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どうやらハンモックを使った登山があるらしい
突然ですが、皆さんはこちらの記事を読んだことがありますか?ハンモックに揺られ、風のそよぎや雲の流れ、空間のゆったりさを感じる。なんだかとっても楽しそう。
山とハンモックの繋がりに興味が湧いたのでさらにネットで検索してみると、なんとハンモックをつかって“山泊登山”をしている人を発見しました!?
キャンプのイメージが強いかもしれませんが、実はアメリカのロングトレイル・ハイカーも愛用している立派な登山アイテムなんです。
でも、やり方が分からない・・・

しかし、それから色々と調べてみたのですが「どんな装備が必要なのか?」「どんなことに注意したらいいのか?」など、詳しい情報を見つけることができませんでした・・・。
その道のプロに聞いてみた
そこで今回、ハンモック登山のプロとして自身でもイベントの企画に関わりながらハンモック登山の普及に努めている「Hiker’s Depot」の二宮さんに詳しくノウハウを聞いてきました!Hiker’s Depot 二宮勇太郎さん
2012年にアメリカの「パシフィック・クレスト・トレイル」を踏破した後に、下山先の街中で憧れのハンモックに出会ったことをきっかけに、ハンモック登山を始める。それから魅力にどっぷりはまり、企画立案に携わりながらイベントを通してハンモック登山の楽しみを多くの人に伝えている。
意外と手軽?必要な特殊装備は4つのみ!

見せてもらった道具はどれもこれもコンパクト。圧倒的な荷物の軽さがハンモック登山の魅力でもあります。それでは一つ一つ詳しく見ていきましょう!
①空に浮く快適ベッド「ハンモック」

二宮さん
登山で使う時に大切なのは、“いつでもバックパックの中に入れておきたいと思える収納サイズと重さのものを選ぶこと”です。
持ち運びが苦になったらハンモック登山は楽しめませんからね。寝心地や使用サイズなどは使い慣れてから考えましょう!
持ち運びが苦になったらハンモック登山は楽しめませんからね。寝心地や使用サイズなどは使い慣れてから考えましょう!


②ハンモックを立ち木に設置する「ツリーストラップ」

二宮さん
収納サイズと重さも大切ですが、設置方法が簡単なものを選ぶといいです。オススメはデイジーチェーンタイプ。
直感的にハンモックの取り付け位置を変更できるモデルなので、簡単に寝心地を調整することができます!
直感的にハンモックの取り付け位置を変更できるモデルなので、簡単に寝心地を調整することができます!


③雨風から身を護る「タープ」

二宮さん
ハンモックとの組み合わせに特化したタープもありますが、長方形の一般的なモデルで大丈夫です。雨の侵入をしっかりと防ぐためには、長辺もしくは対角線の長さが3mくらいの長さが欲しいですね。自在パーツと細引き、アクセサリーカラビナを使って簡単に設置できる仕掛けを作っておくと設営がスムーズになりますよ。各ポイントに括り付ける細引きの長さは3mもあれば充分です。



タープを地面に固定する時に必要なのがペグ。テント泊にも使う道具ですが、ここにも抑えておくべきポイントがあります。
二宮さん
ハンモックを設置する場所は腐葉土などが堆積した柔らかい地面であることが多いため、幅が広い大きめのペグをメインにして、石があって刺しづらい状況用にピンペグを複数本用意しておくといいでしょう。
④足元にも穴が空いている「ハンモック専用シュラフ」

二宮さん
ハンモックで眠ると、背中が空気に触れるため、地面で眠るよりも寒さを感じてしまいます。冷えを防ぐためにハンモックの中にマットを入れることも考えられますが、これだとマットがズレて寝心地が悪くなってしまうんです。
そこで必要になるのが背中側もハンモックごと覆うことができる特殊な寝袋。市販品だと、背中側を覆う”アンダーキルト”と、体にかける”トップキルト”の二つに分かれているものが多いのですが、今回紹介する筒状の一体型シュラフは、足元にも穴がありハンモックを通すことができるのでおすすめです。
そこで必要になるのが背中側もハンモックごと覆うことができる特殊な寝袋。市販品だと、背中側を覆う”アンダーキルト”と、体にかける”トップキルト”の二つに分かれているものが多いのですが、今回紹介する筒状の一体型シュラフは、足元にも穴がありハンモックを通すことができるのでおすすめです。


ハンモックを設置する簡単4ステップ!

①4〜5m間隔で生える立ち木を見つける


②目線の高さにツリーストラップを設置する

もともとツリーストラップは木に食い込まないように幅が広い作りをしていますが、できるだけ木肌にタオルや手拭いなどを巻いて、その上にツリーストラップを設置しましょう。
③ツリーストラップにハンモックを連結する

この角度を基本として、あとは寝心地の好みで張り具合を調整してあげます。
④ツリーストラップにタープを設置する


雨が降っている時は吹き込みを防ぐために、タープの生地が地面に近くなるように工夫しましょう。雨の心配がない時は設置しないという選択肢もアリです。
あると便利!吊り下げ紐

たったこれだけのひと手間で、荷物を落とす心配が無くなり、道具を汚さなくて済むというメリットを得ることができるんです!!
あっという間に完成!

慣れてくればハンモックから地面に下りずに生活することも可能になるので、是非試してみてください!
設置&生活する上での注意点
設置方法を学んだところで、次にお伝えしたいのが3つの注意点。
■なるべく人目のつかない場所に設置する
ハンモックは、まだ多くの登山者にとって未知の存在です。登山道を歩くハイカーと不要な干渉を避けることで、お互いが山の中で楽しむことができます。マナーとして、できるだけ人目につかない場所に設置しましょう。登山道の近くでも、人目につかない場所は意外とたくさんあります。隠れんぼ感覚で適地探しを楽しみましょう。
■必要以上に登山道から離れない
ハンモック適地を求めて山の中をさまよい歩くことは、怪我や遭難のリスクを高めます。自身の安全もために登山道が見える位置、もしくは戻る方法をしっかり把握できる範囲の中で設置場所を探しましょう。
■自然に配慮する
山の中ではハンモックに限らず、なるべく自然に与える影響を最小限に留めることを意識しましょう。木への負担を減らすためには、やはり専用のツリーストラップを使用することが有効です。登山道から必要以上に離れないことも、自然へ与える負荷を抑えることにつながります。自然にも配慮しながらハンモック登山を楽しみましょう。
実践におすすめのエリア「高島トレイル」

実はこのルート、総距離は約80kmもあり、続けて歩こうとすると5泊6日は必要になるロングトレイルなのですが、コース上にテント泊指定地がないのです。
麓に下るか、ルートを横切る林道の開けたスペースがテント場所になるのですが、ハンモックならもっと自由に宿泊場所を選ぶことが可能になりますよ!
中央分水嶺 高島トレイル
ハンモック登山が秘める可能性

マイナーな山域ほど、整備が行き届いていことが多いのですが、そこに魅力がないという訳ではありません!
どこにでも自由に寝泊まりすることができる“ハンモック登山だからこそ行ける山域”を探して、新しい山の魅力を見つけてみてはいかがでしょうか?
取材協力|Hiker’s depot

環境と健康に配慮した自由なハイキングスタイル「ウルトラライトハイキング」を提案しています。
住所|東京都三鷹市下連雀 4-15-33 日生三鷹マンション2F
電話番号|0422-70-3191
営業時間|12:00~20:00(※変更になる場合があるのでFacebookをご確認ください)
定休日|火曜日
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