登山に連れて行く

あの人を山で元気にしたい!インドア女子が1年で剱岳に登るまで〜初登山への道のり編〜

2022/09/22 更新

あなたの周りに「登山に連れて行きたい」と思っている人はいませんか?私は約1年前、山と無縁のインドア女子を登山に誘い、つい先日ふたりで剱岳への登頂を果たしました。「キツそう」「危なそう」「そもそも登山の何が楽しいの?」などの、誘われる側のハードル。「安全に連れていけるか」などの誘う側のハードル。私たちの1年の登山遍歴を通して、様々な不安や課題をクリアするヒントを見つけて頂ければ幸いです。

目次

アイキャッチ画像撮影:washio daisuke

「山は元気をくれる場所」だからあの人を連れていきたい

ライター兼ガイドの鷲尾さん

撮影:washio daisuke(いちおう、顔を晒しておきますね( ´ ▽ ` )ノ)

初めまして、鷲尾太輔と申します。登山ガイドや登山教室の講師をやりながら、たくさんの人が登山を楽しむための情報発信も行っています。
学生時代は山岳部に所属し前職もツアー登山関係と、人生の半分以上が山と縁の深い生活です。

そんな私は約1年前、山と無縁だった知人を登山に誘い一緒に山に行きました。そして、ついに先日ふたりで彼女の目標であった剱岳への登頂を果たしたのです。

「人を登山に誘う」に潜むハードルとは?

劒岳と齋藤さん

撮影:washio daisuke(初登山から1年で剱岳に登頂した彼女)
登山をしている皆様ならおわかりかと思いますが、登山に興味がない人を山につれていくには越えなくてはならないハードルがあります

・誘われた側(登山未経験者)の「キツくて危ない?」「何が楽しいの?」という不安
・誘う側(登山経験者)の「安全に」「楽しく」登山に連れて行けるかという課題

そんなハードルをひとつひとつ乗り越えてきた私たちの1年の登山遍歴を通じて、あなたの大切な「あの人」を登山へ誘う“ヒント”を見つけて頂ければ幸いです。

山で元気にしてあげたい人との出会い

インドア女子の齋藤さん

撮影:washio daisuke(山に連れて行っても最初なこんな状態でした…)

私は、約1年前に仕事を通じて知り合ったインドア女子・齋藤さんを登山に誘いました。当時の彼女は仕事のストレスで精神的に疲弊しており、休みの日も家に閉じこもっているばかりという状態。

見るに見かねた私は、何とか彼女を山で元気にしてあげたいと思ったのです。

齋藤さんの証言
当時の私は「うつ病」を患っており、外に出ると言う行為自体が億劫でした。何とか気分転換のために外出したりもしましたが、気が紛れるどころか余計に気が滅入りました。

出かけたところで、気分は晴れない、疲れるだけ。
「どこに出かけても一緒だろう」と諦めていました。

私も「山」に救われた一人だった

若かりし頃の鷲尾さん

撮影:washio daisuke(学生時代の筆者(ピンボケご容赦ください…)

なぜ齋藤さんを山に誘ったかと言うと…私自身、彼女ほど追い詰めれた状況でないにせよ「山」で過ごすことに救われた経験があったからです。

小学校・中学校を地元の公立校で過ごした私は、大学付属の私立高校に進学。良くも悪くもお坊ちゃんの多いこの学校の雰囲気に馴染めず、教室の中では浮いた存在になってしまいました。

そんな私の唯一の救いだったのが、入部した山岳部で過ごす時間。週末の度に出かける山行はテント泊装備を背負ってのハードなものでしたが、一心不乱に山頂を目指す行為は平日の教室での“モヤモヤ”を忘れさせてくれました。昼休みのお弁当ですら、教室から逃亡して部室で食べていたことを覚えています。

山と出会っていなければ、きっと学校からドロップアウトしていたでしょうね。

山に興味を持ってもらうために…きっかけは「ファッション」

ザ•ノースフェイスで山コーデ

撮影:washio daisuke(初めての山コーデはTHE NORTH FACEのTシャツとショートパンツ、C3fitのタイツ→オールGoldwin!)

当時の齋藤さんは、登山はおろかキャンプやバーベキューなどのアウトドア的な趣味とは正反対のアニメ鑑賞やコミック好きな根っからのインドア女子。山で元気になって欲しいと言うのは、この段階では私の一方的な想いに過ぎません。
さあ、この強敵をどう攻略しましょう。

やっぱり「ファッション」は女性共通のキーワード!?

ファッション雑誌

撮影:washio daisuke(斎藤さんお気に入りのファッション誌やフライヤー)

そこで私は「女性だからショッピングは好きなのでは」と思い、都内では比較的大規模なアウトドアショップに、彼女を連れて行きました。様々な山道具を見せて登山のあれこれを知ってもらうつもりでしたが、私の予想外の方向で彼女はこのショッピングを楽しんでくれたのです。

そのキーワードは「ファッション」。彼女は元々、洋服やそのコーディネートが大好きでした。今から思えばブランド毎にコーナーが設けられているこのお店に連れて行ったのは大正解で、各ブランドのコーナーを楽しそうに巡り、自分好みの山スカートやウィンドブレーカーをチェック。

そして、数日のうちにお気に入りのブランドのウェブサイトをチェックして直営店に足を運び、お気に入りの「山コーデ」を買い揃えてしまいました。
せっかく購入したウェアを山で着てみたい…そんな状況を彼女は自分で作りだしたのです。

齋藤さんの証言
私は、洋服は着るだけでなく身に付けて出かけないと完結しないと思ってます。

アウトドアウェアはこれまでとは違うテイストやブランドでしたが、洋服を選んだり試着しながら「どこに着て行こうかな?」と考えたりする楽しみを久しぶりに思い出しました。

自然と「これを山で着てみたい」と言う気持ちになったのです。

「誘う側」の責任は…安全への配慮としっかりとした計画!

ザックの背負い方を指導中

撮影:washio daisuke(ザックの背負い方などを、一から教えました)

登山に誘う側としてもっとも配慮したのは、登山初心者である斎藤さんの安全。そのために行った2つのことをご紹介します。

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