山ごはんにぴったりの『テーブル』がほしい!
日帰り登山でも、山キャンプでも、“山ごはん”は楽しみのひとつ。定番のカップ麺から凝った料理まで、ちょっとした調理や食事をする時に「テーブルがほしいな」と思ったことはありませんか? しかし山にテーブルがあることはまれ。
そんな時に便利なのが、持ち運びが簡単な『ミニテーブル』です。ミニテーブルがあれば、山ごはんがもっと楽しくなるはず!
登山用ミニテーブルを選ぶポイントは?
探してみると意外とたくさんあるミニテーブル。登山向けとして選ぶポイントを挙げてみましょう。
【ポイント1】サイズ感|軽量、コンパクト収納であること
登山用アイテムの一番のポイントは、軽量でコンパクト収納であること。それはミニテーブルも同じ。できるだけ軽く、バックパックに収めても邪魔にならないものを選ぶのが基本です。
【ポイント2】組立分解|簡単であること
やっとたどり着いた食事場所。疲れた体で複雑な組立はしたくないもの。ミニテーブルは、コンパト収納であるがゆえに、組立分解が必要なので、素早く簡単にできることが大切です。
【ポイント3】使い勝手|安定感や使いやすさなど
いくら軽量コンパクト、簡単組立でも、使用時の安定感や、耐荷重、天板の広さなどが十分でなければ意味がありません。また、テーブルで調理する場合は、火器使用可能かなどの確認も必要です。
そこで今回は、これらのポイントを踏まえ、気になるミニテーブル7製品を一斉に比較してみました!
①使うだけで癒されそう|【tof】 ライトテーブルB5
思わずマナ板を思い出すようなこのアイテムは、岡山産ヒノキを使い、ひとつひとつ自然塗料で丁寧に仕上げた、なんだかホっとするミニテーブルです。
【ポイント1】サイズ感
■使用時
天板サイズは、商品名通りB5サイズ。ソロ使用ならば、実用上問題ないでしょう。
■収納時
バックパックで携帯するのならば、問題ない大きさ。木材なので素材が柔らかく角が丸いので、バックパック内で他のアイテムを傷つけるようなこともありませんね。
■総重量
超軽量とはいきませんが、バックパックに入れておいても気にはならない重さです。木材にしては軽いのでは!?
【ポイント2】組立分解
■組立
■収納
木のおもちゃを組み立てているような感覚で、ちょっと楽しくなります。迷う部分はないと思いますが、脚を固定するときに、天板側のゴムを回してきて脚に引っ掛けるのが唯一手間取るところでしょう。でも、慣れれば簡単です。天板を開けた瞬間、漂うヒノキの香りに癒されますよ。
【ポイント3】使いやすさ
素材が木材なので火が近いと焦げる可能性があり気を付けましょう。使用上、特に問題があるところは見当たりませんが、脚と天板をつなぐゴムがいつかは伸びてしまいそうです。しかし、特に特殊な材料でもないので、DIYで対応できるでしょう。
森の中での癒し系山ごはんタイムを楽しみたい人におすすめです。
②軽すぎ!|【Cascade Wild】 ウルトラライトフォールディングテーブル
「これ大丈夫?物をおいていいの?」というのが、初見の感想。素材はプラ段(プラスチック段ボール)で、スナップボタンが付いているだけの構造。撮影中、風で飛ばされるほど軽いテーブルで、ちょっと不安ですが・・・。
【ポイント1】サイズ感
■使用時
天板サイズは、A4で、実用上問題無い大きさです。何も置かないと、天板が浮いて不安でしたが、物を置くとテーブルらしくなりました。
■収納時
バックパックの内部にもサイドポケットにも、どこにでも収納できる感じです。 あまり強い素材ではないので、バックパックの中がいいでしょう。
■総重量
今回紹介するミニテーブルの中では最軽量。天板A4サイズなので、かなりの軽量と言えるでしょう。これぐらい軽ければ、使わなくても「持って行って損した」とは思わないですね。ただ、弱い風でも飛んでいきますので、外に置いておく場合は、重いものを乗せておきましょう。
【ポイント2】組立分解
■組立
■収納
特に難しいこともなく、実物を見れば直感的に組み立てられます。収納状態から、スナップボタンを2か所外し、脚の4か所を付ければ終わり。収納はその逆です。ただ、素材のプラ段が柔らかいので、無理に引っ張ってスナップボタンを外そうとすると破れそうに感じます。
