室内空間は、ジャスト!

ZENN ドーム シェルターの室内空間は、長辺205×短辺100×高さ95cmです。短辺側、つまり幅は1人用としては広めですが、高さはやや低いんです。身長174cmの私が座ると、頭がルーフにギリギリ接するか、接しないかというレベルです。
前回のテスト時には、ちょっと低いなぁ……と感じたのですが、今回疲れて背筋が曲がっていたからか、それほど低さを感じることなく、ジャストな印象でした。

長辺側205cmは、私以上に背の高い人だと、寝袋の足元側が本体の壁に確実に接してしまう長さです。
ですが今回は、気温が高くて寝袋には入らず、掛け布団のようにして使用したので気になりませんでした。が、しかし寝袋に入ったら、やはり壁に少し触れます。
シングルウォールは、天候によって結露する可能性が間違いなくあります。寝袋の足元側を濡らしてカラダが冷えないように、防水バッグやエマージェンシーシート等で包んでの対策は“マスト”だと思います。
気温の高い時期であれば、それほど気にしなくても問題はないとは思いますが……でも、高所はすぐに気温が下がるので、油断大敵です。
奥行き80cmの前室は、天気がよければ極上のキッチン&リビングです!

今回、風は上画像の右側から吹いていたので、出入口側は風下にセット。出入口とは反対の長辺側には避難小屋とトイレ建屋があって風を遮ってくれ、画像手前の短辺側右手から対角線上に風が抜けていくように設営しました。
そのおかげで、前室側は風が入ってくることもなく、調理をするのに適した空間となりました。

もし天気が悪ければ、お湯だけササっと沸かしてフリーズドライを食しますが、この日は前室のパネルを開け放った空間で、袋ラーメンをつくりました。
奥行き80cmもある前室なので、少しくらい雨が降っても、換気に注意をして、余裕をもってラーメンをつくれるスペースがありました。

そして前室、本体出入口メッシュパネルを開けて、シェルター内から山景色を見ながらラーメンをすすりました。
いやぁ、快適でした!!前室の半分閉じているパネルは、風向きを考えて設営すれば、しっかりと風避けになってくれます。冷風に吹かれて食事を急いで終わらす……なんてことにはならずに済みそうです。
これ、前室がなかったら、きっと寒い思いをするに違いありません。前室があるとやはりいいですね!
大きな出入口は、カラダにやさしい

山の時間って、ノンビリと流れていくようで、空や山景色の移ろいを見ようと思うと、結構忙しかったりします。この日も低い雲が掛かっていて諦めていた日本海に沈む夕陽が、海のすぐ上でいきなり顔を出し、撮影タイム開始。
日没後は、空の色合いの変化、新潟市街地の夜景、さらには星が空に煌めきはじめ、その度にシェルターを出たり入ったりしました。

でもZENN ドーム シェルターは、天井高こそやや低いですが、潜り込むように出入りをする必要のない形状です。前室のパネルも本体側のメッシュパネルも大きく広く開くので、出入りしやすく、疲れたカラダにやさしいです。
それに広い前室に撮影機材を置いておけ、撮影したくなったらササッと用意ができるのが便利でした!
心配していた結露は、ほぼナシ!

夜が明け、真っ先に確認したのが“内壁の結露”です。触ってみると、「サラり!」。
前室が備わっていることでの室内空間の拡大と、本体出入口のメッシュパネルの換気効果は高いようです。とはいえ、本体素材はナイロン シリコン/PUコーティング製なので、状況によっては結露します。結露が発生したときのために、寝袋を濡らさない対策、結露を吸い取るタオル等の用意は必須です。
20Dの薄さは破れる心配よりも、透ける心配あり!

上画像の通り、空色と同じブルーの本体カラーが心地よいです。
軽量化と強度を兼備するために採用された、ブルーの本体素材は20Dという薄手のナイロン。この薄さゆえに、テント場によってはフロアにグランドシートを敷く必要がありそうです。
しかし、今回設営した頼母木小屋のテント場は、キャンプ場のように整地されていて、穴開きの原因になりそうな石を取り除けば、グランドシートなしでも問題ありませんでした。
気になったのは、本体素材の薄さゆえ、シェルター内部が透けて見えることです。ダブルウォールではなく、シングルウォールということもあり、上画像のように内側に置いた荷物の影がしっかりと見えています。

ひとりだったので確認はできていませんでしたが、夜にライトを点灯させた状態だと、内部でどんな作業をしているかが、きっと丸見えになると思います。だから、見えているという意識は持った方がよさそうです。
特に女性は、着替えの際の影が丸見えになるかもしれないことに注意したほうが、よさそうです!
日本の山の最適解は、間違いない!

今回、夕立の予報が出ていたので、それを求めていたのですが、私がかなりの晴れ男のため、薄曇り程度にしかならず……そのため、雨天時のシェルター内部の結露や使い勝手は検証できませんでした。
ですが、夕立にやられた際には、きっと広い前室に荷物を置けたり、湯沸かしもしやすく、問題なさそうです。
なにより素早い設営が可能なシングルウォールに、広い前室を備えた利便性は、山で使って「コレにしてよかった!」と思えるモノだと感じました。
願わくば、総重量が1,000g以下になってくれると……とは思いますが、絶妙なバランスで、広い前室を装備させている設計デザインに、感心しました。
それでは皆さん、よい山を~~~!