モンベルの新社長に普段聞けない質問をしたら、「モノづくり」への本音が聞けた

2018/09/12 更新

2017年9月にモンベルの新社長に就任したばかりの辰野岳史さん。「無類のモノ好き」である新社長に、これからのモノづくりや世間のモンベルへのイメージについてなど、普段はなかなか聞けないことを思い切って聞いてみました。

アイガー北壁

提供:mont-bell(1969年アイガー北壁登攀時の写真)
日本最大の総合アウトドアブランド「モンベル」。モンベルの創業者といえばあのアイガー北壁の登攀を当時世界最年少で成功させた辰野勇さんのイメージが強いという方も多いのではないでしょうか?

実は、現在のモンベルの社長は辰野勇さんの長男であり、生まれた時からモンベルのモノづくりを間近に見てきた辰野岳史さん。
2017年9月に3代目として就任したばかりの新社長に、普段は聞けないちょっとぶっちゃけた質問をしてみました!
<聞き手:YAMA HACK編集部 青柳喬>

モンベルのイメージって・・・

辰野社長
撮影:YAMA HACK編集部 「あんまり恐いこと聞かないでぇ~・・・」

青柳
今日はよろしくお願いします!一応確認なのですが、今日は何か聞いたらNGなこととかありますか?

辰野社長
えぇ~いきなり!特にないですけど、何か変なこと聞こうとか思ってます!?


青柳
今日はあまり堅苦しい『まじめな社長のインタビュー』というより、読者視点で気になってたことをいくつか質問しようと思ってまして・・・。

何でも聞いて良さそうなので安心しました。(笑

辰野社長
よろしくお願いします(笑

辰野社長
撮影:YAMA HACK編集部(Instagramで読者の反応を見る辰野社長)

青柳
ちょうど今回、辰野社長にインタビューできるということで事前にうちのInstagramアカウントで読者から見た「モンベルのイメージ」を聞いてみたんですよ。

辰野社長
ほぉーー。見たい見たい!


青柳
結果としては、
「質実剛健な国産ブランド。」
「コスパがよく、機能性がよい。安心できる。」

という感じでおおむねポジティブな内容でした。

ただ、一方で
「デザインや色味の面はちょっと・・・」
という意見の方も一定数いらっしゃるようでした。

辰野社長
なるほど。そうでしょうね。そういうもんでしょうねぇ~。


青柳
え……デザインについては否定しない……なぜ……

「モンベル以外で好きなブランドとかないんですか?」


青柳
コスパがよくて機能性も良いブランドとして私もとても納得した部分はあります。

社長もきっとモンベル製品を普段から使ってると思うんですけど、実際ほかのメーカーの道具とかを使ったりすることはないんですか?
「このブランドが好き!」とか。

辰野社長
撮影:YAMA HACK編集部
辰野社長
もちろん他社のアイテムも持ってるし、ブランドというよりも道具同士の合わせ方を気にしたりするかなぁ。
ブランド名を軸に決めようと思ったことはないですよ。

もともと僕自身の性格上、自動車が好きというか、モノづくりそのものが好きで、全部好きなものに理由があるんですね。だから、自分が探して調べて、納得して物を買う。


青柳
表面的な印象ではなく、しっかりと物自体の魅力に注目するイメージですね。
例えばそうやって選んだものとかはあるんですか?

辰野社長
以前、北海道の秀岳荘というアウトドアショップでお世話になった時に、一通りアウトドアブランドを売ってたし持ってたりはしたんですね。

例えばキャンプなら10年近く前に発売した当初のヘリノックスチェアを使ってます。いまではモンベルで取り扱うようになりましたけどね。

ヘリノックスのチェア
撮影:YAMA HACK編集部(ヘリノックスのチェア※写真は編集部のもの)

青柳
ヘリノックスはモンベルが代理店として販売してますが、今取り扱ってる海外ブランドのアイテム選定に先ほどの社長の選び方が影響しているんですか?

