【メーカー担当者にズバリ直撃vol.10】 “自社ブランド以外”で愛用している山道具をベタ褒めしてください! <石井スポーツ>編

2020/12/10 更新

いつも山道具に触れている“審美眼”を持ったアウトドアメーカーの担当者たち。自身が山に行くときのウエアやギアは、どんな風に選んでいるのでしょうか。自社製品はもちろんですが、ライバルメーカーの製品を使う場面もあるのでは!? 今回はメーカーではありませんが、スキー・登山用品専門店<石井スポーツ>を直撃! 実は愛用している製品をぶっちゃけてもらいました!


アイキャッチ画像提供:石井スポーツ

「実は、コレ愛用してます」な自社ブランド以外の山道具を教えてください!

ブランドを背負って自社製品の広報活動に日々励んでいる各メーカーの担当者たち。しかし、プライベートな山行では、ライバルでもある他のアウトドアメーカーの製品を使うこともあるのではないでしょうか?

石井スポーツロゴ
提供:石井スポーツ
メーカー担当者が自社ブランドの製品をおすすめするのは当然のこと。ならば、『実は愛用している他社の製品をベタ褒めしてもらおうではないか』というのが当企画なのです。

最終回となる今回は、メーカーではなくスキー・登山用品専門店「石井スポーツ」へ。というのも、前回<アライテント>福永さんが紹介してくれたフランス発・ダウンブランド<ヴァランドレ>を輸入販売している日本代理店が石井スポーツなのです。

多岐にわたるブランドの製品を展開するショップ担当者が愛用している山道具は、いったいどんなアイテムなのでしょうか?

▼前回の記事はこちら

最終回は、<石井スポーツ>金井 賢介さんがぶっちゃけ!

石井スポーツ登山本店店長金井さん
撮影:YAMA HACK編集部
石井スポーツ 登山本店 店長 金井 賢介さん
甲府店に長年勤務し、店長を務めたのち登山本店へ。石井スポーツで取り扱うクライミングギアのバイイングも担当。登山ガイドステージⅡの資格を保持。石井スポーツ登山学校で講師も務める。

ズバリ、愛用している製品は?

<ザ・ノース・フェイス>のアルパインガイドパンツ補修跡
撮影:YAMA HACK編集部(ザ・ノース・フェイスの「アルパインガイドパンツ」)
金井さん
私が愛用しているのは、<ザ・ノース・フェイス>のアルパインガイドパンツです。

編集部 荻原
いくつか補修跡がありますね。

<ザ・ノース・フェイス>のアルパインガイドパンツ補修跡
撮影:YAMA HACK編集部
長年愛用している感じが早くも伝わってきます!

金井さん
冬用のソフトシェルパンツなんですが、もう10年くらいは穿いているでしょうか。

【ベタ褒めポイント①】雪山でも活躍

<ザ・ノース・フェイス>のアルパインガイドパンツ
撮影:YAMA HACK編集部
金井さん
このパンツは生地防水で、ザ・ノース・フェイス独自の防水透湿性素材ハイベントを使っています。目止めをしていないので完全防水ではありませんが、雪山でオーバーパンツの代わりとしても使えるところがいいんです。

編集部 荻原
いわゆるハードシェルパンツのようにガサガサしないので、歩きやすそうです。


<ザ・ノース・フェイス>のアルパインガイドパンツの内側スパッツ部分
撮影:YAMA HACK編集部(裾には簡易ゲイターがついている)
金井さん
普通のパンツのようにスムーズに歩けて、トレッキングパンツよりも防水・防風性が高いので重宝しています。さらに、雪が入りにくいようにスパッツもついているんです。

【ベタ褒めポイント②】ストレッチ性が高く動きやすい

金井さん
防水性があるけど、ストレッチが効いていて動きやすいところも気に入っています。一般的なオーバーパンツよりも裾周りが細めなので、アイゼンもひっかけにくいですよ。


<ザ・ノース・フェイス>のアルパインガイドパンツ
撮影:YAMA HACK編集部(膝部分も立体的で曲げ伸ばししやすい)
金井さん
このパンツに限らずですが、ザ・ノース・フェイスの製品って裁断がいいんですよね。だからストレスがないし、動きに違和感がないんです。

編集部 荻原
アルパインライトパンツなんかも穿き心地がよくて根強い人気ですもんね。


金井さん
複雑な形にすればするほど工程も増えるし、生地の歩留まりも悪くなるので、どうしても値段が高くなることが多いんです。でも、それに見合った機能性があるので納得して使えます。

【ベタ褒めポイント③】裏起毛で暖か

<ザ・ノース・フェイス>のアルパインガイドパンツの裏起毛
撮影:YAMA HACK編集部(裏地は起毛素材で肌当たりも良い)
金井さん
冬の日帰りの八ヶ岳は、中にタイツを穿いて、ほぼこのパンツで登っています。

誰にでも当てはまるわけではないですが、裏起毛の暖かさと表地の防風性で、どんなに風が強い日でも耐えられました。


編集部 荻原
すごく使い勝手が良さそうですね。気になるところはないんですか?


