【ナイトハイクに挑戦!】 行ってみて分かったことは、「魅力」でも「怖さ」でもなく…

夜間に登山をする『ナイトハイク』。あなたは経験したことがありますか? 経験はないけれど興味がある!という人もいるのでは。昼間とはまた違う、夜ならではの山の顔とはいったいどのようなものなのでしょうか。多くのハイカーを引きつけるナイトハイクの魅力を味わうべく、編集部員が夜の高尾山に行ってみました。そこで気づいたナイトハイクを楽しむための9のポイントと、今後の登山に活かせる3つのことをご紹介します。


アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

ナイトハイクがちょっと気になる!

ナイトハイク
出典:PIXTA
いつの頃からかハイカーの間で密かな人気となっていた“ナイトハイク”。登山では景色を眺めながら歩くのも楽しみの1つですが、当然夜は見えない…。それなのに何が人々をナイトハイクへと誘うのか? いまいち理解できない編集部員Cが、「百聞は一見に如かず」ということでナイトハイクに行ってみました!

その前に…

ナイトハイク経験者に事前調査。ナイトハイクへ行く際の注意点を教えてもらいましたので、確認してみましょう。

①出発前にヘッドライトの電池を確認すること
②初めてではなく明るい時に行ったことがある道を通ること
③できるだけ複数人で行くこと
④夜は意外と寒いので防寒着を持っていくこと
⑤登山計画を人に渡すこと

日中の登山と共通するところではありますが、暗闇では視界も狭く不安になったり、道迷いなどの危険も。少しでもリスクを減らすことが重要です。

5つのことをチェックして、早速ナイトハイクへ!

ナイトハイク中に気づいた! 楽しむための9のポイント

ナイトハイクはいったいどんなものなのでしょうか。ナイトハイク中に気づいたポイントと共に、体験レビューをご紹介します。

高尾山口駅
撮影:YAMA HACK編集部
4月下旬の平日、初めてのナイトハイクということで歩き慣れた高尾山へ。18:30の高尾山口駅はガラ~ンとしており誰もいませんでした。週末とは大違いです。

週末の高尾山口駅
撮影:YAMA HACK編集部
こちらが週末の高尾山口駅の様子です。人で溢れていますね。

【ポイント①】
高尾山口駅にある売店「楓 kaede」の営業時間は17時までのため、食べ物などは事前に用意しておくことをおすすめします。自動販売機はところどころにあるので安心。ちなみに駅直結のお風呂「極楽湯」は23時まで(最終入館受付 22:00)なので、下山時間によっては汗を流して帰ることもできます。

高尾山ケーブルカー乗り場
撮影:YAMA HACK編集部
まだ完全に日が落ちていない時間にナイトハイク開始。6号路で山頂を目指すことにしました。

【ポイント②】
初めてのナイトハイクの場合、真っ暗になる前に歩き始めた方が安心・安全です。日の入り時間を事前に確認して計画を立てましょう。

お地蔵さん
撮影:YAMA HACK編集部
いつもは優しい表情で愛らしいお地蔵様ですが、夜道で突然あらわれるドキッとします。

【ポイント③】
顔にぶつかってくる虫や蜘蛛の巣、自分の影、ザックやウエアが擦れる音。暗いだけで、日常の何気ないものにも驚いてしまいます。怖がりの方は大変かもしれません。大人数でわいわい会話をしながら歩くことをおすすめします。

6号路入口
撮影:YAMA HACK編集部
18:45、6号路の入口。まだ空はやや明るいですが、登山道は真っ暗です。しばらくは街灯があるもののヘッドライトは必要です。

6号路
撮影:YAMA HACK編集部
途中からは街灯もなく本当の真っ暗闇。ライトで照らさないと景色も分からず、肝試し状態です。

【ポイント④】
暗闇では耳が研ぎ澄まされます。目からの情報が少ないからでしょうか、生き物の声や風で植物が揺れる音など、様々な音がよく聞こえます。それを怖いと感じるか、興味深いと思うかは人によるところですが、沢沿いの6号路を選択したのは正解。水の流れる音が常に聞こえていることで、無音よりも安心感があります。熊鈴を鳴らしているだけでも心強いはずです。

撮影:YAMA HACK編集部
19:00にはすっかり日が落ちました。ライトで照らしたときに岩のような大きい物体だと、もしや動物!?とドキッとすることも。

6号路看板
撮影:YAMA HACK編集部
こちらは登山道中に設置されている看板。後ろの石垣にヘビやクモなどの生き物が住んでいることを教えてくれているのですが…。こんな暗闇では出会いたくないものです。ふりかえる勇気がある人はぜひ!

