アイキャッチ画像撮影:筆者
登山で忘れがちな荷物の防水・防臭対策

登山での防水対策と言えばレインウェアやザックカバーが定番ですね。しかし、雨に濡れたレインウェアやテントからの漏水や、水に濡らしたくない衣類や精密機器の個々の防水対策は忘れがちです。
不測の事態に備えてしっかりと防水対策をしておかないと、必要な時に使えないという悲惨なことになることも。実際に筆者はバックパックを背負ったまま沢に落ちた際、中の荷物が濡れて後で大変でした。
防臭対策はもっと忘れがち……

防臭対策となると、もっと忘れがちです。
登山でニオイが出る荷物の例
- 山ゴハンの材料
- 食品のパッケージやゴミ
- 使用後の食器
- 着替えた衣類
などなど、登山シーンによっては、他にもいろいろ発生します。
バックパックの中にニオイが充満するのは嫌ですよね。また、食品やゴミなどを防臭対策しないまま放置すると、クマをはじめとする動物をおびき寄せることにもなり危険。
防水も防臭も、しっかりと対策しておきたいポイントです。
登山で使うなら丈夫で信頼性が高いものを

荷物の防水・防臭対策を考えた場合、台所用品のチャック付きポリ袋を思いつきます。しかし、バックパックの中で荷物同士が擦れ合うような場面では、素材の耐久性が高いものが必要です。
台所用品として売っているものは、安価で手軽ですが、中には耐久性があまり考えられていないものも。また、水漏れには強くても防臭機能までは備わっていないものもあります。
登山で使うなら、防水・防臭性能があり、アウトドアでの使用を考慮した、頑丈で信頼性が高いものが安心です。
アメリカ軍も使ってる!?「OPSAK」を試してみた

そこで、登山で安心して使えそうな防水・防臭対策グッズを探したところ、LOKSAKの「OPSAK」がかなり丈夫そう。特に「内容物の臭いを完全に閉じ込める」 「IPX8(※)」 「アメリカの軍隊で利用」という表示が気になって試してみました。
※IPX8
国際規格で定められた防水性能の等級(IPX0~8)。IPX8はある程度の継続的な水没に耐えるとされている。

OPSAK(OPサック)は、アメリカ発の防水・防臭ケースブランド・LOKSAK(ロックサック)が開発。OPは“Odor Proof”、つまり防臭性があることを表していて、内容物のニオイを完全に閉じ込めることができます。さらに水・湿気・砂・ホコリからも内容物を守れる、繰り返し使えるアウトドア用密閉袋です。
ラインナップは以下の通り。

今回は一番使い勝手が良さそうなSサイズを使いました。
水もニオイも漏れる気がしない丈夫な見た目

触った感じや見た目からも丈夫さを感じます。
素材は0.13mmの厚みがあるポリエチレン。手を入れてみると素材の厚みを感じます。ちなみに、一般的なチャック付きポリ袋は0.04〜0.07mm程度なので2〜3倍近い厚さ。表面は滑らかで、その点でも摩擦は少なそうな感じです。
また、ポリ袋にありがちなシャカシャカ音は少なく、山小屋での出し入れもあまり気にしなくて済みそうです。

ハーメティック(密封)シールのダブルジッパーでしっかり密閉。サイドシールは4〜5mm程度の幅があるので密閉性が高く、簡単にはパンクしない安心感があります。

全体的に丈夫なのが見た目からわかります。水やニオイはもちろん、湿気も完全にシャットアウトするという商品説明も、うなずけます。水を入れて逆さにして振ってみましたが問題なし。

素材のもうひとつの特徴が「ストレッチ性」。引っ張った感じではわかりませんでしたが、角があるようなモノを入れても裂けにくいということのようです。
ニオイは本当に漏れない?
ニオイの漏れは本当にないのか?できる限り検証してみました。
カレーで実験

