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山に登らなくても楽しめる大自然

登山には「自然に挑む」という側面もあり、それなりの準備が必要となりますが、今回のテーマである湿原ハイキングは、「ゆっくりと自然を楽しむ」ことが一番の目的。山登りからしばらく離れている人や、小さいお子さんと一緒の方でもチャレンジできます。
そもそも湿原って?

泥炭化が進み、ところどころに盛り上がった部分が見られる高層湿原、地下水位の浅い、湖沼や河川の岸辺に発達する低層湿原など、いくつかの種類があり、種類ごとに特徴的な植生が見られます。
自分のペースでのんびりと自然を味わえる湿原の魅力

多くの湿原には近くにビジターセンターなどがあるので、歩き始める前に、観察できる草花や動物、その湿原の成り立ちなどについて予習しておくと、散策の楽しみが大きく広がります。現地に到着したらぜひ立ち寄ってみましょう。
湿原散策のベストシーズンは?

とはいえ、冬から春先にかけては雪に覆われている湿原も多いため、滑りにくい靴や防寒具など、それなりの用意が必要になります。草花や動物をゆっくりと観察するには、春から秋がおすすめです。
今回は、国内の湿原の中でも、とくにハイカーからの人気が高い5つの湿原をご紹介します。日本を代表する規模の湿原ばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。
日本最大の面積を誇る「釧路湿原」

湿原の中を大きく蛇行しながら流れる釧路川と、点在する大小の湖沼が、雄大な景観を形成しています。

一度や二度では回り切れない規模の湿原ですが、10を超える観察・体験施設と5つの展望施設を備え、イベントも頻繁に開催されているので、訪れるたびに新しい発見があります。
釧路湿原のmapは環境省HPをチェック
釧路湿原の見どころ

また、釧路湿原の名物のひとつが、一面に広がるヤチボウズ。古い株の上に新しい株が根を張り、球状となったスゲ類が群生し、不思議な景観を作り出しています。
駐車場情報
釧路湿原には、展望台やJRの駅ごとに駐車場が整備されています。コースに合わせて駐車場を選択しましょう。■細岡駐車場
住所|北海道釧路郡釧路町トリトウシ原野南
駐車台数|約60台
料金|無料
トイレ|あり
散策前に寄りたい『温根内(おんねない)ビジターセンター』
釧路湿原の西側に位置し、湿原と森の接点に位置する温根内ビジターセンター所在地| 〒085-1145 阿寒郡鶴居村温根内
TEL| 0154-65-2323
開館期間| 通年
開館時間| 4月~10月:9時00分~17時00分、11月~3月:9時00分~16時00分
休館日| 火曜日(7/17~9/2は無休)、年末年始(12/29~1/3)
入館料|無料
車から降りたらすぐ絶景が!「八島ヶ原湿原」

湿原の周囲を巡るルートは、ゆっくり歩いて1時間30分程度。アップダウン少なめで歩きやすいため、気軽に立ち寄ることができます。ドライブやツーリングの目的地としてもおすすめです。
八島ヶ原湿原の見どころ

駐車場そばのトンネルをくぐり、少し歩くと、蝶々深山や車山を背景に、青空を映した八島ヶ池の湖面と湿原の全景が眼前に広がります。 年間約360種類もの植物が開花し、7月中旬から下旬にかけてはニッコウキスゲの花を目当てに訪れるハイカーが多く、7月下旬~8月中旬には木道沿いに咲くシモツケソウの花が見頃となります。
駐車場情報
八島ビジターセンター「あざみ館」前の八島高原駐車場を利用します。ビジターセンターの開館期間は4月下旬~11月中旬ですが、駐車場は通年で利用できます。満車の場合は、臨時駐車場を利用しましょう。■八島高原駐車場
住所|長野県諏訪郡下諏訪町八島湿原10618
駐車台数|100台
料金|無料
トイレ|あり
散策前に寄りたい『八島ビジターセンター』
住所|長野県諏訪郡下諏訪町八島湿原10618電話|0266-52-7000
開館期間|4月下旬~11月中旬(期間中無休)
開館時間|9:30~16:30
料金|入館無料
ミズバショウだけじゃない! 見どころ満載の「尾瀬ヶ原湿原」

