COCOHELI 山岳遭難対策制度(ココヘリ) 550万円までの捜索救助を実施 入会金1,100円OFFで申込む

快適さは小物で決まる! 山に持っていくべきアイテムを石井スポーツの人に聞いてきた(2ページ目)

どれくらいの明るさのものを選べばいいの?

150ルーメンのヘッドライト

撮影:YAMA HACK編集部(150ルーメンのヘッドライト)

編:では実際に日帰り登山でも持っていくとなると、いったいどれを選べばいいんでしょうか? たくさんありすぎてよくわからない…

山﨑さん:実はここ最近、ヘッドライトはどのブランドもルーメン数(明るさ)を上げてきています。2~3年前までは、150ルーメンもあると結構ハイスペックと言われる位置づけで、日帰り登山だと70とか80とか、100ルーメン以下くらいのものが主流だったんですが、LEDが発達してきてより省電力で明るくできるようになったので、ベースが上がってきました。

編:はぁ~…技術の進歩は山道具にも恩恵をもたらしてたんですね!

ルーメン数

撮影:YAMA HACK編集部

山﨑さん:うちの店頭にはこういう目安を置いてますが、これも実はちょっと古い。(笑)ここに書いてある、1つ上のスペックでいいですね。日帰りだと、150ルーメンでいいかも。

あとは、例えば積極的に夜の道を歩くナイトハイクだったり、トレランで夜中も走ったりするような場合は250とか300とかさらに照射力の高いモデルがおすすめです。特に下りは遠くまで見通せた方がいいですし、ランナーって移動のスピードが速いから、早く情報を処理しなくちゃいけないので遠くまで照射できるものを選ぶことが多いです。

でも日帰り登山でその日のうちに帰るつもりであれば、そこまでルーメン数は高くなくていいと思いますよ。

編:ゆっくり歩くから、足元と周りを最低限照らせればいいという事ですね。

エントリーモデルはどれ?

ペツルのティキナ

撮影:YAMA HACK編集部(ペツルのティキナ)

編:では、初めてヘッドライトを買う!という方におすすめのエントリーモデルはどれでしょう?

山﨑さん:ペツルのティキナとか、ボタンが大きくて操作しやすいブラックダイヤモンドのコスモあたりが人気ですね。ペツルは衝撃テストなどもしているので丈夫だし、信頼度は高いですよ。

ブラックダイヤモンドコズモ

撮影:YAMA HACK編集部(ブラックダイヤモンドのコズモ)

編:これ、例えばメーカーによる大きな機能の違いってあるんでしょうか?

山﨑さん:ブラックダイヤモンドや一般的なヘッドライトは、例えば300ルーメンのヘッドライトだと、電池の残量に応じて最初は300ルーメンなんだけどそこからだんだん明るさが落ちていきます。

一方ペツルは乾電池以外に充電池を使えるモデルがあって、これを使うとずっと300ルーメンを保って、ある時スっと落ちる。コンスタントライティングというのですが、これが大きな特徴の違いですね。充電池を使えるモデルは他メーカーもあるんだけど、このコンスタントライティングはペツルの大きな特徴です。

そのうち山小屋にも泊まるなら、赤色灯付きがおすすめ

赤色灯付きのヘッドライト

撮影:YAMA HACK編集部(赤色灯付きのヘッドライト)

山﨑さん:あと、そのうち山小屋泊もしてみたい!と思っている方なら赤色LEDがついているものがおすすめですよ。

編:ほう。それはどうして?

山﨑さん:赤色って、夜間視力を保てるんです。瞳孔が開いた状態にできて、白色に比べてそんなに眩しくないから相部屋で他の人の迷惑になりにくいし、夜に外に出て星を見ようという時に、くっきり見やすかったりします。

編:へぇ! それは知りませんでした。そのうち泊まり登山もしたいなら大事なポイントですね。

山﨑さん:あと虫が寄ってきづらかったり、霧の中でも照らしやすかったりというメリットもあるんです。白色だと、霧の中は乱反射しちゃうので。全部のモデルについているわけじゃないので、そういったポイントもふまえて検討するといいと思いますよ。

まだまだある! 押さえておくべき大事な“小物”たち

靴下って、普通のやつじゃダメ?

靴下の裏地

撮影:YAMA HACK編集部(裏地のクッション性が大事)

編:靴下って、既に持っている普段履き用のものじゃダメなんですか?

山﨑さん:登山靴って、普通の運動靴に比べて固く作られているんですよね。なのでまずクッションの役割として登山用靴下を履いた方が良いです。それともう1つ重要な機能が汗処理。足って、頭、手の次くらいに汗をかく場所なんですよ。

編:体の末端は汗をかきやすい、ということですね。

山﨑さん:その通り。例えば靴が防水でも、普通の靴下だと自分の汗で内側から濡れてっちゃう。登山用の靴下というのはメリノウールを使用しているものが多くて、これが汗をしっかり吸水して蒸気に変換してくれます。それを靴の防水フィルムが持つ透湿性が逃がしてくれるんです。ウェアのレイヤリングの考え方と同じですね。

靴下を説明する山崎さん

撮影:YAMA HACK編集部(寒暖差の激しい土地の羊なので、メリノウールは温度調整が得意)

編:靴下って、色んなメーカーのものありますけどどれも大体同じ?

山﨑さん:いえ、色々機能は異なりますよ。テーピング効果、靴ずれ防止機能があるもの、化繊にウールを巻き付けて速乾性も持たせたものとか。でも最初の1足は、特別にあれこれ機能が付いていないスタンダードなものでいいと思います。使っていくうちに必要になってきたら、色々と機能が付随しているものを検討してみましょう。

スタンダードタイプの靴下

撮影:YAMA HACK編集部(もっともスタンダードな靴下)

2 / 3ページ