【登山靴】 まずは自分の足を知ることから

撮影:YAMA HACK編集部
登山靴は砂利や小石、岩が出てくるような不安定な登山道でも、安全に歩ける機能をもった靴。
足にあった登山靴を選ぶことで、怪我のリスクを減らし、長時間の歩行をサポートしてくれます。
先輩たちの失敗談(登山靴編)

出典:PIXTA
大事な道具の登山靴で失敗はしたくないものですよね。そこで、お客さんから相談されるよくある失敗談を家村さんに聞いてみました。
失敗談①足にあっていない
足にあっていないと、靴の中で足が動いて歩きにくく、靴擦れやマメの原因にもなってしまいます。
街で履くスニーカー感覚でサイズを選ぶと、大きくなりがち。足のサイズの計測や正しい試着をしなかったため、起きる失敗です。
失敗談②非防水モデルで濡れて冷えた
急な雨や朝露、登山道のぬかるみなどで登山靴が不意に濡れることはよくあります。靴が浸水して足が濡れると不快なだけではなく、体まで冷やされて辛くなるばかりです。
失敗談③軽さ重視でサポート力不足
軽くて柔らかい靴や足首を動かしやすいローカットは歩きやすそうで、つい手に取ってしまいがち。
しかし、そういった柔らかい登山靴はしっかりした靴と比べるとサポート力が少なめです。そのため、せっかく軽い靴を選んだのに十分な脚力がないと、不安定な登山道で疲れやすくなってしまいます。
売り場には、ハイキングシューズ、トレッキングシューズ、ライトアルパインブーツ、アプローチシューズとさまざまな種類の登山靴が並んでいて、迷ってしまいます。
はじめての一足を選ぶ場合には、適度なサポート力を持った防水仕様のミドルカットの安定感あるモデルがおすすめ。ですが、自分だけで選ばずに、スタッフと相談しながら選んでいくと失敗は減らせそうです。
正しいサイズを知って、試しに歩いてみよう

撮影:YAMA HACK編集部
それでは、はじめての登山靴選びのポイントをご紹介します。
①自分の足の大きさを知る

撮影:YAMA HACK編集部
まずは、シューズを選ぶ前に自分の足の実寸を計測機械やフットメジャーで、しっかり測ってもらいましょう。そのときに甲の厚みや、足の横幅も見てもらえるので、自分の足の形状を客観的に知ることができます。
ちなみに今回訪れたアルペンフクオカや店舗によっては、写真のような計測器で自分の足の長さや横幅、足裏の圧力のかかり方なども知ることができます。これも店舗に訪れるメリットのひとつですね。
家村さん
楽に履きたい普段のスニーカー感覚で靴のサイズを選ぶと、大きすぎることがあります。靴が大きいと疲れや転倒の原因になるため、自分の足の大きさを確かめるのが大事です。
②はじめての登山靴に安心の機能を確かめる

撮影:YAMA HACK編集部
足入れをする前に、登山靴に必要とされる機能を確かめましょう。手に取って確認することで、選ぶときの基準のひとつになります。
はじめての登山靴に求めたい機能
・ほどよい硬さのソールで安定感と歩きやすさの両立
・足首はミドルカット以上のサポート力
・防水仕様で万一の濡れにも対応
・不安定な登山道でのグリップ力
気になったものは履いて試す

撮影:YAMA HACK編集部
同じサイズでも、甲の高さや幅の広さなども登山靴によって変わります。気になったものは足入れしてフィット感を確かめましょう。
家村さん
手に持ったときの重さより、履いたときの方が軽さを感じられたら、足にフィットした登山靴といえます。
足入れするだけではなく、登山道を真似た坂を試しに登ったり、周辺を歩き回ったりして履き心地を試すと、より自分に合ったものを選べるようになります。
プラスアルファで快適!より歩きやすくなる道具
お気に入りの登山靴が見つかったら、より快適な登山をサポートしてくれる道具もチェックしてみましょう。
クッション性と快適性を高めるソックス

撮影:YAMA HACK編集部
登山用のソックスは、汗をすばやく乾かし、歩行の衝撃を和らげてくれるものもあります。ウール素材のソックスは、ニオイや蒸れなどの不快感も軽減。ソックスひとつで歩きやすさが変わります。
安定感や歩行性をサポートするインソール

撮影:YAMA HACK編集部
土踏まずやかかとなどを支えてくれるインソール(中敷き)も、歩きやすさが変わる道具のひとつ。もっと快適に歩きたいときに試したい道具です。
【バックパック】必ず重りを入れて背負おう