辰野社長
そういうのはありますね。すべて現地に行って、自分で選んできています。

もちろん現場のスタッフも連れて行くんだけど、やっぱり日本で使って楽しくなるであろうモノを引っ張っていくことを考えています。
「儲かるから」という感覚よりは、「楽しさが広がるか?」が大切。

アウトドアリテーラーショー
撮影:YAMA HACK編集部(今年7月にアメリカのデンバーで開催されたアウトドアリテーラーショー)

青柳
海外に目を向けてみると、画期的な商品もたくさん生まれてますよね。
先日海外の展示会の様子を見たのですが、ものすごい数のアウトドアブランドがあって盛り上がってるように見えます。

日本はあまり多い印象がなくてちょっと心配になったりもします。

辰野社長
そんなことないですよ。そういうのは開催国にローカライズされたブランドが集まってるってのもあるしね。

ステッカー
撮影:YAMA HACK編集部(ステッカーはいただいた順に貼っているだけで特に深い意味はないのです…)

青柳
国内の企業といえば、そういえば私の周りで登山を始める方が多くて、シュラフの話になるんです。
特に人気の2社ということで、モンベルかNANGA、どっちがいいのか聞かれたりすることがあるんですよ。

辰野社長
へぇ~~そうなんですか。


青柳
例えば個人的に、伸縮性があってあぐらをかけるのはモンベルのシュラフの大きな魅力ですし、NANGAであれば永久保証制度があります。

それぞれ特徴的な部分と自分の優先すべき部分で好みでとお伝えしています。

辰野社長
なるほどね。


青柳
あと先日、南アルプスでキャンプしたのですが、暇すぎてテントの数を数えたんです。
全部で120張りほど。

辰野社長
ほんとうに?(笑


青柳
そしたらモンベルのテントが38張り、アライテントが35張り、そのほかは十数張り程度でこの2ブランドがダントツだったんです。

アライテントや先ほどのNANGAなど、国内ブランドでもほかにも素晴らしいアイテムを作っている会社があってシェアを争っていると思うんですけど、実際のところ他社のこと、どう思ってます?

辰野社長
撮影:YAMA HACK編集部 「はは~~ん!」
辰野社長
はは~~ん!
だんだん聞きたいことがわかってきましたよ~~??


青柳
いや~~実際どう思ってるのかなと(笑

辰野社長
そう思ってる人はもしかしたらいるかもしれませんね。でもやっぱりね、「他社がどうだから僕らがこう」ではなくて、僕らが必要だから作ってる。

今の質問への一つの答えとしては、
”我々の必要なものしか作ってないので正直他社へのリサーチはしてない”
ですね。少なくとも私はしてません。


青柳
本当ですか??

辰野社長
何社か寝袋のメーカーがあった場合に、きっと(コンセプトが)同じではないと思うんですよね。

正直、NANGAさんの永久保証の話も初めて聞いたぐらいなんですけど、お客様の選択肢において、僕らはそれでいいんじゃないかと思うんです。
いろんな会社の個性があってその選択肢があるというのがいいと思っています。

シュラフと辰野社長
撮影:YAMA HACK編集部(シュラフコーナーでお茶目な姿を見せてくれる社長)

「興味以外の何者でもないんですよ、僕ら」

辰野社長

青柳
社長がそう思っていても社内で「他社がこういうのを出しているから、うちはこれを作ろう」っていう話は出ないんですか??

辰野社長
うーん、出ないですね。どこかの真似をするということよりも・・・


青柳
かぶらないようにするという方を気にする・・・?

辰野社長
いや、実際にはかぶらないということよりも、そもそも被ることもないんじゃないですかね?


青柳
・・・!?

辰野社長
よく似た形のものはあるかもしれないけれど、中身は違うと思うんですよね。行き着く答えが。

例えば、トレランシューズにしても、クライミングシューズを作っていたところが出すものとランニングシューズメーカーが出すものってどこか違うと思うんですよ。


青柳
こだわっている部分?

辰野社長
そう、形は一緒かもしれないけど、それぞれにこだわっている部分が違うんですよ。

それでランニング系のメーカーが売れているからと言って、クライミングシューズのメーカーがまねすることもないでしょうし、そこはもう共存性の世界なんじゃないでしょうかね。

登山靴
撮影:YAMA HACK編集部(靴の細部へのこだわりを説明する辰野社長)

青柳
靴の話が出ましたが、モンベルは特定のものを作っている専業というよりは総合アウトドアブランドとして展開していると思います。

ちょっと意地悪な質問かもしれませんが、モンベルも靴を作ってますよね。靴の専業ではないところに比べて、ストーリーとかこだわりがあるんでしょうか?

辰野社長
逆です。
これも僕らが欲しいと思ったから作ったんです。


僕らはあらゆる可能性の中で、自分たちができることは自分たちでやっていく。で、靴を作りたいという話がどこかから出たから靴づくりを学んで、今こうやって作っているわけなんです。


青柳
確かに、自然な流れではありますね。

辰野社長
創業者の辰野勇は最初から総合アウトドアメーカーとしてやろうとは思ってなかったんです。


青柳
その場その場で欲しいと思って、必要になったから作ってきたと・・・?

