山でも歩きやすい登山靴の特徴とは?
登山靴とひと口に言っても種類がたくさんあり、どれを選べば良いか分かりませんよね。普通の靴とはどう違うのでしょうか。まず、山でも歩きやすい登山靴の特徴を見ていきましょう。
①ソールが固い
登山靴はスニーカーに比べてソールが固くできています。足が疲れる原因は、歩行の際、足の屈曲(曲がること)によって疲労が蓄積されること。スニーカーのようにソールが柔らかいと屈曲しやすく、長時間歩く登山では不向きです。そのため、登山靴では固いソールによって足の屈曲を抑え、疲労を軽減。また、不安定な路面環境でも足裏に負担が掛からないようになっています。
②カットが3タイプ
登山靴には、「ローカット」、「ミドルカット」、「ハイカット」と大きく分けて3つのタイプがあります。初めて買う登山靴はローカットかミドルカットのタイプが歩きやすくおすすめです。ローカットもミドルカットもそれぞれ適したシーンがあるので、以下の特徴を踏まえて選びましょう。
【ローカット】
・スニーカーと変わらない履き心地で初心者でも歩きやすい
・足首は保護されないので、岩場など整備されていない登山道には不向き
→ハイキング、低山登山など比較的整備された道を歩く登山をする方におすすめ
【ミドルカット】
・足首をしっかり固定してくれるので、捻挫などの怪我が防げ、整備されていない道でも歩きやすい
・重く、足首が固定された状態で歩くので慣れが必要
→富士山など高い山にも登る予定がある方におすすめ
知っておくと役立つ知識
登山靴によく登場する次の2つの機能性について知っておくと、選ぶ際に役立ちますよ。
【ゴアテックス】
外からの水分は通さず、内側の水蒸気は外へ排出することができる機能性を持った素材です。雨天などにも対応できる防水性を発揮するとともに、行動時にかく汗を効果的に外へ排出でき、快適な履き心地を感じられます。
▼ゴアテックスって何?
【ビブラムソール】
イタリアのビブラム(Vibram)社が製造しているソール(地面に直接触れる靴裏)で、グリップ力と耐久性の高さに定評があります。優れたグリップ力を備えているので、凸凹した路面や斜面、濡れた岩場といった悪路でも滑りにくいのが特徴です。
▼ビブラムソールって何?
ミドルカットのおすすめ7モデル
まずはミドルカットのおすすめモデルを紹介します。ミドルカットの登山靴は足首までしっかり守ってくれ、長時間の歩行に適しているため、次の項目に当てはまる人におすすめです。
・富士山に登る予定がある
・登山を続けて、いずれは高い山にも挑戦したい
キャラバン C 1_02S
日本の老舗登山靴メーカー、キャラバン。日本人の足型に合わせて作られているため、幅広・甲高な足にもぴったりフィットします。海外メーカーの靴が合わなかったという人にも最適です。C 1_02Sはキャラバンの代表的なモデルで、低山への日帰り登山はもちろん、富士山や屋久島トレッキングにも対応。ゴアテックス使用の優れた防水性が期待できるのに、お手頃価格で手に入るのも嬉しいですね。
グランドキング GK83
グランドキングは、高山登山・テント泊・縦走など本格的な次のステップへと向かう登山経験者を想定したシリーズで、キャラバンが展開するブランドです。GK83は小屋泊などライトトレッキングに向いており、ビブラム(R)TSAVO採用のしっかりしたソールでガレ場の歩きも安定。C 1_02S同様にゴアテックスを使用しており、安心の防水性が備わっています。
シリオ P.F.430
革靴作りの本場イタリアで設計や生産を行っている日本の登山靴専門ブランドです。日本人の足型に合いやすいモデルを作っており、P.F.430はハイキングや低山登山はもちろん、ビブラムのアウトソールとしっかりしたミッドソールによって八ヶ岳やアルプスなどの高山までOK。ゴアテックスで防水性もばっちりです。本格トレッキングシューズでも軽いものを探している人に最適です。
シリオ P.F.430
ワイズ:3E+
(※女性向け「P.F.430 3E+レディースラスト」というモデルもあり)
重量:590g
カラー展開:全1色
スカルパ キネシス MF GTX
