コロンビア本社を直撃取材!モノづくりで大事にしていることは何ですか?

2019/12/23 更新

ファッショナブルで手に届きやすい価格が魅力のアウトドアブランド『コロンビア』。でも、本格的な登山で着られるウエアもしっかりあるんです! そこでコロンビアのデザイナーさんにものづくりで大切にしていることを聞いてみました。そこでわかったコロンビアのものづくりへの姿勢は、想像以上にユーザー目線でした。


アイキャッチ画像提供:コロンビア

フェスや街中でもよく目にするコロンビア…

コロンビア店舗
『コロンビア』というと、登山だけでなくフェスや街中でもよく見かけるイメージ。
ハイスペックカテゴリーの『MOUNTAIN&TRAIL』もカラフルなデザインなので、街でも着られそうなウエアが目を引きます。

撮影:PONCHO(コロンビア アパレル商品部・課長の岩瀬英祐さん。商品テストを兼ねた登山に頻繁に出掛けているそう)
そこで商品開発やデザインを担当するコロンビア アパレル商品部・課長の岩瀬英祐さんに、「コロンビアがモノづくりで大事にしていることは何ですか?」と質問してみました。その中で感じた、コロンビアのものづくりへの想いが、想像以上にユーザー目線だったんです。

楽しくて、快適なウェア。それがコロンビアが目指すモノ作り!

撮影:PONCHO
━━コロンビアのウェアはファッション性が際立っていますね!他と比べてもここまでデザイン性に富んだ登山ウェアは珍しいと思うのですが、ウェアづくりにおいて重視されていることはどんなことでしょうか?
岩瀬:コロンビアは楽しく、快適なウエアをつくることを目指しています。まずコロンビアというブランドを多くの方に知ってもらい、その上で野外や山に行く際には「これを着ていこうかな」と選んでもらえるウエアをつくれればと思っています。

━━アウトドアブランドのウエアだからこその、快適さってありますよね。その快適さを多くの方に体感してもらいたいから、価格も抑えているのでしょうか?
岩瀬:コロンビアの価格設定には、ブランドの母であるガート・ボイルの精神が息づいています。創業当時に父と夫を亡くし、女手ながらにコロンビアを世界的アウトドアブランドにした彼女の「適正な価格で多くの家庭にアウトドア製品を届けたい」という理念にのっとり製品づくりを行っています。

とはいえ低価格=低機能という訳ではありません。他ブランドに比べて価格は抑えていても、厳冬期の北アルプス等、日本の3000m峰でも着用できるウエアも、しっかりラインナップしているんですよ!

エベレストでも快適なウエアもつくっていた!

提供:コロンビア
━━えっ、そんな本格的なウエアも!?
岩瀬:2012年には、エベレスト登山のガイド等を行なっているアドベンチャーガイズの国際山岳ガイドの近藤謙司さんたちとコラボして、エベレスト登頂プロジェクトも行なっているんです。

━━━エ、エベレスト!?それは8000m峰で着用するウエアを開発するということですか?
岩瀬:
その通り。エベレスト登頂で必要となる極地遠征用ダウンを含め、8000m峰をできる限り快適に登頂できるウエア一式を開発しました。実際にフィールドの経験がある製品開発を行うパートナーを探している中で、近藤さんに「コロンビアのようなデザイン性に長けたブランドと、面白く、しかも高機能な、これまでにないウエアで登ってみたい」と興味をもってもらいプロジェクトがスタートしました。

提供:コロンビア ※現在は発売していません。
━━楽しく、快適なウエアをエベレストでも実現!それはすごいプロジェクトです。一体どんなウエアになったのでしょうか?
岩瀬:上の写真の左2つがピークアタック用の『ビショップスフォールズ』ジャケット&パンツです。すべてが凍る高所では防水性は不要。肩まわりや膝、足首内側部分に強度を持たせるために、弊社独自の防水透湿素材『オムニテック』を採用。
内側には身体の熱を反射する独自素材『オムニヒートリフレクティブプリント』を使ってダウン量を減らし、驚く程軽量な高所用ジャケット&パンツとなりました。通常こうしたジャケットは重量1kg以上になりますが、このジャケットは800gなんです!

