登山には欠かせない「行動食」
エネルギー消費の多い登山。「お腹空いてないから…」と食事をとらないでいると、シャリバテになってしまうこともあります。そのため食事とは別に、こまめにエネルギーや栄養素を摂取する必要があります。
そのため、歩きながらでも食べられる“行動食”を必ず持っていくことを強く推奨しています。
行動食選びのポイント
行動食の定番と言えば、エネルギーバー(ジェル)、パン、おにぎり、クッキー、ドライフルーツ、ナッツなどがありますが、実は「何を食べるか」だけではなく、「どう食べるか」も重要。一気にまとめて食べるのではなく、小腹がすく前にこまめに食べるのがおすすめです。
そのため、行動食を選ぶ際はこんな点に注目しましょう。
①軽くてかさばらない
持っていける荷物には限りがあります。なるべく小さく、携帯性の良いものを選びましょう。②高カロリーなこと
沢山のエネルギーが消費される登山では、一度の食事で栄養を補給することが難しくなります。
行動食では主にエネルギー不足を補う「糖質」や「脂質」が豊富な食品を選びましょう。③手軽に食べられる(手が汚れない)
山行中の休憩時や歩きながら食べることが多いので、調理がいらず、携帯しやすいものを選びましょう。
またゴミを出さないよう、包装袋はあらかじめ外し、ナルゲンボトルなどに詰めて持って行くのもおすすめ。
さらに長時間に及ぶ登山の場合、他の栄養素も併せて摂取する必要がありますが、今回は上記3つのポイントを押さえつつ、簡単かつ美味しい行動食レシピを3つご紹介します!
簡単かつ美味しいを叶える「ホットケーキミックス」
今回メインとなるのは「ホットケーキミックス」。パンケーキ作りでお馴染みのホットケーキミックスは、小麦粉の他、砂糖や膨らし粉など様々な材料がバランスよく含まれていて、イチから粉を混ぜて作るよりも失敗なく美味しく出来るのが特徴です。
栄養面でみるとエネルギーになりやすい糖質がメインですが、牛乳や卵を入れればタンパク質を補うことができ、バターなどの油脂を加えることで、脂質を効率よく摂取することが出来ます。
また、ホットケーキミックスはくせが少なくアレンジしやすいので、食材をプラスして足りない栄養素を補充したり、食べ飽きないように調理法や味付けを変えることが可能。行動食作りにはもってこいの材料の一つなんです。
①混ぜて焼くだけ!しっとり美味しい「ソフトチョコクッキー」
クッキーはどうしても「モソモソして食べにくい!」「水分が欲しくなる!」ということも多いと思います。しかしホットケーキミックスを使うことで、サクッとしていながらも中はしっとりとしたソフトクッキーが作れます。
中に何か混ざたり、上にトッピングしたり…自由にアレンジ可能なので、飽きずに楽しめます。
混ぜて焼くだけ、型抜きいらずの簡単レシピなので、ぜひお試しください!
材料
ホットケーキミックス 150g
板チョコ(手で小さく割る) 1枚
くるみ(小さく砕く) 20g
バター 50g
卵 1個
牛乳 1/4カップ
<下準備>
バターは室温に戻して柔らかくしておく。
オーブンは180℃に予熱しておく。
①卵と牛乳ボール等に割入れ、かき混ぜたらホットケーキミックス・バター・板チョコ・くるみを加えてさらに滑らかになるまで混ぜる。
②天板にクッキングシートをひき、生地をスプーンですくって落とす。
少し硬いので、スプーンを2つ使うと上手くできます。
③180℃のオーブンで13分焼く。
写真の焼き色を目安に、足りない場合は焼き時間を追加してください。
今回は完成したものを、100均で購入したビン風のジップ付きバッグに入れてみました!
見た目が可愛いだけでなくスマートなサイズ感なので、気軽に取り出してちょこちょこつまむことが出来ます。
こちらは抹茶・板チョコ(白)・マカダミアナッツに代えて同様に作ったバージョン。
他にもココアを混ぜたり、ドライフルーツを入れてみたりいろいろな味を取り合わせて持って行くのもいいかもしれませんね!
②本格的なカップケーキもお手軽に!