沢
撮影:YAMA HACK編集部
途中、沢を通るので足元には十分注意が必要です。

撮影:YAMA HACK編集部
6号路は道中にトイレがありません。出発前に済ませておきましょう。ベンチはところどころにあるので休憩はできます。

【ポイント⑤】
暗闇のベンチでは、なんとなく休憩する気になれない人もいるのではないでしょうか。ザックから何かを取り出すにも暗いと一苦労。周囲に明かりが広がるランタンがあると重宝しそうです。山頂で山ごはんを作りたいときにも役立つはず。ヘッドライトにビニール袋をかぶせて明かりを拡散させても良いですね!

高尾山山頂
撮影:YAMA HACK編集部
そして19:45、ついに山頂に到着! 山頂にはナイトハイカーがいるものと思っていましたが、誰もいませんでした。高尾山山頂といえば、富士山が見える展望台。夜はさすがに富士山は見えないにしても、日中とは違った景色を楽しめるはず!?と思い向かって見ると…

高尾山山頂展望台からの夜の景色
撮影:YAMA HACK編集部
いかがでしょう? 日中とは全く異なる山の表情が分かりますでしょうか。

高尾山山頂展望台からの二中の景色
出典:PIXTA
夜は見事に何も見えませんでした…。日中は遠く富士山まで見渡せるので、記念撮影スポットとしても賑わっている場所です。

みなさんお察しの通り、ナイトハイクの醍醐味は自然の風景ではなく、ロマンチックな夜ならではの景色が見られること!
高尾山山頂からの夜景
撮影:YAMA HACK編集部
高尾山山頂からの夜景がこちら。街の明かりがキラキラゆらゆら、ずっと見ていられる綺麗さです。この夜景を見るためにナイトハイクをしたいと思うかどうかは別として、100万ドルとはいかないまでも、実際に見た方が写真の100倍くらいは綺麗です。

【ポイント⑥】
高尾山の夜景スポットは山頂ではありませんでした。「かすみ台展望台」というケーブルカーに隣接した展望台が高尾山で最もメジャーな夜景観賞スポットだったのです。八王子方面の街並みから、東京タワーやスカイツリーなど都内のランドマークまで一望でき、ケーブルカーが終日運転される大晦日には多くの人が訪れるそう。夜景のベストスポットは事前に確認しておきましょう。

1号路
撮影:YAMA HACK編集部
山頂で夜景を見ながら束の間のコーヒータイムを楽しみ、下山開始。下りは途中まで1号路を歩いてみました。舗装されているので、真っ暗でも歩きやすいです。

高尾山薬王院
 撮影:YAMA HACK編集部
薬王院あたりからは街灯も多く明るいため、通常の夜道のような印象です。

【ポイント⑦】
周囲の建物を眺めながら歩いていたため、薬王院の敷地内で一瞬道を間違えました。明るい場所に出た時こそ、気の緩みに注意です。

2号路への分岐
 撮影:YAMA HACK編集部
そして、夜の琵琶滝を見るべく2号路方面へ。

2号路
撮影:YAMA HACK編集部
ここからまた真っ暗な道が続きます。

【ポイント⑧】
暗闇の中での下りは、視線がどうしても足元にいってしまうので、登りよりも歩きづらいです。いつも以上に慎重にゆっくりと歩きましょう。

琵琶滝周辺
撮影:YAMA HACK編集部
残念ながら、夜は水行道場が閉鎖されているため琵琶滝は見えませんでした。

【ポイント⑨】
ナイトハイク中に見たいもの、見られるものを事前にチェックしておくことがおすすめ。例えば、高尾山であれば9月にムササビ観察ができたりします。その時期ならではのものを求めてナイトハイクに出掛けると、より楽しめるかもしれません。

そして21:00に高尾山口駅に到着し、ナイトハイク終了。暗い山の中では人に出くわすことが1番怖いと経験者から聞いていたのですが、今回出会ったのは、下山時にすれ違ったトレイルランナーと、猿園付近で昆虫採集をしていた男性の2人だけ。相手もヘッドライトをつけていたため特に怖いとは感じませんでした。茂みの中でカサカサッと何かが動いたときの方が、ビクッ!となり一瞬体が固まります。

ナイトハイクは想像を超えない!?

