「登山用レインウェア」にはどんな機能が必要?
山の天気は変わりやすく、晴れていてもいつ急に雨が降り出すかわかりません。登山においてレインウェアの所持は必須とされており、これから登山をはじめるという方がまず最初に揃えておくべき装備といえます。
登山用レインウェアは、100円ショップに売っているような透明のビニールカッパ、というわけにはいきません。
衣類内のムレを放出する「透湿性」、雨の侵入を防ぐ「防水性」、吹きつける風をシャットダウンする「防風性」、登山中の岩との擦れや枝の引っかけでも破れない「耐久性」など、多くの機能が求められます。
これらの機能がしっかりしていないと、濡れや冷えは体温の低下をまねき、低体温症や行動不能などの遭難リスクを高めることに。そのため、山の環境に対応できる機能をもったレインウェアを準備しておく必要があります。
登山道具はとにかく高い!少しでも安く抑えたいけど……
そんな登山用レインウェアですが、難点は値段がとにかく高いこと……。モデルや素材にもよりますが、上下セットで買うと5万円以上になることも珍しくありません。
他にも、登山をはじめるには靴やザック、帽子やヘッドライトなど、多くのアイテムを揃えなければなりません。ただでさえ初期投資が大きいスポーツなので、レインウェアもリーズナブルで高機能な製品があれば一番嬉しいですよね。
そこでおすすめしたいのが、スポーツメーカー<ミズノ>の登山用レインウェア『ベルグテックEX ストームセイバーⅥ(以下、ベルグテックEX)』。1996年に元祖となる「ストームセイバー」が登場し、現行は六代目。多くの登山者に愛されるロングセラーモデルです。
「登山に興味はあるけど、どこまでやるかわからない」「そこまでお金をかけられないけど、安心して使えるレインウェアが欲しい」そんなエントリーユーザーのみなさんに、自信をもっておすすめできる名作です。
抜きんでたコスパを誇る、ミズノの人気レインウェア
最大の利点は、圧倒的なコスパの高さにあります。ベルグテックEXの価格は上下セットで14,500円(税込15,950円)! 一般的な登山用レインウェアの半額に近い価格です。
【レビュー】質実剛健!雨の登山も安心して任せられるレインウェア
ベルグテックEXを実際に使ってみて、低価格帯のレインウェアとは思えないほどの機能性の高さと充実ぶりに驚かされました。
決して特筆した機能があるわけではありませんが、登山に求められる機能が十分に備わったスタンダードなレインウェアです。
文句なしの防水撥水性。ロングスパンで使い込める
撥水性は高く、コロコロと水を弾いてくれます。1ヶ月使い込むなかでも、毎回メンテナンスをすることで機能の低下を感じることはありませんでした。
新品の頃はどんなレインウェアも撥水性はいいのですが、ある程度使い込んだ頃に差が出てくるもの。その点、ベルグテックEXは100回洗濯しても水を弾く耐久撥水加工が施され、長く使えることも大きなメリットだと感じます。
防水性も問題なし。雨の日に一日登山をしたところ、さすがに肩や背中などザックに接着する部分は撥水しなくなりましたが、衣類内に水が染み込む気配はありませんでした。
梅雨シーズンの登山や屋久島などの多雨地帯でのトレッキングでも、雨を気にせず登山に集中できそうです。
ほどよい透湿でムレを放出。肌着にも気配りを
衣類内の汗はじんわりと逃げていく印象。着用しながら歩き、ムレを感じたのちに肌面の生地を触ってみたところ、湿り気はわずかで汗がしっかりと外へ抜けていることがわかりました。
若干のムレやすさを感じましたが、ゆっくり楽しむ登山であれば気にするほどではないかと思います。それ以上に、レインウェアの下に着るウェアが快適性を大きく左右するでしょう。
どんなにハイスペックのレインウェアでも、歩いていれば汗をかいてしまいます。汗を吸い上げ、肌を乾いた状態に保ってくれる肌着(ベースレイヤー)も登山の必需品。ベルグテックEXで抑えられたコストを、こういったウェアに回してみてもよいかもしれませんね。
ストレスのないやわらかい着心地
着てすぐに感じたのが、着心地の良さ。レインウェアの質感はパリパリして動きにくいものも多いのですが、ベルグテックEXはしなやかでナチュラルな着用感が特徴。歩行の妨げになるようなわずらわしさはありません。
肩まわりの立体裁断により、腕の曲げ伸ばしも良好です。ウェアがつっぱるような感覚もなく、スムーズに可動してくれました。トレッキングポールを持った歩行や岩場なども快適にこなせそうです。

パンツの左右にはファスナーが付いていて、膝のあたりまで解放可能。ローカットやミドルカットのシューズで、靴を履いたまま無理なく着脱ができました。
クリアな視界の調節しやすいフード