イタリアの老舗ブランド、スカルパ。職人気質で品質の高い物づくりを続けていることで定評があります。アッパーは軽量な人工皮革が使われ、ゴアテックス採用で防水性にも優れています。ソールはビブラムソールによって高グリップ力が発揮され、ライトトレッキング全般で大活躍。幅広・甲高な人も履きやすいサイズ感も魅力です。長時間歩行でも足が痛くならないとの声が多い一足です。
モンベル タイオガブーツ
登山者以外にも広く知られ、入門者にやさしい日本のアウトドアメーカー、モンベル。ゴアテックスとモンベル独自のソール「トレールグリッパー」によって、どんな天候の山道でもしっかり対応。濡れた岩肌を進む場合も高グリップ力で安全な歩行が可能です。履き口の甲部分(タン)が薄いため、履き口のフィット性も優れています。主に、低山登山や小屋泊登山、夏の富士登山に適し、お手頃価格で機能性が充実しているので最初の一足に◎。
サイズ展開:24.0cm~29.0cm
ワイズ:-
重量:563g
カラー展開:全2色
モンベル タイオガブーツ
ノースフェイス クレストンミッドGORE-TEX
高機能な上に洗練されたデザインのものを世に送り出し、アウトドアだけでなく街使いする人も多い人気ブランド、ノースフェイス。当モデルは軽量性に優れますが、重い荷物を背負っても安定性のある歩行が可能な足裏の剛性がポイント。防水面はゴアテックスを採用し、アウトソールはビブラムソールの採用で高グリップ力が発揮されます。日本人の足型に合わせたラストも使われているため、足幅の広い人にもGOOD。
メレル モアブ 2 ミッド ゴアテックス
長時間履いても疲れないことに定評のあるメレルのモアブ。メレル独自の衝撃吸収に優れたインソール技術エアクッションによって、快適な履き心地が長時間持続するため、ロングトレイルに挑戦したい人にもおすすめです。完全防水のゴアテックスと、しっかりしたグリップ力のビブラムソールをどちらも採用し、機能性も抜群。お値段もリーズナブルなのが魅力です。
ローカットのおすすめ7モデル
続いて、ローカットモデルを紹介します。ローカットモデルは、スニーカーとあまり変わらない履き心地というところがポイント。そのため、次のように考えている人におすすめです。
・ハイキングから始めたい
・日帰りで3~4時間程度の登山しか行かない
キャラバン C7_03
キャラバンのローカットモデルで、ハイキングに最適。スニーカー感覚のやわらかな履き心地が特徴的で、C 1_02S同様ゴアテックス使用の優れた防水性を備えています。履き口に足首を安定させるためのパッドが入っており、歩きやすくなっているのが特徴的。街履きもできるスニーカーライクなデザインも魅力です。
シリオ P.F.116
ゴアテックスエクステンデッドを採用、防水性はもちろん、暖かい季節の長時間歩行でも優れた透湿性を発揮し、快適さが持続。また、ソールにはビブラム社と共同開発のシリオ・ビブラム(R)USAGIソールが採用され、ライトハイキングに最適なクッション性と安定性を備えた一足。里山歩きや低山ハイクを軽快に行うことができます。足幅の広い人にも適したワイズも魅力ですね。
スカルパ サイラスGTX
ワイドなラスト(型)によってゆったりした履き心地が実感でき、幅広の足の人にも最適。アッパーには上質なヌバックが使用され、見た目においても洗練されています。ゴアテックスが使用され、防水性もGOOD。ソールはビブラムソールで、グリップ力もしっかりしています。
メレル カメレオン 7 ゴアテックス
2001年の登場以来、ハイキングやフェスなどで愛用する人が多い人気のシリーズ。これまでに何度もモデルチェンジを行い進化し続けてきたシューズで、当モデルは400g台と軽いのが特徴的。軽さを追求しつつも、メレル独自のアウトソール「FLEXPLATE」によって硬度があるので、軽いのに安定感があります。TPU素材のプレートで爪先から踵まで覆っているので、ねじれにも優れた耐性あり。ゴアテックスによる防水性やビブラムソールのグリップ力も備える、高機能ハイキングシューズです。
モンベル ラップランドストライダー