辰野社長
そう。そういうこと。


青柳
モンベルってカレー屋さん(※)もやってますよね。もしかして・・・。

スパイスマジック
提供:mont-bell
※・・・「スパイスマジック」というカレーがメインのダイニングカフェをプロデュースしている。
辰野社長
カレーが好きだったから(父が)カレー屋始めたいと思ったんだろうな(笑)。
それで自分たちで一から勉強してやってるんです。

もう、興味以外の何者でもないと思います。僕ら。


青柳
す・・・すごい・・・

辰野社長
撮影:YAMA HACK編集部

青柳
靴の話に戻しますが、「自分たちが欲しい靴ってどんな靴だろう?」という問いかけから始まって自分たちで勉強して作ったということになるんですか?

辰野社長
そういうことですね。
やっぱり、お客様って自然を楽しむ「プレーヤー」じゃないですか。僕らの社員もプレーヤーですし、ベクトルはお客様と同じだと思うんですよね。

こういうのが欲しいって思った時の気持ちはお客様と一緒。


青柳
お客さんたちが欲しいものが自分たちの中から生まれてくるのは必然ということでしょうか?

辰野社長
そうですね。
今でいう「スペリオダウンジャケット」というのがあるんですけど、創業したころに「薄い素材でダウンジャケット作ったら便利なんじゃないの?」と真崎(前社長)が言ったわけですね。

スペリオダウンジャケット
提供:mont-bell(スペリオダウンジャケットは平均重量約188gという軽さ)
辰野社長
でも一方で「大丈夫?やぶれるんじゃないの?」とかまぁワーワー社内でいうわけですね。


青柳
なんとなくイメージできます(笑)

辰野社長
でも「これ欲しい人いるよね?だって俺らが欲しいんだもん」って話になるんですよ。で、試しに売ってみたんですね。

そしたら他社からも似たようなものが出るようになったわけです。すべての始まりは興味なんですね。


青柳
とはいえ、ビジネス的に、最初は小さく売ってみて様子をうかがうとかそういうことは?

辰野社長
いやー、そうでもなかったですよ。
やっぱり自分たちがプレーヤーだから、自分たちがこういうものが欲しいと強く思っているものは求めている人が多くいるだろうということで大きく世に出していきますよ。


青柳
商売の町・大阪の会社なのに、ちょっと意外です(笑

実はキッズ向けのウェアも・・・

キッズ向けの商品
提供:mont-bell
辰野社長
あとは、最近子供の服をいっぱい売り出してますけど、あれも僕に子供がいるからですね。

子供がいることによってどんなものが欲しくなるか自分でもわかってきたっていうのはある。


青柳
うちも子供が2歳なのですごくわかります。

成長するにつれて子供の道具や服に求められるものがどんどん変わってきますし、いないと気づけなかったことがたくさんあります

辰野社長
でしょ?なので、そういうことも実際そのときにならないとわからなかったんで、「子供のマーケットがもうかるぞ!」って言ってよくわからないのに作るのなんてお客様にも失礼だと思ったんです。

自分の経験から形にしていくとお客様にも受け入れられていったみたいなのはあったかな。


青柳
ということは、今のモンベルのキッズ向け商品は社長のお子さんの影響を受けているってことになるんでしょうか?

辰野社長
う~~~ん、まぁそういうところも、あるのかなっ!(笑

「Function is Beauty」って?

Instagramアンケート結果
作成:YAMA HACK編集部(Instagramで調査した「モンベルのイメージは?」の結果)

青柳
ところで、アンケートを見ると、デザインや色味などについて少しネガティブな意見が来ていますが、それらについてはどういう風に考えていますか?

辰野社長
私たちは登山用品を主に作ってるんですよ。


青柳
はい

辰野社長
そういう時に、例えば無駄な切り返し線をなくしたり、ポケットを最低限にしたり、そういうことを常に考えてます。

つまり、「デザインのためのデザイン」はしないようにしてるんです。


青柳
見た目のためだけにデザインはしないと?

辰野社長
あくまで機能のためのデザインを心がけています。

モンベルが掲げている「Function is Beauty=機能は美しさをまとう」は、「美しさのためのデザイン」を求めているわけじゃないんですね。

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提供:mont-bell(モンベルの製品は機能の中に美しさを見出し、年々洗練されてきた)

青柳
柄物とかもその考え方なのでしょうか?

