雪山で試してわかった「得意な場所」と「苦手な場所」

それでは実際にYaktrax PROを装着して雪山を歩いてみましょう。今回は比較検証するために、左足にYaktrax PRO、右足に一般的なチェーンスパイクを装着しました。
装着はわずか10秒
撮影:鷲尾 太輔(Yaktrax PROの装着方法)
Yaktrax PROの装着方法は一般的なチェーンスパイク同様で簡単&スピーディー!
- 先端のゴムパーツをつま先に合わせる
- 全体を後に引っ張り後端のゴムパーツをかかとに固定する
- ゴムバンドが靴をバランスよくカバーするよう調整する
- 付属のベルクロストラップで足の甲を固定する
ことで靴へ装着可能です。④のベルクロストラップはYaktraxのアイテムの中でもPROなど一部の上位モデルに装備されているもので、激しい動きでもズレない安心感があります。
平坦な路面は得意

今回検証したフィールドは、標高2240mの北八ヶ岳・坪庭。溶岩台地の中に散策路が延びており、冬は周囲の木々が白銀の樹氷に包まれるる絶景ポイントです。ただし検証当日は気温が高く、樹木から氷は消えてしまい、足元もところどころ岩が露出している状況でした。

こうした路面ではYaktrax PROが断然快適でした。岩や写真のようなコンクリートなど雪以外の固いモノを踏んでもチェーンスパイクのようなショックがなく、ストレスフリーに歩くことができたのです。
急傾斜は苦手

続いて、写真のような急傾斜の登山道を歩いてみました。多くの登山者が通過した後だったので、路面はしっかりと踏み固められた状態です。
撮影:鷲尾 太輔(登りでの比較)
まずは斜面を登っていきます。映像の通りチェーンスパイクを装着した右足は雪面をとらえて動かないのに対して、Yaktrax PROを装着した左足は接地しても後ろに流されてしまいます。
撮影:鷲尾 太輔(下りでの比較)
下りではその差がより顕著になりました。チェーンスパイクを装着した右足にしっかり体重をかけておかないと、Yaktrax PROを装着した左足はほとんど雪面をつかまずに流れていってしまい、転倒しそうになりました。

こうした無理な歩行を続けているうちに、ゴムパーツがつま先から大きくズレてしまいました。Yaktrax PROは、急傾斜の登山道は苦手という検証結果となりました。
チェーンスパイクとどっちがいいの?

それではYaktrax PROのさらなるメリットを考察しつつ、チェーンスパイクと比べてどのようなシーンに適しているかを紹介します。
圧倒的な軽量・コンパクトさ

Yaktrax PROはMサイズで片足約80gと超軽量です。ケースは付属していませんが、二つ折りにすればジャケットのポケットにも収納可能というコンパクトさが大きな魅力です。
トレイルの保全に適した構造

積雪が少ない状況では、岩だけでなく木道・木製階段・木の根などがトレイル上に露出している場合もあります。「爪」を刺すアイゼンと違って、Yaktrax PROの「コイル」はこれらを踏んでも傷めにくい構造。トレイルの保全という観点からしても、大きなメリットがあります。
Yaktrax PROがおすすめのシーンとは

傾斜のある雪面には弱いものの、雪以外の路面でも歩きやすいYaktrax PRO。部分的に降雪・凍結した箇所がある冬の低山、本格的な雪山へ向かうアプローチの林道、そして雪国での観光などに適しているといえるでしょう。
一方のチェーンスパイクは、ルート全体が積雪しているしっかりとした雪山登山に適しています。ただしより斜面の傾斜が急になったり、雪面が硬く凍結している場合などは、より爪が長い軽アイゼンや多本爪アイゼンが必要な場合もあります。
常識を疑うことで見つかる「快適な足元」

滑り止めといえば「爪」という従来の概念にとらわれないことで出会ったアイテムがYaktrax PRO。
登山だけでなく、冬のハイキングやキャンプ、雪国での日常生活の歩行までをも劇的に安全・快適にしてくれる隠れた名品でした。
Yaktrax Yaktrax PRO




