと干渉しにくい上、自然な角度で手を差し入れることができるのです。
雪山登山では指先の冷えを緩和するために、ついついポケットに手を入れたくなるものですが、そんな時に嬉しい工夫ですね。左胸外側にもポケットが付いており、小物を収納可能です。

二重構造の腰周りや大きなポケットが快適&便利!

ジャケットの内側

撮影:washio daisuke(「ハイブリッド ライエル」ジャケットの内側)

続いてハイブリッド ライエルジャケットの内側をフォーカス。先ほどご紹介した通り、腰の部分を360°カバーする二重構造になっています。さらに突筆すべきは、右胸内側の大きなポケット。
気温の低い雪山登山ではスマートフォンの急激なバッテリー低下が深刻な問題、身体に密着して比較的温度の高い状況をキープできるこのポケットはとても重宝しました。

ユーザビリティを追求した様々な工夫がされた「パンツ」

パンツの全体図
撮影:washio daisuke(「ハイブリッド ライエル」パンツ)

最後にハイブリッド ライエルパンツの細部もご紹介。
フィールドテスト時にも紹介しましたが、腰まで開くサイドのチャックに、足元の二重構造。さらに付属のサスペンダーなど、本格的な雪山登山に欲しい機能が詰め込まれています。
さらに右太もも外側にもポケットが(All Mountainパンツにはポケットがありません)。下りも利用するロープウェイやゴンドラのチケットなど、“頻繁には使わないが失くすと困る”ちょっとしたアイテムの収納場所にぴったりですね。

レイヤリング次第では雪山登山以外でも活躍!

今回のレイヤリング
撮影:washio daisuke(雪山フィールドテストでのレイヤリング)

と、ここまで「雪山登山」でのハイブリッドライエルの魅力について紹介してきましたが、内側のレイヤリングを無積雪期のウェアにすれば、ハイブリッド ライエルは”雪山登山以外”にもオススメ。
また、しなやかな着心地のハイブリッドライエルは、激しい身体の動きをともなうアルパインクライミングなどのシチュエーションにもおすすめ!

ちなみに、今回筆者が雪山フィールドテストでハードシェルの内側に着用したウェアは、以下の通りです。

・ベースレイヤー(写真右):THE NORTH FACE・TEKUNDER ロングスリーブ ホットクルー(上)&ホットトラウザーズ(下)
・ミドルレイヤー(写真左):THE NORTH FACE・ベントリックスフーディー(上)&アルパインライトパンツ(下)

THE NORTH FACE担当者に直撃!「ハイブリッド ライエル」の独自性

株式会社ゴールドウインの鰐渕さん

撮影:washio daisuke(お話を伺った株式会社ゴールドウイン・鰐渕 航さん)

実際に着用し、ハイブリッドライエルの着心地や魅力については分かりました。
そこで最後に、このウェアに込められたTHE NORTH FACEならではのこだわりや特徴を知るべく、ブランド担当者にインタビュー。お話を伺ったのはTHE NORTH FACE・プレスチームの鰐渕さんです。

”GORE-TEX PRO テクノロジー×THE NORTH FACE”の独自性はハイブリッド」

ーーー2020年秋は、様々なブランドが「GORE-TEX PRO テクノロジー」を採用した新アイテムをリリースしましたね。その中でTHE NORTH FACEのハイブリッド ライエルは、どんな特徴があるのでしょうか。

“鰐渕さん”
最大の特徴はハイブリッドの名の通り、2種類の「GORE-TEX PRO テクノロジー」を組み合わせて使用しているところでしょうか。
2020年秋に登場した3種類の「GORE-TEX PRO テクノロジー」のうち、ハイブリッド ライエルは部位に合わせて以下の2種類の素材を使用しています。

ジャケットとパンツの特徴

撮影:washio daisuke(THE NORTH FACEならではの独自性とは)

・ウェア青色部分:GORE-TEX PRO Stretch Technology(ゴアテックス プロ ストレッチ テクノロジー)
・ウェア水色部分:GORE-TEX PRO Most Breathable Technology(ゴアテックス プロ モスト ブリーザブル テクノロジー)

ーーーそれぞれの「GORE-TEX PRO テクノロジー」にどんな特性があって、どの部位に使用しているのでしょうか。

“鰐渕さん”
ゴアテックス プロ ストレッチ テクノロジーは、ストレッチ性に優れていながら強度もあります。この特性を活かしてハイブリッド ライエルでは、ザックとの摩耗を考慮したジャケットの肩〜腕部分、地面との摩耗を考慮したパンツの臀部・膝部分に使用しています。