<ザ・ノース・フェイス>のアルパインガイドパンツ
撮影:YAMA HACK編集部
金井さん
悪いところって気になると思うんですけど、良かったところって気にならないから気づきにくい。今回、このパンツの良いところをいくつか紹介しましたが…気になる点がないからこそ、結果的に補修しながらも長年穿いているんだと思います。

編集部 荻原
たしかに…いつも使っている道具の良いところを改めて聞かれると、平凡な答えしか出てこなかったりするんですけど、それって登山をする上ではすごく大事なポイントだったりしますよね。

金井さん
ザ・ノース・フェイスの製品は、長く着ていても悪くならない印象です。生地の選定がしっかりしているんだろうなと思います。これまでの経験の中で、問題があれば生地を変えたりとか、どんどん進化しているので。

このパンツ以外にも20年以上着ているTシャツがあるんですが、色褪せもしていないし、形も崩れていない。古いので破れてもいいように沢登りで登場させるのですが、今だに現役です。


石井スポーツ登山本店金井さん
提供:金井さん
金井さん
クリスマス寒波で雪がじゃんじゃん降る八ヶ岳にて。

現行の防水ソフトシェルパンツはGORE-TEXを採用した「アイアンマスクパンツ」です。

THE NORTH FACE|アイアンマスクパンツ(ユニセックス)
石井スポーツ|アイアンマスクパンツ

<ヴァランドレ>のイチオシも語らせて!

編集部 荻原
ヴァランドレのおすすめ商品もぜひ教えてください。


金井さん
私のイチオシは、これです。



極寒冷地にも対応するダウン「KIRUNA LONG」

VALANDRE / Kiruna Long
撮影:YAMA HACK編集部(ヴァランドレの「KIRUNA LONG」)
金井さん
海外の山など極寒冷地でも使用できるモデルです。このクラスのダウンジャケットとしては665gと軽量。高所ではそもそも細かい作業はできないので、すごくシンプルなつくりになっています。
編集部 荻原
他のメーカーのダウンジャケットとの違いはどんなところですか?

金井さん
ヴァランドレの特徴は、ダウンボールが大きいこと。ダウンボールが大きい分コシがあり、膨らむことによって空気の層ができて保温力を発揮します。

ダウンの保温力はフィルパワー(かさ高)の数値で判断されることが多いですが、天然素材はそれだけに限らない力が含まれている。そんなことを実感させられるのがヴァランドレのダウン。お店で少し羽織ってみるだけでもじわっと暖かさを感じられると思います。フィルパワーはUSAで850、EU800くらいです。

登山用品って昔から展開しているからこその安心感、信頼の積み重ねみたいなのもがあって。「これなら失敗はないだろう」とか。メーカーが持っている技術で最低限保証されている部分もありますね。

日本仕様の別注モデル!

ヴァランドレKIRUNA LONGダウンジャケット
撮影:YAMA HACK編集部(ヴァランドレの旧ロゴワッペンを胸元に配置。現在のロゴはもっとシンプルなデザイン)
金井さん
このジャケットは、石井スポーツから要望を出して日本向けに作ってもらった別注モデルなんです。

肩に補強を入れたり、昔のロゴマークをつけてもらったりと、本国モデルにはない仕様になっています。


編集部 荻原
シンプルなので、普段使いもできそうですね。


金井さん
レトロ感があり、ファッションアイテムとしてとらえる方もいます。

ファッションから入って、どんなブランドなんだろうと調べてみて、実際に高所登山で使われていることを知ったり、興味を持ってもらえたら嬉しいですね。実際に、うちの天野や竹内(※)も着ていますので。
※山岳ガイド・クライマー天野 和明氏、プロ登山家 竹内 洋岳氏


石井スポーツ|Valandre Kirna Special Jacket

愛用している山道具“ベタ褒め”リレー企画、GOAL!

<THE NORTH FACE>広報担当者よりスタートした他社製品のベタ褒め企画。10回目でTHE NORTH FACE製品愛用者に辿り着き、見事に一周!

当企画で紹介できたのはみなさんの愛用品のほんの一部ですが、いつも山道具に触れている審美眼を持った方々が、どんな風にギア選びをしているのかを知ることができました。

隠れた名品を求めて、編集部の旅は今後も続きます。ギア好きのみなさん、また別の企画でお会いしましょう!


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石井スポーツ
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YAMA HACK編集部 荻原

YAMAHACK運営&記事編集担当。もともと旅行が好きだった延長で山へ登るように。山の魅力やワクワクするような山道具など、アウトドアにまつわるあらゆる情報をお届けしていきます。

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