撮影:YAMA HACK編集部
バックパックは、レインウェアや着替え、水、行動食、救急セットなど多くの荷物を入れても楽に背負える道具。登山の動きに合わせてフィット感を高めた設計で、小物の収納に便利なポケットなど収納力も多彩です。
家村さん
グリーンシーズン(4~8月)の日帰り登山だと、容量は20リットルもあれば大丈夫です。秋冬で防寒着などが増える場合は25~30リットルあると安心です。
先輩たちの失敗談(バックパック編)

出典:PIXTA
バックパック選びにも、やはり失敗するケースがあるようです。
失敗談①身体にあっていない
バックパックには、背骨の長さに合わせた背面長というサイズがあります。
背面長が合っていないとバックパックがしっかり身体フィットしにくくなるため、背負いづらく、肩が凝ったり背中が強張ったり、荷物が重く感じたりする原因に。
背面長は商品に付いている下げ札などで、サイズ確認ができます。
失敗談②軽いバックパックだけで試着してしまっている
バックパックに何も入っていない状態で背負っても、実際の荷物を背負った感覚はわかりません。
店頭にある試着用の重りを入れて試しに背負うことで、ショルダーハーネスのクッション性や、ウエストベルトのフィット感がはじめてわかります。
背面長を知ることで正しいフィッティングができます

撮影:YAMA HACK編集部
それでは、バックパック選びのポイントをみていきましょう。
①自分の背面長を知る

撮影:YAMA HACK編集部
まずは、自分の背面長を確認してもらいましょう。お店に背面長を測る道具がある場合は、スタッフに測ってもらうと安心です。自分のサイズにより合ったバックパックを選ぶことが、快適な登山のスタートともいえます。
②気に入ったモデルに重りを入れて背負ってみる

撮影:YAMA HACK編集部
重りが用意されている場合は、スタッフに頼んで想定する登山分の重りを入れてもらい、実際に背負ってみましょう。
家村さん
荷物がない状態で背負っても、登山中の背負い心地はわかりません。ぜひ重りを入れて、本当のフィット感を確かめてください。
③フィッティングは正しい順番で行う

撮影:YAMA HACK編集部
フィット感を確かめるために、スタッフに教えてもらいながら、正しい背負い方でフィッティングしましょう。
身体にフィットするバックパックの背負い方
①ヒップベルトを骨盤を包み込むように締める
②ショルダーハーネスが身体にフィットするように、ストラップを引く
③チェストストラップを留める
④ショルダーハーネスと荷室がつながるところ辺りにあるスタビライザーを引いてバックパックを身体に引き寄せる
体のどこかに違和感がないか、ヒップベルトが邪魔で足上げしにくくないかなどもチェックしたいポイントです。

撮影:YAMA HACK編集部
自分でフィット感が分かりにくい場合は、スタッフにフィット感を確認しましょう。
チェストストラップの位置やヒップベルトの引き具合などの細かい調整方法もアドバイスしてもらい、自分でも正しい背負い方ができると登山が楽になります。
家村さん
自分ひとりでも正しいフィッティングができるように、気になることはどんどん聞いてください。
山に登りながら、少しずつアイテムを揃えていこう

撮影:YAMA HACK編集部
登山靴とバックパックを手に入れたら、山に登ってみましょう!すべての道具を一気に揃えるのではなく、「山で快適安全に楽しむためにどんなことが必要か?」を調べて、持っているものと組み合わせながら少しずつ揃えていくのでも大丈夫です。
軽くて着心地のいいレインウェアや、歩行パフォーマンスを高めてくれるサポートタイツなど、登山を安全で快適にする道具はまだあります。そういった道具も、実際に手に取って触ったり、試着したりすることで失敗しない道具選びができるので、登山用品店を訪れてみてください。

出典:PIXTA
フィット感や機能はもちろん大事ですが、もうひとつ大事なものがあると家村さんはいいます。
家村さん
使って気分が上がる見た目も大事!登山は楽しむものですから、フィット感、機能性、そして見た目のバランスを意識して、好きな道具を揃えたいですね。

撮影:YAMA HACK編集部
九州最大級の品揃えを誇り、高い知識と専門性を有したスタッフが適切なお買い物をサポートしてくれます。登山用品だけではなく、キャンプ用品やトラベル用品も展開。
アルペンフクオカ
住所:福岡県福岡市博多区住吉1-2-74 キャナルシティ博多 サウスビル1~3F
営業時間:10:00~21:00
定休日:なし
電話番号:092-283-3400
取材協力:アルペンフクオカ