クマ被害、もう他人事じゃない。“正しく怖がる”ための新刊が登場
登山道のクマ出没情報を見て、「最近多いな……」と感じている人も多いのではないでしょうか。
実際、近年は山間部だけでなく、人里や市街地近郊でもクマの目撃例が増加。登山やキャンプ、渓流釣りを楽しむ人にとって、クマとの距離感は以前よりずっと近くなっています。
そんな今だからこそ気になるのが、2026年5月29日に発売される新刊『さまようクマ、変わる森 正しく怖がるための新しい教科書』(昭文社)です。

感情論や俗説ではなく、データや現場の知見をもとに“正しく怖がる”ための知識を整理した一冊。監修は、ツキノワグマ研究の第一人者として知られる東京農工大学大学院教授・小池伸介氏が務めています。
なぜ今、日本中でクマ問題が深刻化しているのか
本書が他のクマ関連本と一線を画しているのは、クマ問題を単なる“危険動物の話”として扱っていない点です。
背景にあるのは、過疎化や里山の荒廃、人間活動の変化など、日本社会そのものの構造変化。人と自然の境界線が曖昧になったことで、クマの行動圏にも変化が起きているといいます。
特に近年注目されているのが、人を恐れにくい「アーバンベア」の存在。なぜクマが街へ近づくのか、なぜ被害が増えているのかを、グラフや実例を交えながら整理しています。
ニュースで断片的に見るだけでは分かりにくかった背景が、かなり立体的に見えてくる内容です。
“なんとなく怖い”を卒業。登山者が知っておきたい現実的な対策
クマ対策というと、「熊鈴を鳴らす」「死んだふりをする」など、昔からのイメージを思い浮かべる人も多いはず。ただ、本書ではそうした曖昧な情報を一度整理し、本当に必要な行動を実践目線で解説しています
巻末には「実践 自分でできるクマ対策NOTE」を収録。遭遇を防ぐための考え方はもちろん、万が一出会ってしまった場合の対応、防御姿勢、クマ撃退スプレーの使い方まで、イラスト付きで分かりやすく紹介されています。
“駆除か保護か”だけではない、共存を考える視点
本書では、クマを一方的な“敵”として描いていない点も印象的です。
海外の共存モデルや、日本各地の自治体による最新事例も紹介されており、ドローンやAIを活用した監視システム、ベアドッグによる学習放獣など、現場レベルでの取り組みも掲載されています。
「危険だから排除する」という単純な話ではなく、これからの日本でどう共存していくべきかまで踏み込んでいるため、自然との関わり方そのものを考えさせられます。
アウトドア好きなら、一度は読んでおきたい“現代の教科書”

クマとの遭遇リスクは、もはや一部地域だけの話ではありません。だからこそ、“怖い”で終わらせるのではなく、正しい知識を持つことが重要になっています。
『さまようクマ、変わる森 正しく怖がるための新しい教科書』は、単なる危険対策本ではなく、クマ問題の背景から現場のリアル、そして未来の共存までを整理した一冊。登山やキャンプを楽しむ人にとって、知識のアップデートとして手に取りたくなる内容です。
昭文社 さまようクマ、変わる森 正しく怖がるための新しい教科書
目次
Chapter 1 なぜ日本はクマに揺れているのか?
- 数字で見るクマの脅威/2025年度のクマによる死亡者発生事件簿/農業・林業・畜産業被害の実態/激増する捕獲数と捕殺数 ほか

Chapter 2 パワー・一生・習性・冬眠するワケ……クマのことが知りたい
- ヒグマとツキノワグマの特徴/身体能力ポテンシャル(体格・視覚・腕力・知力)/クマの一生と1年 /冬眠のメカニズム/クマの食べ物 ほか

Chapter 3 日本におけるクマと人の歴史
- アイヌ民族とクマ/マタギとクマ/語り継がれるクマ被害(三毛別羆事件など)/保護と管理の歴史 ほか

Chapter 4 クマはなぜ森を出るのか?
- ドングリの豊凶と行動変化/進行する里地里山の荒廃/アーバンベアの出現 ◆レポート:マタギという生き方 ほか

Chapter 5 人とクマの攻防最前線―被害と対策のリアル
- 緊急銃猟の実施状況/自衛隊派遣の実績/情報発信の現実/自治体による対策事例(知床、札幌、富山、兵庫、長野など)/レポート:ベアドッグを活用した軽井沢の挑戦

Chapter 6 人とクマの共存への提言
- 欧米の対策事例/科学的ゾーニング管理の導入/専門家の育成と配置/撃つ」ことへの合意形成/クマ被害対策ロードマップ ほか

巻末保存版:実践 自分でできるクマ対策NOTE
- 出会わないための防衛策/出会ってしまったら/防御姿勢/コミュニティで取り組む対策/クマ対策クイズ ほか



