日本におけるクマの分布
日本には、ツキノワグマ(体長110~150㎝)とヒグマ(220~230㎝)が生息していて、本州と四国に生息しているのはツキノワグマ、北海道に生息しているのがヒグマです。冬は冬眠していますが、春から秋は山の中にいて、早朝や夕方に活動し、偶然人と遭遇してしまうケースがあります。
残念ながらクマと鉢合せしてしまい、クマが攻撃してきた場合、人は生還できるのでしょうか。今回は、クマとの死闘のすえ生還した人の実話集をご紹介します。
クマと格闘のすえ生還した人の実話 7選
普段の生活やレジャーの最中にクマと遭遇し襲われながらも、果敢に闘って生還した人々の記録が残されています。突然の襲撃に絶望的になりながら、様々な方法で勇敢に立ち向かった生還者の体験をご紹介します。
①空手家の男性が目つぶしでクマ撃退!(2016年9月1日)
山中で渓流釣りを楽しんでいた男性が背後の物音に振り返ると、そこには体長1.9mほどの一頭のツキノワグマが。目が合うとクマは襲いかかり、もみ合いとなり数か所を引っかかれたが、男性が一発の目つぶしで反撃!地元では有名な沖縄空手家である男性の渾身の一撃にはクマも敵わなかったようです。
遭遇日:9月1日午後2時ごろ
遭遇場所:群馬県長野原町の河原
②有名登山家ランニング中に母クマと格闘!(2008年9月17日)
登山家がトレーニング中に遭遇した親子グマ。逃げる間もなく襲撃された男性は腕や顔を噛みつかれ大ケガを負いながらも、母クマが口を離した一瞬のスキをついて逃走に成功。ケガは90針にもおよんだが、復帰後も元気に登山を楽しんでいる。
遭遇日:9月17日午前7時ごろ
遭遇場所:奥多摩湖近く倉戸山(1169m)周辺の山道
③1.5メートルのクマ3頭をノコギリ振りかざして撃退!(2016年9月15日)
(黒森山ウォーキングセンターから約750メートル北東でクマと遭遇)
トレイルラン大会開催目前にコース付近に1.5mほどのクマが3頭も出没。遭遇した男性はそのうちの1頭に襲われそうになるが、持ち合わせたノコギリを振り回し威嚇。クマは3頭とも逃げ出し男性にもケガはなかったが、予定されていたトレイルランの大会は中止となった。
遭遇日:9月15日午前10時ごろ
遭遇場所:青森県黒石市南中野舘ケ沢の林道
④女子中学生がテントを押すヒグマにキックで応戦!(2008年7月20日)
家族でキャンプに楽しんでいた女子中学生は、夜中にテントを押す黒い影を発見。妹のいたずらと思いこんだ彼女は、内側からキックで応戦。突然の反撃にテントの外にいた黒い影は逃げ出したが、引き裂かれたテントの穴から見えた走り去る物体は妹ではなく、大きなヒグマだった。
遭遇日:7月20日午前4時ごろ
遭遇場所:北海道羅臼町にある羅臼温泉野営場
⑤主人を襲った母クマに立ち向かった飼い犬が子グマごと3頭を追い払う!(2014年6月28日)
愛犬の散歩中の夫婦が道端で木に登っている子グマ2頭に遭遇。その直後に1.7mほどの母クマが現れ、夫は背後から頭を噛みつかれ大ケガを負ってしまう。それを目の当たりにした夫婦の愛犬ショコラがクマに飛びかかり、見事3頭とも撃退する。
遭遇日:6月28 日 午前9 時ごろ
遭遇場所:石川県金沢市御所町2丁目の御所ひがし公園近くの山道
⑥背後からの襲撃を受けながらも必死に逃げきった老人!(2015年5月27日)
自宅の軒先でお地蔵さまを拝んでいた89歳の女性が、突然背後から顔をえぐられるように引っかかれ、倒れ込んだ。目の前にいたのは大きな黒い4本足の動物、クマだった。必死の思いで家に逃げ帰り、命は助かったが、今でも当時の恐怖がフラッシュバックする。
遭遇日:5月27日午前4時半ごろ
遭遇場所:滋賀県多賀町樋田の自宅敷地内の県道脇
⑦クマに顔面を襲われ命からがら7キロを運転して逃げきった女性!(アメリカ)
自宅近くの山中で作業に没頭していた女性の目の前に現れた1頭のアメリカクロクマ。目が合った瞬間に押し倒され、顔を噛みつかれてしまう。飼い犬2頭がクマを攻撃している間に車へ乗り込み、7キロ車で走って逃げ、消防車に救助を要請し九死に一生を得る。女性の顔のケガは1,000針を縫う大ケガだった。
そもそもクマに出会わないために
本来、クマは臆病な動物で、物音がすればクマから去っていきます。登山者は、クマと遭遇しないように、熊鈴やラジオを身につけ存在を知らせることがまず大切。もし近くに糞があったらその場を去る、クマの出没情報があった場所には近づかないなどの事前にできる対処も重要です。(参考:環境省/クマに注意!)
それでも出会ってしまったら
上記で紹介した人々は、ごくまれな特殊ケースです。一般的にはクマと遭遇した場合、クマに背を見せず落ち着いてゆっくりその場を去ることが推奨されています。(参考:環境省/クマに注意!)子連れであるか、手負いであるかなどのクマの状態も条件になってくるため、決して撃退しようなどとは考えず冷静に慌てず、落ち着いた対処を心がけるということを心の片隅に留めておきましょう。
山では野生動物に気を付けて
クマに限らず、実りの季節や繁殖の時期を迎える秋の山では、多くの野生動物が活発に活動しています。思いがけない動物との遭遇には心癒されることもありますが、その種類や数によっては、危険な状況になりかねません。動物たちの攻撃は多くが防衛本能や狩猟本能によるものであるため、その生態を脅かすことのない登山を心がけましょう。
Bear Attacks: the True Survival Stories!
クマ襲撃からの生還実話集!