アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部
iPhoneユーザーに朗報!「衛星経由の緊急SOS」が利用可能に

提供:Apple
日本での提供が開始された「衛星経由の緊急SOS」は、携帯電話通信やWi-Fiの圏外でも、緊急通報サービスに緊急事態の状況や位置情報をテキストで共有することができるという、Appleの画期的な安全サービスです。米国をはじめ16か国ですでに提供されており、人命救助に役立てられてきました。
iPhone 14とiPhone 15のユーザーであれば誰でも接続可能。アプリのダウンロードや特別な設定も一切必要ありません。
※このサービスは、2024年7月30日より2年間、または新しいiPhone 14、iPhone 14 Plus、iPhone14 Pro、iPhone 14 Pro Max、iPhone 15、iPhone 15 Plus、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxのアクティベーション時から2年間無料で利用できます。
登山の緊急時にも役立つ!「衛星経由の緊急SOS」の仕組み
デモンストレーション用のiPhoneにて、「衛星経由の緊急SOS」サービスで通報する流れを体験をさせてもらいました。
①緊急通報の報告

撮影:YAMA HACK編集部
緊急事態が発生したら、まずは通常の緊急時同様に119に電話をかけます(110でもOK)。
電話の通信圏外の場合は画面が切り替わり、「接続していません。衛星経由で緊急テキストの送信を試してください」とのメッセージが表示されるので、左下の「緊急テキスト」を押し、さらに「緊急通報の報告」を押します。
②緊急事態の状況を選択

撮影:YAMA HACK編集部
表示された質問に回答していきます。質問は簡潔かつ選択式のため、数回タップするだけで緊急時でもスピーディーに状況を回答できるようになっています。

撮影:YAMA HACK編集部
あらかじめ緊急連絡先を登録しておくと、緊急事態の状況を緊急連絡先にも通知可能。すべての回答が終わったら、メッセージを送信するために衛星を探します。
③衛星を見つける

撮影:YAMA HACK編集部
画面に示されている衛生の方向にスマホを向けて、衛星を見つけます。衛星に繋がると緑になり、「接続されました」との表示に。
下部の「メッセージを表示」を押すと、メッセージのやりとりができる画面が開きます。
④中継センターの担当者からの質問に簡潔に答える

撮影:YAMA HACK編集部
先ほど選択した緊急事態の状況や位置情報、メディカルID(※)が、衛星中継センターに送信されました。
すると、衛星中継センターの担当者からメッセージがくるので、質問に簡潔に答えます。
※メディカルID:Appleアプリの「ヘルスケア」にあらかじめ持病や服用中の薬などを登録しておけば、通報時に情報が送信されます。今回のデモンストレーションでは、持病と服用中の薬をあらかじめ「ヘルスケア」に登録していたため、「薬は持っていますか?」と聞かれています。
※最初に送信されるメッセージには、ユーザーの質問への回答、位置情報(高度も含む)、iPhoneのバッテリー残量、メディカルID(有効になっている場合)が含まれます
⑤メッセージ画面を開いたまま、救急隊の到着を待つ
Appleによるトレーニングを受けた緊急対応専門スタッフが、ユーザーに代わり緊急通報サービス(公的救助機関である警察や消防、海上保安庁)にただちに連絡してくれるので、ユーザーはチャットを開いたまま救急隊の到着を待ちます。状況や体調が変化した場合は、メッセージで知らせます。
緊急連絡先に「通知」を選択した場合

撮影:YAMA HACK編集部 (緊急連絡先側に届いたメッセージ)
質問回答時に緊急連絡先に「通知」を選択した場合は、通報者があらかじめ登録していた緊急連絡先にも、緊急事態の状況や位置情報、衛星中継センターの専門スタッフとのやり取りなど、すべての情報が届きます。
※iOS 16.4以降とiMessageを使用する最大10件の緊急連絡先に、ユーザーの位置情報、緊急事態の種類、緊急通報サービスとのやり取りがリアルタイムで書き起こされて送信されます。iPhoneを使っていない緊急連絡先と、iOS 16.4以降またはiMessageが搭載されていないiPhoneのユーザーには、ユーザーの位置情報と緊急事態の種類が表示されます。
※ユーザーは、緊急連絡先との情報の共有をいつでも停止できます。衛星中継センターや、ユーザーの場所に最も近い通信指令台への連絡のために、位置情報はAppleとも共有されます。
「衛星経由の緊急 SOS」 はデモを試すこともできる!

