雪山入門|初めての雪山でパンツは何をはけばいい? 基本のレイヤリングをプロが解説!
とにかく寒い雪山でボトムスは何をはけばいい? 夏山で使っているパンツやレインパンツではダメなの? アウターパンツは絶対必要? 話を聞くと、どうやらそうでもないらしい……。北八ヶ岳・北横岳でのデビューを想定して、雪山ではくボトムスの選び方を山道具のプロに教えてもらいました。
2022/12/11 更新
編集者
YAMA HACK編集部
月間350万人が訪れる日本最大級の登山メディア『YAMA HACK』の運営&記事編集担当。山や登山に関する幅広い情報(登山用品、山の情報、山ごはん、登山知識、最新ニュースなど)を専門家や読者の皆さんと協力しながら日々発信しています。
登山者が「安全に」「自分らしく」山や自然を楽しむサポートをするため、登山、トレイルランニング、ボルダリングなどさまざまなアクティビティに挑戦しています。
YAMA HACK編集部のプロフィール
制作者
山岳ライター
吉澤英晃
群馬県出身。大学時代に所属した探検部で登山を開始。以降、沢登り、クライミング、雪山、アイスクライミング、山スキーなど、オールジャンルで山を楽しむ。登山用品の営業職を経て、現在はフリーの編集・ライターとして活動中。
吉澤英晃のプロフィール
アイキャッチ画像撮影:筆者
雪山ではくボトムスを基本から学ぼう!

出典:PIXTA
白い世界が広がる雪山は、厳しさの中に美しさがある神秘的な世界。雪山に登るには夏山とは違う装備が必要であり、ジャケットやパンツひとつをとっても、相応のモデルを選ばなければなりません。
そうは言っても、経験したこともない極寒の山。「一体どんなウェアを選んだらいいの?」と悩んでしまう人が多いはず。
道具選びのプロに聞いてみよう!

撮影:筆者(石井スポーツ登山本店店長、金井賢介さん)
悩んだときは専門店の店員に教えてもらうのがいちばん。今回は、雪山装備の中でも選び方やレイヤリングが難しいボトムスについて、「石井スポーツ登山本店」の店長、金井さんに話を聞いてきました!
レイヤリングはどうすればいい? 基本スタイルをチェック!

出典:PIXTA(冬の北横岳)
今回は、初心者でも計画しやすい北八ヶ岳にある北横岳に行く想定で話を聞かせてください。
北横岳はロープウェイでアクセスできる雪山初心者に人気の山ですね。
まず、基本のレイヤリングを知りたいのですが、雪山登山のボトムスって何をはいたらいいんですか?

撮影:筆者(左からタイツ、トレッキングパンツ、アウターパンツ)
北横岳の想定で話をすると、もし3シーズン用のトレッキングパンツで行くなら、それだけだと寒いので保温のためにタイツを合わせて、雪でパンツが濡れるのを防ぐアウターパンツを重ねます。
雪山のボトムスは行動中に脱ぎはきができないので、寒くならないようにしっかり準備しておくことが大切です。
なるほど。ただし、3シーズン用のトレッキングパンツには生地が薄いモデルもありますよね。どれを選んでもいいのでしょうか。詳しく教えてください!
トレッキングパンツの基本は“裏がパイル状になった中厚手以上”

撮影:筆者
早速トレッキングパンツ売り場にやって来ましたが、商品がずら~っと並んでいて、どれが雪山に適しているのか見当がつきません……。
明確に線引きできるものではないですが、裏地を見るとある程度判断できます。「表生地と同じ風合い」「パイル状になっている」「起毛している」。これらの中でどれに該当するかチェックしましょう。
裏地が表生地と同じ風合いのモデルは夏山用、起毛しているモデルは雪山用というのは分かったのですが、パイル状になっているモデルはどっちに区分されますか?
裏地がパイル状になっているモデルの中でも、
生地に厚みがある中厚手以上のモデルなら、タイツと組み合わせれば雪山でも使えます。
“中厚手以上”というのは言葉で説明しづらいので、これについてはお店の人に聞いて教えてもらうのがいいですね。
「裏地がパイル状になっている中厚手以上のパンツ+タイツ」と「裏地が起毛しているパンツ単体」なら、どっちがおすすめでしょうか?
生地が肌に密着している方が温かいので、どちらかというと雪山での基本のスタイルは「裏地がパイル状になっている中厚手以上のパンツ+タイツ」の組み合わせになります。
タイツは中厚手をチョイス!

撮影:筆者