辰野社長
機能面がスポイル(台無しに)されない形であればやるんですけど、たとえば無駄な刺繍とかそういうのはないですね。

カラーに関しても例えば雪山であれば視認性が第一ですし、すべては「その商品のコンセプトは何か?」から始めるんです。「ピンクが流行ってるから」とか絶対にしません。


青柳
そこに女性社員の意見も取り入れられたりするんでしょうか?

辰野社長
もちろん、一緒に決めてます。
ただ、「かわいいから」という意見があればそこにファンクション(機能性)は持たないので重要視しないですね。そこに機能的な側面があって初めて採用されます。

僕らの中では色味も一つの機能なんです。なので、アンケートでのユーザーの意見も重々わかるところというか・・・


青柳
デザインや色に関しての意見?

辰野社長
そうそう、だから極端な話、フリルを付けたらとか、もっとかわいいカラーに・・・とか、そういうのはないですね。

最近「ウルトラライト」な道具もたくさんありますが・・・

辰野社長
撮影:YAMA HACK編集部

青柳
最近はガレージブランドなどを中心に非常に軽量なザックやウェア、ギアが出ていて特に若い女性の支持の高さを感じることが多いです

機能面や軽さ、おしゃれさなど、様々な要素をみて自分たちがフィットするところを選んでいるような気がして感心します。

辰野社長
ウルトラライト(以下、UL)についても、何をもってULなのかを決めているかどうかですよね。

極端な話、薄い布とひもを組み合わせてULのカバンを作ることも可能です。


青柳
まぁ、確かにそう言われればそうですね(笑

辰野社長
パッキング方法とか重量バランスとか背中にかかる負担とかも、分かったうえでお客様が理解しているかどうかがポイントです。

メーカーが最低限の機能を持たせておきながら作るのか、とにかく軽さを優先させるのか、というところでお客様に各社が説明できてればいいと思います。


青柳
どこに重きを置くかで変わりますね。

辰野社長
軽さだけを追い求めれば削った重量分だけ置いてきた機能もあると思うんですよ。

さっきの「スペリオダウンジャケット」も強度に関しては昔に比べて一部捨ててる部分もあるんですよ。そこを説明できるかしないか。


青柳
どこを犠牲にするかというのも一つのコンセプトなんですね。

Light & Fast
撮影:YAMA HACK編集部
辰野社長
モンベルが掲げているもう一つのメッセージが「Light & Fast」。

これは会長が当時世界最年少で登攀したアイガー北壁に生死をかけて挑んだわけです。その時に装備を減らして素早く登頂することで危険を回避したんですね。
軽さというのも一つの「機能」なんです。


青柳
自分が求めていることがそのアイテムのコンセプトに合致するかどうか、きちんと見極めないといけないですね。

新社長が率いるモンベル。これから何が変わる・・・?


青柳
ちょっと時間も少なくなってきましたが、新社長になったということで、これからのモンベルは何かを始めたりやめたり、変わっていくことはあるんでしょうか?

辰野社長
特に何も変わらないです。


青柳
え・・・何も?

辰野社長
なーーーんにも変わらないです。
あはははは(笑)


青柳
マジか・・・それありきでインタビューしに来ちゃった・・・

辰野社長
撮影:YAMA HACK編集部
辰野社長
だって、僕の生まれたときからある会社で、ずっと見てきたんですよ。

社長が替わったからお客様のニーズが変わるわけではないですし、僕たちはお客様のためであり、フィールドを楽しむ自分たちのためにモノづくりをしていくことに変わりはないです。


青柳
ぐうの音も出ない

辰野社長
しいて言うなら、お客様のニーズを充足することが目的ではないということです。

お客様のイメージを超えていけるような提案をしていきたいと思ってはいますけどね。
例えば、この新作のテーブル

辰野社長
撮影:YAMA HACK編集部 2018年冬発売予定の新作「マルチ フォールディングテーブル」(16092円)
辰野社長
これはキャンプ用だけど、支える脚の部分を内側に向けることで自分の足が干渉しないようになってたり、普通は2段階のハイロー機能のところ、これは座卓までできる。

あとは天板も裏返して使えるから見た目は一緒でも用途に合わせて様々な使い方ができるようにしてます。


青柳
なるほど。私もファミキャンをしたりするので同じテーブルでもここまで機能的なものであれば確かに私も欲しい・・・。持ってる椅子が低いので座卓はうれしいです(笑

ちなみに、山用にもなにか作った新商品はあるんでしょうか?

