化繊とダウンの良い所取り!ハイブリット素材という選択
ザ・ノース・フェイスから発売されている「ライトヒートジャケット」。「空気を羽織るような着用感」がコンセプトの軽量なインナージャケットです。その重さ、なんと194g!
あのナルゲンボトル(1リットル)とほぼ同じ重さとは驚きです。
しかし、本製品のポイントはそれだけではありません。中わたにはダウンと化繊(化学繊維)のミックス素材を使用。化繊わたのジャケットは濡れに強くて便利だけど、ダウンの暖かさも捨てがたい…そんな方々に是非とも試してもらいたいジャケットです。
様々な状況で暖かさを発揮!弱点を克服するための高機能素材
ダウンは非常に暖かいものの、濡れると保温性能の低下が著しいのが難点。一方、化繊わたは濡れても暖かさをキープするが、保温性はダウンにはまだまだ敵わないのが実情。このような課題の解決方法としては、それぞれの特性を把握し、うまく使い分けるというのがこれまでの常識でした。
しかし、「ライトヒートジャケット」はそんな常識に挑む新たな発想のジャケットです。ここでは、そんな両素材の弱点を補い合うために採用された数々の素材をご紹介します!
撥水ダウンと遠赤外線効果のハイブリッド!
「光電子PROダウン」を採用しているのが本製品最大のポイント。ダウンと化繊わた両者の弱点を克服するのを目的に、72%のダウンと8%のフェザーに加えて、20%の化繊素材「光電子(こうでんし)」を組み合わせたハイブリッド素材です。
まず、ダウン自体に施された撥水加工により、通常のダウンよりも水濡れ時の保温性の低下を抑えることが可能に。また、光電子は人体から常に放射されている「遠赤外線」をうまく再利用することで、通常の化繊わた以上の保温性を発揮します。
タイトに織られた、ダウンに最適な生地
ダウンに最適なナイロン素材「パーテックス カンタム エコ」を採用。非常に軽くてしなやかで、ハリのある光沢感が特徴です。極細の繊維を、ダウンが抜ける隙間もないほど高密度に織った生地で、ダウンジャケットが年々痩せていくという積年の課題もクリアしています。これにより、同じ製品を長く愛用することができるでしょう。
他のハイブリッド素材のジャケットとの違いは?
実は、ザ・ノース・フェイスには、ダウンと化繊のハイブリッド素材を採用した商品が他にもあります。それらの違いは少しわかりにくく、迷いどころ。
ここでは、似たようなハイブリッド素材を採用している「サンダージャケット」と「アルティメイトダウンフーディ」を素材や価格で比較してみましょう。
製品名 | 価格 (税込) | 重量 (g) | 素材 | |
生地 | 中わた | |||
ライト ヒート ジャケット | 25,300 | 194 (Sサイズ) | PERTEX® Quantum ECO(ナイロン100%) | CLEANDOWN 光電子 PRO(ダウン72%、複合繊維(ポリエチレン/ポリプロピレン)20%、フェザー8%) |
サンダー ジャケット | 28,600 | 275 (Lサイズ) | PERTEX® Quantum(ナイロン100%) | HYBRID CLEANDOWN 光電子 PRO(ダウン54%、ポリエステル40%、フェザー6%) |
アルティメイトダウンフーディ | 51,700 | 315 (WSサイズ) | <表地>DD Ripstop with DWR(ナイロン100%) <袖下>PERTEX® Quantum DIAMOND FUSE(ナイロン100%)<裏地>PERTEX® Quantum(ナイロン100%) | CLEANDOWN 光電子 900 PRO(ダウン76%、複合繊維(ポリエチレン/ポリプロピレン20%)フェザー4%) |
ライトヒートジャケットが最も安価&軽量。アルティメイトダウンフーディはエクスペディション用に開発したSUMMITシリーズのインナーダウンのため、より高性能。ダウンの割合が高く、ドライな環境での保温性が高いほか、擦れやすい部位には耐久性の高い素材を使用しています。サンダージャケットは最も化繊わたの割合が高く、水濡れに強いでしょう。
単純な比較は難しいところですが、私はこのようなシーンで使いわけることをお勧めします。
軽量性や安さを重視するなら、ライトヒートジャケット。
耐久性やドライな環境での保温性を重視するなら、アルティメイトダウンフーディ。
行動着としても積極的に使うなら、サンダージャケット。
四季を問わず、様々なシーンで大活躍!
ダウンの軽さ&暖かさと、化繊が持つ濡れに対する強さを兼ね備えたジャケットは、どんなフィールドでも有効。押し入れに眠らせておく暇がないほど、年間を通じて大活躍すること間違いなし!
夏山のテント場で
本体のポケットに直接収納できるポケッタブル仕様で、ザックに入れっぱなしでも負担にならない軽さ。このため、テント場での朝晩の冷え込み対策のためだけに持参するのも苦になりません。
冬の行動着に
撥水ダウン&化繊わたなので、通常のダウンよりも濡れに強く、暖かい。このため、冬山では夜明け前などの冷え込む時間帯の行動着として積極的に使用できます。
街着でも活躍
寒い屋外ではさっと羽織り、暖房の効いた屋内ではコンパクトに収納する。冬山以上に極端な温度差を行き来する街でこそ、このジャケットの本領を発揮することができるのかもしれません。
自分にピッタリのサイズを見つけよう
時にはインナーダウンとして、また時にはアウターとしても使えるこのジャケット。好みもあるとは思いますが、ジャストサイズ~ややゆとりがあるサイズの選択がおすすめです。
ライトヒートジャケット(メンズ)
ライトヒートジャケット(レディース)
ハイブリッド素材が今までの常識を覆す!?
ダウンと化繊にはそれぞれに適した活躍のシーンがあり、想定されるシーンによって使い分けるというのが今までの常識でした。しかし、その両者を組み合わせたライトヒートジャケットは、そんな常識を覆す良い所どりのジャケット。軽量コンパクトでどんな環境でもバランス良く使える性能は、新たな時代の保温着ともいえる汎用性の高い一着です。