高尾山から望む夜景
撮影:YAMA HACK編集部
魅力を知るべくチャレンジしてみた今回のナイトハイク。感じ方に個人差があると思いますが、暗闇の怖さや夜景の美しさは事前情報から想像しえる範囲だった印象です。もしかしたら、深夜に歩いたり、日の出が見られる明け方に歩くと、また違ったナイトハイクの魅力を知ることができるのかもしれません。ただ、ナイトハイクをすることで、今後の登山に役立つ体験と大切なことの再確認ができたんです! それは何かというと…

ナイトハイクで学べる! 登山に大事な3つのこと

ナイトハイクをしたことで再確認ができた、登山でも大切な3つのことをご紹介します。きっと今後の山行に活かせるはずです。

【1】ライトの明るさ・照射距離

今回のナイトハイクへは、いつも山で使っている<Black Diamond>のヘッドライト、モデル名“スポット”(高照度300ルーメン/照射距離80m)を持っていきました。こちらでももちろん十分ではあったのですが…。

実は、ナイトハイク経験者にこれも念のために持っていくと良いと渡されたライトがありました。それがこちら!

LEDLENSER
撮影:YAMA HACK編集部
<LED LENSER>の軽量なLEDライト、モデル名P6.2(高照度200ルーメン/照射距離120m)。これがものすごく優秀だったんです。明るさ(ルーメン)はヘッドライトの方が高いのですが、ヘッドライトより遠くまで照らせるので、暗闇で登山道の先を確認するのに非常に助かりました。また、ヘッドライトだと照らしたい方向に頭を向けなければなりませんが、手持ちのライトだと見たいところをすぐに照らせるのが便利。

遠くのお地蔵さん
撮影:YAMA HACK編集部
遠くのお地蔵様までこんなにはっきり!

さらに、ヘッド部分をスライドするだけで簡単にスポット・ワイドで光の幅を調整できます。同じ場所で切り替えてみました。

撮影:YAMA HACK編集部
こちらがワイド。

撮影:YAMA HACK編集部
こちらがスポット。写真では分かりづらいですが、スポットにした方が、光が絞られて明るくなる印象です。ヘッドライトの方が両手が空くので、何かあったときに安全ではあります。

何を言いたいかといいますと、ライト選びは非常に重要だということ。登山用にヘッドライトを選ぶ時、明るさだけでなく照らせる範囲や距離などを総合的に見て、自分の山行に最適なものを選ぶ必要があることを身をもって感じました。持っているヘッドライトの実力をナイトハイクで試してみても良いかもしれません。

【2】暗闇での歩き方

夜の登山道をヘッドライトをつけて歩く登山者
通常の登山でも早朝に出発したり、日が昇る前から行動することがあります。ヘッドライトだけで暗い登山道を歩くのは、初めて行く山では道迷いの危険も。歩き慣れた山で、暗闇を安全に歩く練習をするのも有効ではないでしょうか。

【3】山の怖さと誰かがいる安心感

高尾山を登る登山者たち
撮影:YAMA HACK編集部
ソロ登山は万一のときの発見が遅れたり、様々なリスクが高くなります。特にナイトハイクは、道中の景色を楽しめないので怖さや不安も大きくなりがち。一緒に登る誰かがいることのありがたみをより感じるはずです。また、夜の山を歩くことで、山の“楽しさ”だけでなく“怖さ”を再認識できるのではないでしょうか。

昼間とは別世界! 夜の山を体感しよう

ナイトハイク
出典:PIXTA
ナイトハイクも山登りのスタイルの1つであり、静かな夜の山歩きが好きな人もいます。昼間とは別世界だからこそ、新たな発見があるかもしれません。興味がある方はぜひナイトハイクに挑戦してみては。その際はくれぐれも気をつけてお出かけください。


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夜の高尾山
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YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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