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こんなことってありませんか?

自分が持っているウェア・ギアの種類は把握しているのに色や柄は気にせずに購入してしまい…家に帰ってきてからコーディネートしてびっくり。特にセールなどで安いから…と衝動買いし、後で失敗する事、ありませんか?

こんな事態を奪回したく、色の専門家におしゃれな色の組合せについて教えてもらうことにしました。
色の組合せ方にはコツが!まずは3つの「色の性格」を理解しよう
「色の組み合わせなんてセンス次第でしょ!!」「私はファッション苦手だから…」と、思っている方。実は色の組み合わせには”ルール”があること知っていましたか?そのルールを知るだけで、今よりコーディネートがぐっとしやすくなるとか。……でもルールって?
そこで、”色の先生”ことカラーコーディネーターの宮崎先生に「色」について教えてもらいました!
宮崎先生
色には「配色ルール」がありますが、実はそのルールは簡単!コツを覚えるだけでコーディネートもしやすくなりますよ。
ルールをお伝えする前に、まずは「色」について理解しておきましょう。
ルールをお伝えする前に、まずは「色」について理解しておきましょう。
①色相(色味、色合い)
1つ目は…色相。”赤”とか”青”とか”黄色”の事です。色相は虹の色の並び順に色を丸く並べた色相環と呼ばれるもので示す事ができます。

近くに並んでいる色を組み合わせるとまとまりやすく、色相環の反対側にある色を組み合わせるとメリハリが出ます。ちなみに、この反対側にある色を「補色」といいます。
②明度(明るさ・暗さ)
2つ目は…明度。明るさや暗さの事です。例えばこの図を見てください。

③彩度(色の鮮やかさ・穏やかさの事)
最後は「彩度」。色の鮮やかさの事です。先に示した色相環の色は原色になるので、全て鮮やかな色になりますが、例えばこちら。黄色を穏やかにしていくと茶色ができあがります。色は彩度を変える事でも様々な色を作る事が可能です。

宮崎先生
「色相、明度、彩度」この3つの性格を知っていれば、色はぐっと扱いやすくなります。色の組み合わせで大切なのは、バランスを考える事。何色をどのくらいの量使うかによってまとまり感が出たり、逆に、簡単にちぐはぐになってしまいます。
コーデのコツは「配色ルール」!
しかし、漠然とバランスを考えるのは難しいものです。そこで押さえておきたい「配色ルール」を2つ紹介します。このルールを知ることで、配色バランスが考えやすくなります。ルール①:色の配分量が大事。基本は「7:2:1」

例えば、男性のスーツ姿は7(スーツ):2(シャツ):1(ネクタイ)ですので、分量はそれをイメージしてもらえるとわかりやすいでしょう。
ルール②:「7:2:1」は色選びが大事
でも、ここで勝手に3色を選んでしまうと、せっかくの配色割合も活かせなくなります。何を「7割」にして、何色を「2割」にして、何色を「1割」にするか考えるとき
「7割」と「2割」に持ってくる色は共通した性格を持った色を選ぶとまとまりやすくなります。
例えば…

次に「1割」の色を加えるのですが、これは先に選んだ2色と逆の色を入れるとバランスがとりやすくなります。先ほどの①~④の画像を例にすると、こんな逆の色を入れてみるのはどうでしょうか。

赤系同士なので色相環の反対側の緑系の色をプラス。

薄い色同士なので、強い色をプラス

鮮やかな色同士なので、最も穏やかな無彩色をプラス

暗い色同士なので、明るい色をプラス

7:2:1の割合を考えるときには、色の性格の「何を統一」させて、「何を変化させる」か考えるとよいでしょう。
登山ウェアのコーディネート「色あるある」に喝!
では実際に、編集部がやってしまった「あるあるコーディネート」にアドバイスをもらってみます。先ほど教えてもらった「7:2:1」と共に、どこをどうしたらより素敵なコーディネートになるのか考えてみましょう!色あるある①:まるでア●ター?気づいたら青ばっかり!

宮崎先生
配色割合の7:2:1を考えてみましょう。
「7」=トップス、スパッツ、リュックの青、「2」=パンツ、靴、ニット帽の濃紺、で色相が統一されているので、「1」の部分で変化の要素を加えます。
青の反対色の赤やオレンジ・黄色、または、そのままの色だけでなく、黄色を暗く薄くしたキャメルを、パンツやリュックで取り入れてみるとよいでしょう。
「7」=トップス、スパッツ、リュックの青、「2」=パンツ、靴、ニット帽の濃紺、で色相が統一されているので、「1」の部分で変化の要素を加えます。
青の反対色の赤やオレンジ・黄色、または、そのままの色だけでなく、黄色を暗く薄くしたキャメルを、パンツやリュックで取り入れてみるとよいでしょう。
色あるある②:”全身黒”ってカッコいいよね!物足りない…と感じた時は?

宮崎先生
7:2:1の「7」を黒、「1」を赤にすると、赤が少し足りないので帽子や靴などでもう少し赤を増やすとよいでしょう。
「2」の部分は黒と近い色(グレーや暗めのカーキなど)にして明度を「暗い」で統一することで赤が変化の要素のアクセントカラーとして効いてきます。
「2」の部分は黒と近い色(グレーや暗めのカーキなど)にして明度を「暗い」で統一することで赤が変化の要素のアクセントカラーとして効いてきます。
色あるある③:お気に入りを集めたのに…。私なんかうるさい??

宮崎先生
全体が強い色で強さが統一されています。そして、色相が緑・オレンジ・青と、とても変化が大きくなっています。変化と統一の要素は揃っているので、7:2:1の分量を考えましょう。
何を主役にしますか?
もしオレンジにするなら、その分量を「1」にして、「2」はリュックの緑、「7」は紺になるよう紺色のスパッツを加え、紺の分量を増やすと良いでしょう。
何を主役にしますか?
もしオレンジにするなら、その分量を「1」にして、「2」はリュックの緑、「7」は紺になるよう紺色のスパッツを加え、紺の分量を増やすと良いでしょう。
色あるある④:あれ…?色がなんかちぐはぐ…?!

宮崎先生
緑系と赤系の組み合わせは反対色(補色)で、かつ明るさもバラバラで、このコーデは変化の要素しかなく、統一感がどこにもないのでまとまり感が出にくくなります。
「7」のパンツの暗さに「2」のジャケットの赤のトーンを統一させて、暗い赤(えんじ色)にしてみると全体が暗くまとまり、インナーの明るい黄緑が「1」のアクセントになってよいでしょう。
「7」のパンツの暗さに「2」のジャケットの赤のトーンを統一させて、暗い赤(えんじ色)にしてみると全体が暗くまとまり、インナーの明るい黄緑が「1」のアクセントになってよいでしょう。
少しの変化でコーディネートがもっと楽しく

難しいと思われがちな色のコーディネート。でも実は少しの”コツ”を覚えるだけでコーディネートの幅もぐっと広がるんです。「今日は大人っぽく」「今日は元気に!」など気分や見せたい雰囲気に合わせて色を選ぶのも楽しいですよ。一度手持ちのウェア・ギアとにらめっこして、色コーデも楽しんでみましょう。いつもと違う自分と出会えるかも?!
今回教えていただいたのはこの方

Natural Color主宰
カラーコンサルタント
日本色彩学会正会員 パーソナルカラー研究会幹事
個人向けパーソナルカラー診断、各種専門学校での色彩講師、カラーセミナー、カラーイベント、企業・団体向けの色彩研修、執筆業務など
幅広く活動。
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