外すときは、プラ段を引っ張らずにスナップボタンに指を入れて広げて外すようにすれば安全に外せるようです。
※最新版は、脚の固定はベルクロになってますので、もっと早い組立が可能
【ポイント3】使いやすさ
意外と頑丈、耐荷重4.5kg! 通常使用では問題なしです。
水を一杯に入れたコッフェルを置いてもビクともしません。ただ、天板の端のほうはちょっと頼りないので、そのあたりに重いものは置かないようしたほうがいいですね。
気になったので防水性に関しても実験してみました。
触った感じは紙っぽいですが、素材はポリプロピレンなので、画像のように吸水性はありません。防水性は問題ないようです。
見た目は、ちょっと頼りない感じですが、意外と耐久性がありそうです。しかし、あくまでもプラ段ですので、乱暴には扱わないようにしましょう。
使うかどうかわからないのに重いのは持っていきたくないという人におすすめです。
【Cascade Wild】 ウルトラライトフォールディングテーブル
③自分専用テーブル|【ANOBA】 ULソロテーブル フラット
1人使用を前提としたコンパクトなテーブル。天板が薄くていかにも軽そう、強風では飛ばされそうです。
【ポイント1】サイズ感
■使用時
ソロテーブルの名の通り、コンパクトな天板。コッフェルとカップでいっぱいです。
■収納時
天板は畳めないので、これ以上は小さくなりませんが、サイズ自体が小さいのでバックパックに楽々収納できます。
■総重量
見えていませんが脚にも収納袋があります。全体の収納袋まで含め、持っている感じがしないほど軽量です。
【ポイント2】組立分解
■組立
■収納
組立は4本の脚をねじ込むだけですが、意外と手間取りました。
組み立てている最中、脚を落としてしまうと、草むらや岩場などでは行方不明になる可能性もあり、気をつける必要がありそうです。
【ポイント3】使いやすさ
かなり小さな天板ですが、縁が立っているので、天板からものが落ちにくくなっているため、割と狭さを感じさせません。剛性もあるので、湾曲しにくく重いものも乗せれそうです。
無駄なくシンプルなデザインいいミニマリストや、軽量化を重視するソロハイカーにおすすめ。
④自分専用超軽量テーブル|【ANOBA】 UL ソロテーブル パンチング
前述のUL ソロテーブル フラットのサイズと材質はそのままで、天板にパンチングを打つことで軽量化を図っています。
【ポイント1】サイズ感
■使用時
サイズ感は、UL ソロテーブル フラットと同じ。やはり、コッフェルとカップでいっぱいですね。
■収納時
当然、フラットと収納サイズも同じです。
■総重量
フラットよりかなり軽くなっています。天板のパンチングで42gも軽量化されているんですね!
【ポイント2】組立分解
■組立
■収納
組立収納は、フラットと同じで4本の脚をねじ込みます。フラット同様、草むらや岩場に脚を落としてしまわないように気をつけましょう。
【ポイント3】使いやすさ
フラットと違い、パンチングがあるので天板のすべりは悪くなっています。当然ですが、穴より小さいものは落ちてしまいますので置けません。また、水物をこぼした場合、穴の部分を拭き上げるのがちょっと手間です。そのあたりは目をつぶって、とにかく軽量重視という人におすすめです。
⑤パッと開いてかっこいい|【SOTO】 フィールドホッパー ST-630
パッと開いてサッと閉じる、とにかく簡単な組み立て収納のワンアクションミニテーブル。後ほど登場するEVERNEWの「Alu Table/light」と同じぐらいのサイズ感ですが、こちらは天板が半分に折れるので、収納性に勝ります。
【ポイント1】サイズ感
■使用時
ほぼA4サイズ。余裕があるので2人使用もできそうです。
■収納時
半分に折れるのでバックパックのサイドポケットにも入るぐらいになります。折り畳み後、ちょっとした拍子にパッと開いてしまうので、必ず収納袋に入れましょう。
■総重量
今回紹介しているミニテーブルの中では一番重い401g。手で持つとズッシリときます。パッと開く脚の仕組と、厚めの天板が重さが要因でしょう。
しかし、この重さのおかげで安定性は抜群です。
【ポイント2】組立分解
■組立
■収納
組立は、収納袋から出してしまえば、勝手に脚が出てできあがり。収納も天板を折って脚を中に押し込み収納袋へ収納すれば終わり。作業時間はどちらも収納袋への出し入れが大部分です。