━━驚異的な軽さです!カラフルな柄も目を引きますね。
岩瀬:このシーズンのコンセプトが”相反する要素のハイブリッド”でした。そこでフェアアイル柄という古典柄と最先端の機能を融合させました。右2つは3レイヤーの防水透湿ウエアの『ハンターズポイント』ジャケット&パンツという、ベースキャンプまでの行程で着用されたもの。高所での運動性能を装備しながら、ハードな登山シーンで使用するウエアにはないファッショナブルさが特長です。『ビショップスフォールズ』とともに近藤さんが求めていた「面白く、しかも高機能な、これまでにないウエア」を具現化できたと思っています。

━━ファッション性と高機能の融合、まさにコロンビアらしい高所登山用ウエアなんですね!

「8000m峰でも快適だった」

提供:コロンビア
━━ところで近藤さんからは、製作段階で改善点等の注文はありませんでしたか?
岩瀬:まず酸素が薄く思考能力が低下する高所なので、できるだけシンプルにということを最初に求められました。そこで当初ジャケット類はハーネスを着用した際に煩わしいとハンドポケットを装備していなかったんです。ただ上の写真のダウンジャケットだけは、ベースキャンプで長期滞在する際に必要だと別の隊員たちから強い要望があって、装備することになりました。

━━極地とはいえ、機能にはバランスも必要なんですね。ウエア全体の評価はどうでしたか?
岩瀬:帰国後に全隊員から「快適だった」と言ってもらえて安心しました。極地用に特化しているため、日本の山では使いづらい部分もありますが、ハイエンドなモノづくりはブランドとしても有意義な経験でした。
━━実際のフィールドの声を聴いて開発することで、極地にも耐えうる高機能なプロダクトが生まれたんですね!!

オリジナル機能素材だからこそ、できること

撮影:PONCHO
━━ところでピークアタック用のジャケット&パンツの解説にも出てきたオリジナルの機能素材を使うことも、コロンビアの大きな特長です。なぜ、それらを使うのでしょう?
岩瀬:コロンビアほど独自のテクノロジーを開発しているアウトドアメーカーは少ないのではないかなと思います。その理由は、適材適所の機能を適切な価格でお客様に届けるためです。例えば、独自の機能素材ではウェアづくりの自由度が違います。ある部分は防水性を高め、別の部分は動作性を高める素材といった機能素材を使い分けることで、ハイブリッドな機能を持った製品を開発することもできます。

オリジナル素材で、他にはないウエアを!

メイン/提供:コロンビア、サブ/撮影:PONCHO(オリジナル素材『オムニテック』を使用した『マウンテンズアーコーリングⅡジャケット』。高機能素材のジャケットながら、スマホ収納用ポケットを装備し、シリアスなシーンだけでない使い勝手も考慮)
━━防水透湿ウエアは、どのブランドも似た雰囲気になりがちですが、コロンビアはカラーやデザインだけでなく、ちょっと変わった素材や仕様、機能が多くあります。
岩瀬:オリジナル素材を使えば、他にはない変わった切り口のウエアを作れるんです。上の写真の『マウンテンズアーコーリングⅡジャケット』は、オリジナルの防水透湿素材の使用した3レイヤーのストレッチシェルです。ハンドポケット内部には、水分を残さないために水が伝って外へと排出されるゲーターと水抜き穴を設けています。こうした細かいギミックが好きというユーザーさんは案外多くいらっしゃり、「コロンビアって面白いウエアをつくるなぁ」と楽しんでもらえればと思っています。

先進性が話題のオリジナル素材『アウトドライエクストリーム』とは

 