ニオイといえばカレー。山ゴハンの定番でもあるカレーですが、パッケージや食器、食器についたカレーを拭いたペーパーなどをそのままバックパックに入れるとカレーのニオイが充満。OSPAKにカレーを入れてニオイを嗅いでみました。
全然ニオイません。これならカレー臭いバックパックにならずに済みそうです。
ネコも気づかない!防臭効果は間違いなさそう
カレーでニオイがしなかったとしても、所詮は人間の嗅覚。動物の嗅覚にはとても及びません。クマで実験することはできないので、うちの動物に登場してもらいました。

クマっぽいネコ(♀6歳)です。ご多分に漏れず「ちゅ〜る」には目がありません。
ネコの嗅覚は人間より数万〜数十万倍も優れていると言われていますが、果たしてOPSAKに入れたちゅ〜るのニオイに気づけるのでしょうか。

屋外でちゅ〜るをOPSAKに入れ、密封して屋内に搬入。早速、ネコをそばに置いたところ……。

ちょっとクンクンしただけであっちへ行ってしまいました。ニオイがしたらなんとか食べようとしたはずなので、実験は大成功ですね。
※ネコには初めて見るもののニオイを嗅ごうとする習性があります。

OPSAKから取り出したら、ちゅ〜るにまっしぐら。ペロリと平らげました。
ネコにニオイがわからなかったので、クマもわからないとは限りませんが、かなりの防臭効果は期待できそうです。
熱湯でインスタントラーメンも作れる

OPSAKはフリーズドライ食品を入れたまま熱湯で戻すことも可能。ということで、今回はチキン味ミニラーメンを熱湯で作ってみました。

封をして3分。普通にできました。自重で自立しています。しかし、マチが無いので安定性が悪く、倒れないように気をつける必要があります。食べるときは食器などに入れたほうが良さそうです。
なお、OPSAKはBPA(※)フリーで、アメリカ食品医療局(FDA)とアメリカ国立科学財団(NSF)の承認済み。食品にも安心して使用できます。
※BPA
BPAとはビスフェノールAという化学物質のこと。プラスチックの容器から溶け出すことで、環境ホルモンとして人体への影響が懸念されている。OPSAKはBPAを含みません。

スープで汚れたので中性洗剤とスポンジで洗浄。簡単にきれいになりました。
災害対策に!大切なものの保管に便利

大雨や台風などの水害で、大切な書類や写真などが水や泥にまみれたら復旧は困難です。OPSAKは頑丈かつ60m防水なので、万が一の浸水などの水害対策にも安心して使えます。

湿気もシャットアウトするので、カビが大敵のカメラやレンズなどの保管にもおすすめです。
水もニオイもブロック!OPSAKで安心登山

今回、いろいろ試してみて、バックパックの中の荷物の防水・防臭はもちろん、動物対策にも使えそうなことがわかりました。使用後の携帯トイレ入れにも良さそうです。
ひとつだけ、気になるのは値段がちょっと高いこと。今回使用したOPSAKのSサイズは1枚換算で税込み880円なので、購入には少しためらいます。
しかし、登山者の食料やゴミがクマをおびき寄せている現状、OPSAKを使えば少しでも不幸な遭遇を避けることができるかもしれません。人間の食料の味をクマに覚えさせないために、防臭対策は山に入る人間のマナーとも言えます。
また、何度も使える上に完全に防水されている安心感は、値段には代え難いものです。OPSAKで防水・防臭対策しておけば、安心して登山できますよ!
LOKSAK OPSAK 防臭バッグ XSサイズ
素材 | ポリエチレン |
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サイズ | 外寸:197×179mm、内寸:166×171mm |
LOKSAK OPSAK 防臭バッグ Sサイズ
素材 | ポリエチレン |
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サイズ | 外寸:271×231mm、内寸:245×223mm |
LOKSAK OPSAK 防臭バッグ Mサイズ
素材 | ポリエチレン |
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サイズ | 外寸:530×313mm、内寸:493×305mm |
LOKSAK OPSAK 防臭バッグ Lサイズ
素材 | ポリエチレン |
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サイズ | 外寸:528×700mm、内寸:497×693mm |