雨の登山はフードをかぶった状態で長時間歩き続けることもあり、そのフィット感は大切です。
ベルグテックEXのフードはツバ状のひさしがあり、立体的な形状を保持。歩行中も視界をさえぎることなく良好でした。
ひさしの高さは背面のアジャスターで調整可能。ベルクロ式の簡単な仕組みなので、レインウェアを着た状態でも簡単に操作できました。
フードはクルクルと丸めて襟に収納できる仕組みに。雨が降っていないときやレインハットをかぶっているときなど、ジャケットとしても活用できます。
軽量コンパクトで収納も便利
登山では常にレインウェアを着て行動することは少なく、ザックの中に入ったままのこともよくあります。そのため、レインウェアを収納した際の「軽さ」「コンパクトさ」も大切な要素です。
ベルグテックEXは上下合わせて約550g(Mサイズ)。3層構造のレインウェアとしては申し分ない軽さです。500mlのペットボトル1本ほどの重量のため、ザックにしまったままでも、レインウェアの重さが大きな負担になることは少なそうです。
また、付属のスタッフサックはサイズ感が秀逸です。こういった収納袋はキツくてしまいにくいことも多いのですが、これはくるくるっと簡単に丸めただけで綺麗に収まるのがとても気に入っています。
ちょっとしたことですが、慣れていない方だとこういった作業もストレスになりかねない部分。初心者でも使いやすい設計はとてもありがたいです。
細部の機能も見逃せない
シンプルなレインウェアですが、細部には使いやすさにこだわったミズノらしい工夫が詰まっています。
ポケットがベンチレーションに
ポケットはジャケットの左右に2箇所。中はメッシュ生地になっていて、ファスナーを開けておくことで換気口(ベンチレーション)の代わりにもなります。パンツにはポケットはありません。
左右のポケットは高めの位置に設計されています。ザックを背負ってもポケットがおおわれにくく、ファスナーの開け閉めやポケット内の荷物の取り出しも楽におこなえました。
雨の侵入を防ぐ雨返し付き
ファスナー部分は雨返しつきで、雨が侵入しにくい構造になっています。
首まわりには首の冷え対策として、吸水性が高く肌触りのよい起毛素材があてがわれています。ファスナーを全開に閉めても、口がファスナーにあたってひんやり不快になるような心配はありません。
各所に配置されたドローコードで調整も簡単
ジャケットの裾口には左右にドローコードを配置。風や雨の侵入を防ぎます。
パンツのウエストはゴムタイプ。前面の調整しやすい位置にドローコードが付いていて、サッと調節できます。
パンツの裾口もドローコードで締め付けが可能。前面の操作がしやすい位置に配置されているので、調整も簡単です。
オプションのリストバンドでさらに便利
袖口の絞りはベルクロ式。雨の侵入を防ぎます。
雨の中、腕を上に伸ばすようなシーンでは、袖口からツツーと水が伝ってくることも。そんなときにはオプションで販売されている「雨対策用リストバンド」が便利です。
袖口の上に重ねてベルクロで絞ればOK。屋久島登山など、長時間の雨が予想されるときに活躍します。
気になった点を聞いてみた
夏のアルプス縦走などでも使用できますか?
無雪期であることを前提に、アルプス縦走などでも必要十分なスペックはあると考えています。ただし、あくまでも富士山や屋久島など、はじめてレインウェアを購入・使用される方におすすめしています。
Amazonなどでは、ベルグテックEXの「Ⅴ(5)」と「Ⅵ(6)」が売られていますが、どんな違いがありますか?
「Ⅵ」が現行品で、「Ⅴ」の後継アイテムです。また、細かな設計・パターンなどの違いはありますが、使用生地や製品のスペックは大きく変わっておりません。
長く使えるメンテナンス方法を教えてください!
下記のリンクにてメンテナンス方法や収納方法を紹介しています。より快適にご使用いただくためにも、定期的なメンテナンスが必要です。
“はじめての登山”を支える、まじめで頼もしい1着
日本の山は高温多湿で天候の変化が大きく、登山用レインウェアには多くの機能が求められます。ベルグテックEXはその要求を必要十分に満たしつつも、コスト面で限りなくハードルを下げてくれる1着。
・これから登山をはじめようと思っている方
・ときどき登山を楽しみたい方
・富士山、屋久島などの観光登山を考えている方
など、エントリーユーザーに自信をもっておすすめできるレインウェアです。ベルグテックEXで、登山のスタートを切ってみてはいかがでしょうか。
ベルグテックEXが気になった方はチェック!
ミズノ ベルグテックEX ストームセイバーVI [メンズ]
サイズ:S〜MBB
ミズノ ベルグテックEX ストームセイバーVI[レディース]
サイズ:S〜MB