提供:コロンビア ※左が従来の3レイヤーの防水透湿素材、右が表地にメンブレンを使用した『アウトドライエクストリーム』の構造。
━━オリジナル素材といえば防水透湿素材を生地外側に直接ラミネートした『アウトドライエクストリーム』は画期的な素材です!詳しく教えてください。
岩瀬:通常、メンブレンと呼ばれる防水透湿素材の膜を、表地と裏地ではさみますが、この『アウトドライエクストリーム』は、メンブレンがそのまま表地になっています。また、表面側に縫い目を覆うシームシール加工を施すことで、肌から一番遠い場所で浸水を防げます。裏地は撥水加工されないので、生地が持つ吸水性が活かされ、結露が少なく寒さを感じにくくなっています。高い防水性はそのまま、撥水性も長期間維持でき生地が水分を含まないので着心地は軽く、さらに従来の素材に比べて透湿性が格段にアップ。
メイン/提供:コロンビア、サブ/撮影:PONCHO(防水透湿素材『アウトドライエクストリーム』を使用した『アウトドライエクストリームライトウェイトジャケット』)
━━他の素材メーカーさんからも似たような防水透湿素材が出ていますが、そちらは軽さを意識しています。違いはどんなところでしょうか?
岩瀬:一番大きな違いは強度です。確かに他の同素材のジャケットは軽いですが、軽いバックパックを背負うこと、またはトレイルランニングでの使用に限定されています。その点で上の写真の『アウトドライエクストリームライトウェイトジャケット』はMサイズで299gですが、耐摩耗性にすぐれ、特に岩や枝等の鋭利なひっかき傷にも強いです。そのため長期のテント泊山行で、重い荷物を背負っても問題ありません。レインジャケットの最高機能を存分に体感できるんです。

━━なんだかワクワクするウエアですね!今度是非、フィールドテストをさせてください!

他にもまだあるぞ!オリジナル素材の逸品!!

メイン/提供:コロンビア、サブ/撮影:PONCHO
岩瀬:これからの寒い季節には、上の写真の『サンタフェパークフーディー』というインサレーションジャケットもオススメ。パッと見ると縫い目があるように見えますが、実は表地と中綿を溶着することにより縫い目のない構造をしています

こうすることで、縫い目からの冷気の侵入を軽減。さらに表地、中綿、裏地、縫製糸すべてがストレッチ素材なので、山を歩いている時の保温着としても最適です。

ちなみに裏地の身体の熱を反射させる素材『オムニヒートリフレクティブ』をストレッチ素材に使用したのは、日本独自でコロンビアとして最初のアイテムです。
メイン/提供:コロンビア、サブ/撮影:PONCHO(『オムニヒートリフレクティブ』を使用した秋冬用パンツ『グレンロイランパンツ』)
━━今、日本独自という言葉がありましたが、日本でも製品の開発を行っているのでしょうか?
岩瀬:日本のマーケットに合わせて、一部の製品は日本で独自に開発を行っています。例えば、本国アメリカ以上に日本のマーケットはスペックの高いものを求める傾向が強く感じます。またアウトドアウエアをカジュアルシーンでも着たいという傾向も強い。だから日本で販売されているコロンビアのウエアは、ファッショナブルで、かつ高機能なものが多いのは必然といえます。
撮影:PONCHO
━━アメリカンブランドのコロンビアですが、日本のモノづくりの良さ、日本人のこだわりも反映されているんですね。
岩瀬:だからこそ、これからもハイスペックなのに街でも着られる、街っぽいのに山でも機能する、楽しく、快適なウエアをつくっていきたいと思います。

━━ファッション重視のアウトドアブランドだと思っていたコロンビア。お話を伺ってみると、ファッションにプラスして、山で機能するウエアもあることがわかりました!これからは街はもちろん、山でもどんどん活用していきたいと思います。ありがとうございました。

それでは皆さん、よい山旅を!コロンビアについての詳細はこちら

今回紹介した商品はこちら

■マウンテンズアーコーリングIIジャケット メンズ
ITEM
マウンテンズアーコーリングIIジャケット
カラー:Mountain Blue Heather, Black, Raw Honey
サイズ:S, M, L, XL, XXL

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マウンテンズアーコーリング ウィメンズジャケット

■アウトドライエクストリームライトウェイトジャケット
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■サンタフェパークフーディー
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■グレンロイランパンツ

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登山、トレイルラン、自転車、キャンプ、旅をテーマに雑誌、WEBで企画、執筆する編集・ライター。低山ハイクとヨガをMixしたツアー・イベント『ちょい山CLUB』を妻と共に主催する山の案内人。

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