ーーー肘や膝で実感したストレッチ性は、ゴアテックス プロ ストレッチ テクノロジーによるものだったのですね。

“鰐渕さん”
ゴアテックス プロ モスト ブリーザブル テクノロジーは優れた透湿性が特徴。ハイブリッド ライエルでは、ジャケット前後の身ごろやパンツの大部分に使用して、激しい行動で体が発散する熱による蒸れを回避しています。

ーーー雪山登山にしては暖かく風もない日でしたが、身体の蒸れが気にならなかったのはゴアテックス プロ モスト ブリーザブル テクノロジーのおかげだったのですね。

新しい「GORE-TEX PRO テクノロジー」で実現した驚異の“薄さ”

雪山に佇む筆者

撮影:washio daisuke(アクティブな行動を快適にした“薄さ”)

ーーー実際に着用してみて印象的だったのが“しなやかさ”なのですが、これは「GORE-TEX PRO テクノロジー」のどんな特徴から感じるものだったのでしょうか。

“鰐渕さん”
従来のGORE-TEX テクノロジーを使用したハードシェルでは実現できなかった「薄さ」のおかげです。
ゴアテックス プロ ストレッチ テクノロジーは40デニール※、ゴアテックス プロ モスト ブリーザブル テクノロジーに至っては30デニールの素材です。

これまでのGORE-TEX テクノロジーのメンブレン(防水透湿素材)を使用してウェアを作る場合、薄さの下限は「40デニール」だったのですが、新しいGORE-TEX PRO テクノロジーに「30デニール」のゴアテックス プロ モスト ブリーザブル テクノロジーが加わったことで、さらに薄いウェアを開発することが可能になったのです。

※デニールとは
GORE-TEXなどの防水透湿性素材をはじめとした、繊維やそれを構築する糸の太さの単位。9000mが基準となっており、9000mで50gの重さの糸は50デニールと表記。アウトドアウェアの他、ストッキングなどでも使用されている単位です。

ーーーちなみに、比較検証で着用したAll Mountainのメンブレンのデニール数は、どれくらいなのですか。

“鰐渕さん”
70デニールに、C-KNITという伸縮性に優れた裏地も使用していますね。
ハイブリッド ライエルは表生地に薄い生地を使えるようになったので、生地全体が薄くなっています。

ーーーなるほど…しなやかさの理由がわかりました!

「ハイブリッド ライエル」がオススメのシチュエーションとは?

従来モデルと比較

撮影:washio daisuke(左:ハイブリッド ライエル着用/右:従来モデル・All Mountain着用)

ーーー最後に、ハイブリッド ライエルのオススメのシチュエーションを教えてください。

“鰐渕さん”
上の写真の通り、ハイブリッド ライエルは身幅が細く、身体へのフィット感も特徴です。
深雪でのラッセルやの氷雪の急斜面での行動、アイスクライミングやアルパインクライミングなど激しい身体の動きをともなう場合など、雪山登山でのフィールドテストで予見してもらったシチュエーションで、そのポテンシャルを実感できるはずです。

“もたつきにくく動きやすい”ハイブリッド ライエルの強みを活かして、アクティブで快適な登山を楽しんでください!

初めての雪山登山にもオススメの「ハイブリッド ライエル」

雪山と筆者

撮影:washio daisuke(快適な着心地は、雪山登山初心者にもオススメ!)

急傾斜の登降やアイスクライミングをはじめとした先鋭的な冬期の登山において、強みがあるとご紹介した「ハイブリッド ライエル」。しかしその“しなやかで動きやすい”着心地は、「”初めて”の雪山登山・”初めての”ハードシェル」というユーザーにもぜひ体感して欲しいと強く感じました。

初めての雪山では、多本爪アイゼンやピッケルなど、ただでさえ扱いが難しいアイテムに初めて触れたり、経験したことのない身体の動きもあります。
そんな局面でソフトシェル並にストレスのない着心地のハイブリッドライエルは、体力・気力面での消耗を軽減し「本格雪山」での正しい身体の動き(アイゼン&ピッケルワーク)の習得の集中できると感じました。

快適でストレスのないウェアに身を包めば正しいアイゼンワークやピッケルの使い方に集中でき、安全な雪山登山技術の習得にも役立つことでしょう。
様々なユーザーの多様なニーズに対応するハイブリッド ライエル、ぜひそのパフォーマンスを体感してみてください。

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