群馬、福島、新潟の三県にまたがる尾瀬ヶ原湿原は、燧ケ岳や至仏山などに囲まれた山岳地帯に位置する高層湿原。高山の山容を眺めながら、日本百景のひとつに数えられる壮大な景観の中を歩くことができます。ただし、行程が長く、天候が急激に変化する可能性もあるため、登山に準じた装備が必要です。途中にベンチなどもたくさん設置されているので、こまめに休憩を挟みながら、自分のペースで楽みましょう。
尾瀬ヶ原湿原の見どころ

尾瀬ヶ原湿原のmapはこちらをチェック
駐車場情報
湿原入口近くの駐車場は、満車やマイカー規制で利用できない場合もあるため、第1・第2駐車場からバスを利用する方法がおすすめです。■尾瀬第1駐車場
住所|群馬県利根郡片品村大字戸倉766
駐車台数|280台
料金|1000円/24時間
トイレ|あり
歩くにつれ、目まぐるしく景観が変わる「戦場ヶ原」

栃木県日光市の日光国立公園内にある戦場ヶ原(せんじょうがはら)は、標高約1390mから1400mに位置し、400ヘクタールもの面積を誇る高層湿原です。戦場ヶ原という地名は、山の神々がこの地を舞台に争いを繰り広げたという伝説に由来しています。 湯滝付近を除けば、全体的に平坦なルートで、2時間ほどで巡ることができるようになっています。各所に展望台が設置され、いろいろな方向から戦場ヶ原を眺めることができます。
戦場ヶ原の見どころ

花は6月から8月にかけて咲き、クロミノウグイスカグラ、ワタスゲ、レンゲツツジ、カラマツソウ、ノハナショウブ、ホザキシモツケなどの順に開花します。おすすめは6月。白く揺れるワタスゲが一面に広がる様子は、まさに圧巻です。
戦場ヶ原のmapは日光湯元ビジターセンターをチェック
駐車場情報
県営赤沼駐車場が最も便利ですが、冬期は閉鎖されます。冬や春先に訪れる場合は、三本松園地駐車場などを利用しましょう。■県営赤沼駐車場
住所|栃木県日光市中宮祠
駐車台数|160台
料金|無料
トイレ|あり
散策前に寄りたい『日光湯元島ビジターセンター』
住所|栃木県日光市湯元営業時間:9時~16時30分(土・祝前日~17時30分)季節により異なる
定休日:水曜日(定休日が祝日の場合は開館、12月~翌1月平日休)
散策路・道路状況についてチェック!
秘境に迷い込んだような感覚を味わえる「雨竜沼湿原」

雨竜沼湿原の見どころ

登山道を抜けて湿原に到着すると、急に視界がひらけ、神秘的な雰囲気をまとった空間が目の前に現れます。山開きの時期には、暑寒別岳などの山々を背景に、ショウジョウバカマやチングルマの花畑が広がり、池塘(ちとう)と呼ばれる大小の沼にはミズバショウが花を咲かせます。また、湿原に続く登山道の途中には白竜の滝があり、こちらも見どころのひとつとなっています。
駐車場情報
雨竜沼ゲートパーク駐車場を利用します。管理棟で登山届の提出と協力金の支払いを済ませたのち、入山しましょう。■雨竜沼ゲートパーク駐車場
住所|北海道雨竜郡雨竜町第3町内
駐車台数|150台
料金|無料
トイレ|あり
天候の変化に備え、しっかりとした準備を!

目的の湿原がどのような場所にあり、どれくらいの準備をすれば安心して楽しむことができるのかを事前によく検討してから出かけるようにしましょう!
服装&道具をチェック
楽しみはあなたの足元にも広がっている