トレールワレット
撮影:YAMA HACK編集部(トレールワレット)
辰野社長
山用でいえば、この財布(トレールワレット)。
とにかく軽い財布を作りたくて、表は高強度のナイロン、裏はウレタンでコーティングした薄い生地にしてます。
最強の生地と最軽量の生地を組み合わせて作ったんですよ。


青柳
登山で2つ折りの財布だとかさばるし、三つ折りの革の財布も重いし、確かに魅力的です。

この財布を作るアイデアを作るのってどのくらい時間をかけたんですか?

辰野社長
アイディアは5分(笑


青柳
え(笑

辰野社長
アイデアなんて誰でも思いつくんですよ。それをどうやって形にするかっていうのが大変なんです。


青柳
どこまで突き詰めてコンセプトに沿ったものを作るという点?

辰野社長
そうそう、でも、この財布はサンプルだけで7回作り直したんです。


青柳
結構シンプルに見えますけどねぇ。

辰野社長
そう、でもそれが大事なんですよ。

機能を突き詰めるとシンプルになっていってそれが美しさにつながる。「Function is Beauty」の一例だと思うんですよ。実際、すごく人気がでてます。

新社長が考える「遊び心」って?

社長室
撮影:YAMA HACK編集部(自身を「モノ好きの塊」というだけあって社長室には気になる道具がたくさんあった)
辰野社長
あとは、「PLAYFULLMIND(遊び心)」というのが、新しい社長としてのコンセプトであるかもしれないですね。

遊び心ってすごく大事だとおもっていて、ただ面白がるってことじゃないです。遊び心はまじめに基本を分かったうえでの遊びのことなんです。


青柳
全てを分かったうえでの「遊び」なんですね。でもちょっと待ってください。

「遊び心」って、先ほどからおっしゃっている「シンプルな機能美(Function is Beauty)」と比べると、ちょっと矛盾して聞こえるんですけど。

辰野社長
ある意味、そこは高度にリンクさせていかなきゃいけないと思ってますね。だから、どんだけそこに気づいてもらえるか。

思わず無意識にお客様が「あ、これこういう仕組みなんだ」とか「こんなによく考えられてるんだ!」と思わず説明がなくても気づいてもらえるようなことじゃないかな。

いちいち説明すれば「ああ、それは便利かもね」ってなるけど、そうじゃない。

使ううちに、それに気づいて思わずうなってしまうような仕掛けを盛り込んでいくのが必要だと思うんですよね。


青柳
細部までよく考えられたモノづくりに行き着きそうですね。

辰野社長
そうですね。あらゆる人を想像しながら僕らは作りたいものも明確にフォーカスしていて、それを「シンプルに見えて使い勝手がいい」という視点で作ってるんです。

だから、そういう意味で言うと、実は矛盾はしてなくて、創業当時の考え方から変わってないんですよね。

辰野社長
撮影:YAMA HACK編集部 辰野社長「そう!!細かいところに気づいてもらえた時は最高!」

青柳
「遊び心」の真意がわかったような気がします。今ご自身がそこにおいて考え方の信念になっているんですね。

辰野社長
僕、車とかの機械イジリが好きなんです。ビッグベアーのクマさん(※)も車乗っててそのつながりなんですけど、見えないところまで作りこむんですね。わかる人しか気づかないような仕掛けとか。


青柳
「くまさんが気づいてくれれば…!」みたいな(笑

辰野社長
そう!そうなんですよ!!

割とそういう気質なんで、モノづくりをするときは黙々と、シンプルに、かつ機能的なものを無意識のうちに作ろうという感じですね。


青柳
遊び心はあっても、そこに無駄なものはない。というイメージでしょうか?

辰野社長
無駄も許容の中に入った無駄であればいいけどね。そのもの自体の機能性や価値を下げる無駄は絶対にしない。

だから、どちらかというとドイツ的な考え方ですよね。機能がデザインみたいなものが好き。

理にかなったものを作りたいという思いはあるかもしれないですね。


青柳
ドイツ的というのはこれまでの話を聞いてきて、たしかにしっくりきました。
これを聞いたらモンベルのファンはもっとモンベルが好きになりそうですね。

辰野社長
ははは、そういってもらえると嬉しいねぇ~。もっと頑張らないとね!

辰野社長
撮影:YAMA HACK編集部

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辰野社長
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YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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