「はちみつバナナカップケーキ」
次は、しっとりふんわり&バナナの甘~い香りがたまらない本格的な味わいのカップケーキ。これもぐるぐる混ぜてオーブンで焼くだけでほぼ失敗せずに作れます!
今回使ったバナナとはちみつに多く入っている「ブドウ糖」と「果糖」は、糖質のなかでも消化・吸収が速いのが特徴。
運動時素早くエネルギーとして変換されるので、山でのおやつにも最適です。
材料
ホットケーキミックス 100g
完熟バナナ 1本
卵 1個
サラダ油 大さじ3
はちみつ 大さじ2
牛乳 大さじ2
<下準備>
完熟バナナはフォークなどで潰しおく。
オーブンは180℃に予熱しておく。
作り方
①ボウル全ての材料を入れ、全体が馴染むまで混ぜる。
②ケーキ型に生地を流しいれる。
*写真は100均で購入したプチケーキカップ型です。マフィンカップでも同様に作れます。
③180℃のオーブン上段で20分焼く。
生地はしっかりと膨らむので、型に流し込む分量は7~8割程度するのがポイント。
サラダ油をココナッツオイルや溶かしバターに代えることで、また違った風味が楽しめますよ!
今回も同じく100均で購入したカップケーキ型で焼き、ジップ付き袋に詰めてみました。持ち運びするときもつぶれにくく、食べ終わったら小さく折りたためるので、ゴミも最小限で済みます。
③ワンハンドで食べられるおかず系行動食
「くるくるウインナーロール」
行動食というと甘いものに偏りがちですが、同じ味ばかりだと味にバリエーションがなく飽きてしまいますよね。
次に紹介するレシピは「揚げないアメリカンドッグ」というと、イメージしやすいでしょうか?
ほんのり甘いパン生地に包まれたパリっとしたウインナー、酸味の効いたケチャップに粒マスタードのアクセントが、食欲の落ちている時でも食べやすい行動食です。かつワンハンドで食べられるので、手も汚さず食べられます。
材料
ホットケーキミックス 150g
牛乳 150ml
卵 1個
ウィンナー 5~6本
ケチャップ 適量
粒マスタード 適量
サラダ油 適量
作り方
①ボールに牛乳と卵を入れて混ぜたら、ホットケーキミックスも加え、さっくりと混ぜる。
②卵焼き器を中弱火で温めサラダ油を敷き、①の生地をお玉で1杯弱流しいれる。
③上から1㎝くらい下の所にウィンナーを置き、ケチャップ・粒マスタードも乗せる。
④生地にぷつぷつと穴が開いてきたら、ウィンナーを中心にしてくるくるとロール状に巻く。
生地がくっつかずにすっと剥がれ、表面がまだ完全に乾いていないくらいが巻き時です!
⑤転がしながら中に火が通るまで1~2分程度焼く。
お使いの調理器具や熱源により、生地が焦げやすいようでしたら弱火でじっくり焼くことをお勧めします。
英字柄のホイルを使ってキャンディ包みにするだけでなんだかおしゃれに見えてきませんか?!
卵焼き器で作ることで、きれいにロール状に仕上げることが出来ますが、無い場合はフライパンで作っても大丈夫。
”簡単なのにアレンジ自在”のホットケーキミックスに注目!
私自身不器用なので、凝ったスイーツはあまり作りません。しかしホットケーキミックスは、美味しくふっくらと仕上げるために必要なものが絶妙にブレンドされているおかげで失敗することはほぼなく、行動食だけでなく日ごろの朝食やおやつ作りに使えるよう常にストックしています。
さらにホットケーキミックス自体にはほんのり甘さが付いていて、くせのない味わいです。そのため、和洋中なんでも合わせられますし、スイーツ系・おかず系等幅広く料理することが出来ます。
手軽に使えるホットケーキミックスを使って、ひと手間かけた山の行動食作りを楽しんでみてはいかがでしょうか?!
ホットケーキミックスの種類を変えると、また一味変わるかも?!
ホットケーキミックス
ミルクココア ホットケーキミックス
【ミルクココアスティック】砂糖、ココアパウダー(ココアバター17〜19%)、脱脂粉乳、ぶどう糖、全粉乳、食塩/香料、甘味料(アスパルテーム・L−フェニルアラニン化合物)、調味料(アミノ酸等)
もちもちホットケーキミックス