提供:Apple
「設定」の「緊急SOS」をタップし、「衛星経由の緊急SOS」の「デモを試す」から、iPhoneを衛星に接続する練習をすることができます。いざというときにスムーズに操作できるように、試しておくのがおすすめです。
詳しくは「iPhone で衛星通信に接続する」をご確認ください。

撮影:YAMA HACK編集部
地形や建物、樹木などによって接続が妨げられる可能性があるため、「空が妨げられずに見える場所」で衛星を見つけるのがポイントです。
登山者としては、山間の谷底のような場所では衛星に接続しにくいのでは……という懸念点も。ちなみに視界が開けた条件下では、15秒ほどでメッセージを送受信できます。
※接続と応答にかかる時間は場所、現地の状況、その他の要因によって変わります。詳しくは、「iPhone で衛星経由の緊急 SOS を使う」をご覧ください。
さらに、「探す」アプリを開いて衛星経由で位置情報の共有も可能に!

提供:Apple
iPhoneやApple Watchなどを紛失した際や位置情報の共有に便利な「探す」アプリ。使ったことがある人も多いのではないでしょうか。
今回、緊急SOSだけでなく、「探す」アプリでの位置情報の共有も衛星経由で可能に!携帯電話通信やWi-Fiの電波が届かないところに出掛けているときにも、家族や友人に居場所を知らせることができます。
また、一緒に登山をしているメンバーと不測の事態でやむなく離ればなれになってしまった際など、互いの位置情報を確認する際にも役立ちます。位置情報はリアルタイムではなく、15分ごとに取得されたデータをもとに表示されるとのこと。
※衛星経由の緊急SOSと衛星経由の「探す」は、日本のほか、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ポルトガル、スペイン、スイス、英国、米国で現在利用可能です。
※衛星経由の緊急SOSと衛星経由の「探す」を利用するには、iOS 17.6以降が必要です。
iPhoneユーザーは、“もしも”に備えてヘルスケアアプリも活用しよう!

撮影:YAMA HACK編集部
「衛星経由の緊急SOS」の仕組みで紹介したように、Appleアプリ「ヘルスケア」の「メディカルID」にあらかじめ血液型やアレルギーの有無、持病、服用中の薬などを登録しておけば、通報時に人命救助に必要な情報として送信されます。

撮影:YAMA HACK編集部(Appleアプリ「ヘルスケア」内の画面)
また、「緊急連絡先」に家族等を登録しておくと、緊急通報サービス(警察や救急などへの通報)を利用した旨のメッセージが、あなたの位置情報とともに緊急連絡先に届きます。
メディカルIDはロック中にも表示可能!

撮影:YAMA HACK編集部(サイドボタンと音量調節ボタンを押すと表示される画面)
ヘルスケアアプリの緊急時のアクセス設定で「ロック中に表示」をオンにしておくと、iPhoneのロックを解除しなくても、サイドボタンと音量調節ボタンを長押しすることで「メディカルID」にアクセス可能。
例えば、登山中になんらかの理由であなたが意識を失ってしまった際に、救助のために必要な情報を同行者が確認することができます。
詳しくは「メディカルIDを設定して確認する」をご覧ください。
登山の際は、モバイルバッテリーも忘れずに
せっかくの「衛星経由の緊急SOS」サービスも、iPhoneの充電が切れてしまっていたら元も子もありません。
地図アプリの利用や緊急時の連絡手段など、スマートフォンは安全に登山を楽しむためにも、いまや欠かせないアイテムです。いざというときに「救助要請ができない……」なんてことにならないように、モバイルバッテリーも忘れずに携行しましょう。
iPhoneでは、「設定」から「バッテリー」を選び、「低電力モード」をオンにすると、消費電力を抑えながら通信を確保することができます。詳しくは「iPhone や iPad で低電力モードを使ってバッテリーを長持ちさせる」をご確認ください。
そのほかのAppleの安全機能もチェック!
◆iPhone14から実装されている「衝突事故検出」
車の衝突や自転車での転倒、登山での滑落のような重大な事故の際に、大きな衝撃がかかったらiPhoneが自動で検出。1分間応答がなかったら、自動的に緊急SOSに連絡をしてくれる機能。Apple Watchにも搭載。
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◆オフラインで使えるマップ
iOS 17以降では、iPhoneで地図をダウンロードしてオフラインで使用可能。道順や到着予定時刻などを含むマップアプリの情報やナビゲーションを活用できる。
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◆Apple Watchの「コンパス」アプリ
現在地を「ウェイポイント」としてコンパスアプリに登録しておくと、ウェイポイント間の距離や方向をあとから確認可能。最後にモバイル通信接続を確立できた推定の位置も確認できる。また経路を記録しておくことで、万一道に迷ってしまった際には、バックトレース機能で元の場所に戻るための足取りを辿ることができる。
>>>詳しくはこちら
◆Apple Watch Ultra 2独自の「サイレン」機能
オレンジのアクションボタンを長押しすると、86デシベルの大きさで、最大180m先まで聞こえる警報を鳴らして助けを呼ぶことができる。
>>>詳しくはこちら