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SOLVICアイキャッチ画像

コメリが本気を出してきた!新オリジナルブランド「SOLVIC」がアツい 【着用レビュー】

「登山向けのウェアって高い…でも妥協もしたくない……!」そんな登山者の悩みに応える、高コスパジャケットが登場しました!開発元はあの大手ホームセンター「コメリ」。本当に山で使えるのか?フィールドで試してみました!

アイキャッチ画像撮影:筆者

あのコメリから誕生!アウトドアでも活躍するブランド「SOLVIC」

コメリ画像

出典:PIXTA

コメリといえば、赤い鶏のロゴが印象的な大手ホームセンター。国内でも屈指の規模で、全国に1,200店舗以上を展開しています。

日用品や建築資材等の印象が強いですが、実はオリジナルのウェアを多数販売。なかでも豊富なラインナップを誇っているのが「作業着」です。現場で働く方に向けて、作業時の動きを妨げず、かつ外の厳しい環境でも快適に作業ができるウエアを多く取り揃えています。

驚きなのがその価格!

撮影:筆者(SOLVICは『大地(フィールド)を制する者』をイメージした造語。シンプルさと機能性を兼ね備え、アウトドアでも使えるようにデザインされている)

そんなコメリから2023年に生まれた新ブランドが「SOLVIC(ソルビック)」。トレンドを踏まえたデザインで、アウトドアレジャーやタウンユースなど、使用シーンを選ばないユースフルで快適なアクティブライフを提案するワーキングギアブランドです。

ジャケット・パンツ・ダウンなど、ハードな環境でも使えるアイテムがラインナップしており、驚きなのがその価格。今回紹介するジャケットはなんと2,480円で販売されているんです!

安すぎて逆に不安にもなりますが、登山用ではないもののアウトドアでの着用も想定して開発されているし、コメリなら期待できるのかも……。

ということで、山でどの程度使えるのかを実際にチェックしてみました!

【事前チェック】撥水性の高さとナチュラルなデザインがいい感じ!

レビューする商品は「SOLVIC 撥水防風ジャケット フード付き」。コメリの公式通販サイトには、「アクティブなデザインでアウトドアにもピッタリ。防風・撥水加工であらゆるシーンに使える」との説明があります。

まずは基本的な見た目や性能をチェック。

撮影:筆者

全体のシルエットはこちら。今回はLサイズを着用しました(筆者身長180cm、体重60kg)。気持ちゆったりめのシルエットながら、大きすぎないちょうどよいサイズ感。アウトドア向けらしいデザインで、山で着用しても違和感がありません。

solvicインナー着用画像

撮影:筆者

Tシャツの上に羽織ってもいいですし、インナーに防寒着を着る余裕もあります。

solvicストレッチ性チェック

撮影:筆者

残念ながらストレッチ性はなし。ただ腕を上げたり伸ばしたりするのには、そこまで支障はない印象でした。実際の使用感は後ほど詳しくレビューします。

solvic裏表の生地

撮影:筆者

生地に関しては、外側は自然なシワ感を出す「ナイロンワッシャー加工」によるマットなナイロン素材で、内側はサラリとしたポリエステル素材を使用。生地が二重になっていることでペラペラ感がなく、2,480円とは思えないしっかりとした作りになっています。

撥水している画像

撮影:筆者

うたい文句となっていた撥水性能は、上の写真の通り。払えば水滴も落ちる高い撥水性を持っています。

ただ防水性とは異なるため、水を当て続けると徐々に染み込みます。レインウェアではないため当然ですが、どのくらいの雨なら耐えられるかは気になるところ。こちらも後ほどチェックします。

その実力やいかに?2つのフィールドでレビュー!

solvic全体写真

撮影:筆者

基本的な性能がわかってきたところで「SOLVIC 撥水防風ジャケット フード付き」の実力を検証!より詳細な使用感をチェックするため、2つの環境で試してみました。

  • ■強度高めな日帰り登山
    ・山:明神ヶ岳〜金時山縦走(日帰り)
  • ・天気:曇のち雨
  • ・気温:10~17℃
  • ・コースタイム:約6時間
  • ・高低差:上り1200m、下り1000m
  • ・風の有無:ややあり

■強度低めな一泊二日のトレッキング
・山:尾瀬ヶ原〜尾瀬沼縦走(鳩待峠〜大清水)
・天気:晴れ
・気温:3~10℃
・コースタイム:1日目約3時間、2日目約6時間
・高低差:上り500m、下り900m
・風の有無:ややあり

【結論】汗をあまりかかないトレッキングに最適!運動強度の高い登山にはおすすめできないかも……

結論からいうと、「運動量が少なく、汗をあまりかかないハイキングや登山」にはぴったりのジャケット。一方で「運動強度が高く汗をたくさんかく登山」とは、あまり相性が良くありませんでした。

その理由を良かった点、気になった点から解説します!

良かった点①:防風性能が高い!ウィンドシェルとして申し分なし

着用中写真

撮影:筆者

防風性能の高さを実感したのは、気温が10℃以下の尾瀬でのトレッキング。時折冷たい風が吹く環境の中で着用しましたが、風が通る感覚はほとんどなし。ウェア自体に保温性はほぼないためインナーの防寒着は必須ですが、冷たい風をシャットアウトし、体をしっかり保温してくれました。

もちろん、ゴアテックス®ファブリクスのように生地にメンブレン(膜)を貼り合わせているわけではないため、流石にゴアテックス®ファブリクスの防風性には劣りますが、インナーの保温力を調整することで十分山でも使える性能です。

良かった点②:動きやすく、ごわつきのない素材感

着用中写真

撮影:筆者

実際にフィールドで使ってみても、突っ張り感はほとんどなし。ストレッチ性はありませんが、裁断が工夫されており、かつ身幅に余裕があるシルエットのため動きを妨げないようです。

