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「がんという山を登る」ある一人の女性を動かし続ける想い(3ページ目)

angelinaさんが術後初めて登った車山

出典:ヤマレコ / angelina(術後初めての山は「車山」に)

今までの山を思い出し「元気になって、また、山を歩く」というイメージは、リハビリ中の気持ちの大きな支えです。そして、山の景色や仲間が私を待ってくれている、また、迎え入れてくれるんだ!と思えることが何よりの幸せです。

山をやっていてよかったと心からそう思います。

北八ヶ岳が大好きなangelinaさんとmasatさんは、「車山」と「北横岳の坪庭」を術後はじめての山に決めます。

固い場所で寝ることが難しいため、ホテルで泊まれるところであることと、ロープウェイがあり、アップダウンや危険な箇所が少ない場所であることが決め手となりました。

「生まれて初めて」山を感じたような気持ち

車山でオカリナを吹くangelinaさん

出典:ヤマレコ / angelina(車山でオカリナを吹くangelinaさん)

山頂からの景色や風、日差しに「あぁ、これを感じたかった」と思いました。

以前のように軽快に歩くことは出来ないけれど、ゆっくりのんびり山の時間を楽しむこと、また山へ来ることが出来たということに、ただただ、素朴な心で感動していました。
生まれてはじめて山を感じたような気分でした。

「健康な自分」であれば、車山も霧ヶ峰も坪庭も、「登山の通過点」でしかなかったと語るangelinaさん。

歩けるかどうかさえ不安だった自分が、山の空気が吸えていること自体に感動。
百名山じゃなくても、北アルプスじゃなくても、今、どんな山でも、ただ純粋に「山」を歩けることが嬉しいです。

angelinaさんの荷物を背負って歩くmasatさん

出典:ヤマレコ / angelina(masatさんはangelinaさんの分まで荷物を背負って歩く)

angelinaさんの代わりに重い荷物を背負い、一緒に歩いたmasatさんはこう語ります。

かなり慎重にはなっていましたが、久しぶりに山からの景色を眺め、とても楽しく気持ちよさそうでした。
術後はじめて履く登山靴にもとっても嬉しそうでした。

はじめて気づいた「ゆっくりしか歩けない人もいる」こと

坪庭を歩くangelinaさん

出典:ヤマレコ / angelina(坪庭を歩くangelinaさん)

山に行けるまで回復したとはいえ、今まで通りにいかないこともたくさんあります。
手術した側の腕が上がらないので、登山ウェアを着るのが大変。ザックがどうしても背負えず、ウエストポーチを斜め掛け。薬の副作用で、ホットフラッシュや急なのぼせ、腕の麻痺もあるので、転ばないようにゆっくりと歩く。

急な動きをすることが難しいので、狭い道で人とすれ違う時にとても緊張しました。

一見、闘病中とはわからないので、道を譲られることも多かったのですが、以前のようにササッと避けることができません。
なるべく相手の方にお先に行ってもらうように、人と出会うと立ち止まっていました。多分、トレランの方と多くすれ違うような山は不安過ぎてまだしばらくは無理そうです。

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