ゴアテックス採用で防水性に優れ、高グリップ力を発揮するモンベル独自のソール「トレールグリッパー」も採用したローカットモデル。土踏まずのアーチに対してのサポート性があり、長時間の歩行でも疲れにくい履き心地なのが特徴的。300g台と軽量性に優れている点も見逃せません。低山ハイクやキャンプ、ウォーキングなどに最適な一足です。
ワイズ:-
重量:378g
カラー展開:全2色
コロンビア セイバー3ロウオムニテック
アメリカ生まれのアウトドアウェアブランド、コロンビア。デザインや色使いがおしゃれなシューズが特徴的。当モデルにはコロンビア独自の防水素材「オムニテック」が採用され、ゴアテックスモデル同様にしっかりとした防水性を発揮。アッパーは通気性の良いメッシュ素材で、長時間履いても蒸れにくい仕様です。優れたクッション性のミッドソール「テックライト」に、グリップ力のあるアウトソール「オムニグリップ」と、全てコロンビア独自の技術が使われている一足です。靴幅は小さ目なのでワンサイズ上がおすすめ。
ノースフェイス エンデュラスハイクGORE-TEX
横ブレを防いで安定感を高めた造りにより、長時間の歩行にもしっかり対応。ロングトレイル用を探している人にぴったりな一足。また、300g台の軽量性により、ファストパッキングスタイルを好む人にも最適です。ライニングには速乾性の高いフラッシュドライ(TM)とゴアテックスを採用しているので、防水のほかシューズ内の温度上昇も防いでくれます。ソールはビブラムなのでグリップ力もばっちり。
スニーカーと違う!試着のポイントを抑えよう
登山靴を選ぶ際は試着を必ず行いましょう。自分の足に合わない登山靴は足を痛めてしまいます。ここでは、登山靴の試着の方法について見ていきましょう。
試着の仕方
①靴に足を入れ、つま先をトントンしてつま先を靴の先端に合わせます。
②軽く膝を曲げ、かかとに指1本分ほどの余裕があるか確認します。(ない場合はワンサイズ大きくしましょう)
③次はかかとをトントンしてかかとを合わせ、靴ひもをしっかりと結びます。
④その状態で店内を歩き回り(店によっては登山道のようなデコボコ道で試せる場所もあります)違和感、痛みがないか確認します。
▼登山靴のサイズの選び方をチェック
靴下も登山用のものを!
登山靴と合わせて用意したいのが登山用靴下です。登山用靴下はクッション性が高く、登山靴とのフィット感も高めてくれます。また、汗処理にも優れているため、普段履きの一般的な靴下よりも快適さが大きく違ってくるからです。
キャラバン RLドラロン マダラックス
右足と左足それぞれ専用に設計されているため高いフィット感が得られる一足です。また、ドラロンとよばれる吸汗速乾性と抗菌防臭性に優れた繊維を使っているため、長時間の着用でも履き心地が快適。足首から履き口にかけてはパイル編みの二重構造なので、シューズの履き口への当たりを和らげてくれます。
ノースフェイス トレッキング ミッドウエイト クルー
ウールと化繊の混紡繊維で作られたやや厚めのソックスで、吸汗速乾性に優れています。繊維には、においの原因菌の繁殖を抑えるポリジン加工が施され、臭いが気になりにくい仕上がり。土踏まずのアーチ部分にはしっかりしたサポート機能が付いて、長時間の歩行でも疲れにくい一足に。
モンベル WIC.トレッキングソックス
独自の繊維ウィックロンが使用され、コットンのような肌触りの良さと優れた吸汗速乾性を併せ持った一足になっています。生地は厚手で、ユニセックスモデルのMとLサイズは幅広の足に向いたつくりを、ユニセックスモデルSサイズとレディースモデルは幅が細めにつくられています。
サイズ:S、M、L、XL
カラー展開:全6色
モンベル WIC.トレッキングソックス
▼登山用の靴下をさらに調べる
どんな登山がしたいかを考えて、最初の登山靴を選んでみよう!
登山靴には種類がたくさんありますが、初心者におすすめなのは今回紹介した「ミドルカット」と「ローカット」タイプのものです。どちらが良いかは登山スタイルによって変わってくるので、まずはどの山に登りたいかから考えてみてはいかがでしょうか。紹介したモデルを参考に、最適な一足を見つけてください。購入前には試着をすることを忘れずに!