また生地のシャカシャカ感も少なく、こすれる音がストレスになることもないのは個人的にも嬉しいポイントでした。

良かった点③:多少の雨なら傘不要な撥水性

撥水している様子

撮影:筆者

テスト中には雨が少しパラつきましたが、自慢の撥水性をしっかり発揮。内部に染み込むことなく雨を弾いてくれるため、レインウェアに着替える必要もありませんでした。これは天気の変わりやすい山の中では嬉しいポイントです。

シャワーに当てている画像

撮影:筆者

一方で、本降りになった際はレインウェアが必要です。帰宅後に試しにシャワーにしばらく当ててみましたが、1分たたずに内側まで浸透しました。このジャケットを持って行っても、別でレインウェアの持参が必須と言えます。

良かった点④:ガシガシ着られる耐久性

耐久性チェック

撮影:筆者

耐久性はかなり高め。あえて石で生地を擦ってみましたが、強めに擦っても少しあとが残る程度。破れる様子は一切ありませんでした。この低価格でこの堅牢さなら、ハードな環境でも臆せず使えると感じました。

良かった点⑤:山でも使いやすいディテール

ファスナーチェック

撮影:筆者

両サイドにジップのポケットが2つと、内側にスマホや地図も入れられるポケットを搭載。大きめで収納力があるため、利便性も問題なしでした。

腕まくり画像

撮影:筆者

袖口には面ファスナーで絞ることもでき、暑くなった時の体温調整も可能。

気になった①:汗抜けがやや弱い

一番気になったのが、汗抜けが弱く一度濡れると乾きにくいというポイント。3時間ほど登攀をするとウェア内が蒸れ、背中を中心にびっしょり汗をかきました。

ジャケット内側写真

撮影:筆者

内側のナイロン生地の汗抜けがあまりよくないため汗が戻り、体を濡らしていたようです。停滞時には汗冷えも感じました。

もちろんどんなウェアでも汗濡れはありますが、他のアウトドアブランドの防風シェルと比較しても濡れやすい印象です。

前を開けて歩いている様子

撮影:筆者

ウェアの前を開けたり腕をまくるなど、多少の調整は可能ですが、汗をたっぷりかく登山の行動着としては相性が△。ウィンドシェルとしての使い方や、汗をあまりかかないトレッキングの方が快適に使うことができました。

気になった②:防風シェルとしてはかさばるサイズ感

撮影:筆者

防風シェルは軽量でコンパクトなものが多い中、SOLVICは生地が2重なこともありややボリューミー。手持ちのハードシェルと同じくらいかさばりました。

しかもSOLVICは防水性能がないため、本格的な登山で使うならレインウェアを別で持っていく必要がありますが、私のようにゴアテックスのハードシェルを防風兼レインウェアとして使っている人の場合だと、ボリューム感のあるウェアを2つ持っていく必要も出てきてしまいます。

また、重さも440gと一般的なハードシェルとほとんど同じくらいの重さ。着用中に重たいと感じることはありませんでしたが、ザックに入れるとなると重量が増えるためややためらいます

そのため荷物をできる限り減らしたい宿泊登山や、縦走登山にはやや不向き。荷物がある程度増えても大丈夫な日帰り登山や、レインウェアを持ち歩かなくても良い近場のちょっとしたトレッキングの方が適しています。

ハイキング・日常使いで活躍してくれる高コスパジャケット

撮影:筆者

以上、フィールドでのレビューを通じてわかった、「SOLVIC 撥水防風ジャケット フード付き」の“おすすめの使い方”と“おすすめしない使い方”をまとめてみます。

おすすめの使い方

運動量が少なく、汗もあまりかかないハイキングや登山での行動着
・トレッキングや稜線登山での防風ウェア
・防風ウェアとしてのタウンユース

おすすめしない使い方

運動強度が高く、汗をたくさんかく登山
・荷物をコンパクトにしたい登山、長期縦走

防風性能が高く、生地もしっかりしているため、ちょっとしたハイキングや普段の街着として長く使えるアイテムです。山の上でも、暑いときはぬぎ、稜線に出たときに羽織るウィンドシェルとして活躍してくれます(ただ荷物が増えやすいことは注意)。一着持っているとたくさんのシーンで活躍してくれる高コスパジャケットと言えるでしょう。

一方でレインウェアとして使えない以上、宿泊を伴う本格的な登山ではやや使い道に悩みます。汗抜けもあまり良くないため、強度の高い登山では透湿性・防水性ともに高いゴアテックスなどのウェアを持っていったほうが安心感は高そうです。

SOLVICを上手に使いこなしてお財布にもやさしい登山を!

着用中写真

撮影:筆者

気になるポイントはありつつも、使い方と条件次第で山でも十分使える性能であることがわかったSOLVICのジャケット。なにより2,000円台という価格でアウトドア対応のジャケットを開発したコメリはさすがという他ありません。

山でも日常でも使えるため、ちょっとしたハイキングに出掛けるときや低山での日帰り登山に誘われたときなど、これから登山を始める人の選択肢のひとつになり得るのではないでしょうか。

2024年10月現在、「撥水ウィンドシェルパーカー(2,980円)」や「UPF50+パッカブルパーカー(1,980円)」、「ストレッチクライミングパンツ(1,980円)」などもラインナップしているよう。今後の展開にも注目です。

今回レビューしたジャケットはこちら

SOLVIC(ソルビック) 撥水防風ジャケット

[価格]2,480円(税込)
[素材]表地:ナイロン100%, 裏地:ポリエステル100%
[重量]約400g
[サイズ]M, L, LL, 3L
[カラー]サンドベージュ、チャコール、カーキ