この自動で脚が出てくる仕組み、初めて組み立てたときは、ちょっと感動しました。
【ポイント3】使いやすさ
厚みのあるしっかりとした広い天板と脚により、今回のミニテーブルの中では一番安定感がありました。唯一、気になるのは重さ。登山よりもツーリングなどのほうが向いているかもしれません。
さまざまなアウトドアアクティビティで使いたい人におすすめです。
⑥携帯性抜群|【ダンロップ】 コンパクトテーブル BHS101(旧モデル)
耐荷重10kgで、組立サイズは大きいですが、収納するとかなり小さくなり携帯性は群を抜いています。言われないとテーブルと思わないような、他と違う、ちょっと変わった雰囲気です。
【ポイント1】サイズ感
■使用時
天板サイズは、ほぼA4ですが高さ11cmと、今回の紹介しているテーブルの中では一番高く、そのぶん、大きく感じられます。
■収納時
収納サイズは、組立サイズのほぼ1/3ぐらいで「コンパクト」の名前の意味が解りました<。ハンドバッグにも携帯できるサイズです。
■総重量
組立サイズと耐荷重から考えると軽量化したと思えますが、登山に携帯するとしたら、正直、ちょっと微妙な重量です。荷物の軽量化を目指す人には向かないですね。
【ポイント2】組立分解
■組立
■収納
パーツの数7点(緩衝材まで入れて8点)。初見では直感的には組み立て方法がわかりませんでした。今回の組立動画のように、割とスムーズに組み立てられるようになるまで、練習を5.6回程度。組立性は良いとは言えず、面倒くさがりにはおすすめできません。
【ポイント3】使いやすさ
天板位置が高いというのは、使っていて楽です。天板の下に、ちょっとした小物を置いておくこともできますね。天板はアルボリックという樹脂製なので火気厳禁。
丈夫でコンパクトに収まる、大き目なテーブルがほしい人におすすめです。
▼現行モデル
【ダンロップ】 コンパクトテーブル BHS103
⑦超簡単組み立て!|【EVERNEW】 Alu Table/light
表面にアルミニウム、芯材に樹脂を使用したアルポリック製の天板を使用し、安定感があるスタンダードなミニテーブル。筆者は最初に見た時、事務用品の「クリップバインダー」を思い出しました。
【ポイント1】サイズ感
■使用時
天板は、ほぼA4サイズ、高さもそこそこあります。コッフェルとカップを置いても結構余裕です。
■収納時
収納は脚を折るだけで、厚さ以外はまったく変わらず、携帯方法としてはバックパックの背中に差し込むぐらいしかなさそうです。ウルトラライト系のバックパックなら背板兼用として使えそうですね。
■総重量
携帯するには問題のない重量。A4サイズで、組立性・耐久性を考えれば軽量と感じます。
【ポイント2】組立分解
■組立
■収納
組立は2カ所の脚を出すだけ、収納は脚を折るだけ。組み立て時間はないと言ってもいいほどです。ほとんどの人が、実物を見ただけで直感的に組立収納できるのでは。
【ポイント3】使いやすさ
天板のアルポリックは、樹脂を使っているので火気厳禁。天板はフルフラットで安定感抜群、なめらかで撥水もするので汚れてもサッと拭くことができます。余裕がある天板サイズで、2人での使用もできそうです。
何といっても最大の特長は、説明書なんて要らない、簡単組立収納です。面倒くさがりの人におすすめ。
あなたの理想を叶えるモデルは? ミニテーブル比較表
①森の中での癒し系山ごはんタイムを楽しみたい人に
②重い道具は持っていきたくないという人に
③ミニマリストや軽量化を重視するソロハイカーに
④とにかく軽量性重視のソロハイカーに
⑤ツーリングやソロキャンプでも使いたい人に
⑥丈夫でコンパクトに収まる、大き目なテーブルがほしい人に
⑦できるだけ簡単な組立・収納がいい面倒くさがりな人に
ミニテーブルでちょっとぜいたくな時間を
注目のミニテーブル7品を実際に使って比較してみました。どれも個性豊かで、メーカーのアイデアがよく反映された商品ばかりでした。
登山用アイテムとしては、なくても困るものではないので、優先度としては低いかもしれませんが、あると便利なアイテム。テーブルを使えば、山ごはんやコーヒーがいつもと違う、ちょっとぜいたくな時間を味わえますよ!