夏の靴下選び。街なら綿や麻の薄手ですが……
皆さんは「夏の登山用靴下」ってどのように選んでいますか?
タウンユースでは涼やかな綿や麻素材の薄手のものを選んでいるかもしれませんね。でも、登山ではしっかりとした基準で選ばないと、いろいろ問題が起きてしまうかも。そこで、夏山登山での正しい靴下の選び方とおすすめ商品をご紹介します。
登山の靴下選び。3つのポイント
当たり前ですが、登山では長い距離を何時間もかけて歩きます。もし靴下選びを間違えると靴擦れをはじめ、夏ならば長時間靴を履いたままになることで、蒸れて不快になってしまいます。では何を基準に選択すれば良いのか? そんな皆さんの疑問に、早速お答えしましょう!
汗を吸湿して蒸れを防ぐ「吸湿性」
長時間、長距離を歩くことの多い山登り。登山靴にしっかり包まれた靴の中は、汗によって蒸れやすくなっています。そこで、靴下選びのひとつめのポイントは、汗を吸収して蒸れないようにする「吸湿性」を重視することです。蒸れを防ぐことは、皮膚がふやけることによって起きる靴擦れなどを防ぐことにつながります。
衝撃を吸収する「クッション性」
登山と街中を歩くのとは、まったく道の状況が違います。岩場やデコボコとした自然道などを歩くうえに、登りや下りもあります。つま先や土踏まず、かかとなど、足の色々なところに大きな負荷がかかります。登山用靴下には、負荷がかかりやすい場所に厚みを持たせるなど、衝撃を吸収する「クッション性」が、しっかり考慮されているものが多数あります。
サイズにぴったりと合った「フィット感」
最後に意識してほしいのが、足と靴下との「フィット感」。それに加えて、自分が使用する登山靴との「フィット感」も大事です。自分の足のサイズに合ってない、靴を履いたら隙間があるなど、実際に試着して確認しておかないと、楽しい登山が靴擦れで台無しなんてことにも! 登山用品専門店なら試着用靴下が用意されている場合もあるので、活用しましょう。
登山用靴下に「夏用」ってあるの?
残念ながら、「夏用」というものはあまりお店でも見かけません。でも大丈夫。夏山に行く場合、自分が登る山のレベルや目的、使用する登山靴に合わせて靴下を選ぶことで、登山を快適にすることが可能ですからご安心を!
がっつり登山靴に合わせるなら中厚手〜厚手
夏山縦走やアルプス級の高山など、ハードな山登りでは、多くの場合、ミドルカット〜ハイカットの靴が使用されます。それに合わせる靴下は、くるぶしと靴の擦れを防げるものがベターです。丈の長さはくるぶしより上にくる程度のものを選びましょう。
また夏には3シーズン用の中厚手〜厚手のものがおすすめです。逆に厳冬期用の極厚のものは避けましょう。
ライトなハイキングやトレランは薄手でもOK
歩行時間が数時間程度や日帰りでの低山ハイキング、身軽さが必要なトレイルランニングの場合は、シューズもローカット〜ミドルカットが主に使用されます。この場合は、薄手かつショート丈の靴下を合わせるのがベスト。トレイルランニング用シューズは通気性も良いので、薄手の靴下ならさらに快適さが増すことでしょう。
高機能ならメリノウールソックス
汗などの吸収力が高く、外へ発散させる能力もあるのが、メリノウール(羊毛)という素材の大きな特徴。天然素材のため、価格は高めになりますが、その素材特性から、吸収発汗性が求められるベースレイヤーや靴下にもよく使用されています。メリノウールにほかの素材を混紡し、耐久性などを高めている製品も多いですが、選ぶ場合はメリノウール60%以上を基準にすると間違いないでしょう。
スマートウール
創業当時から、メリノウール素材にこだわり、高品質な製品づくりを手がけるアメリカのブランドです。春〜夏〜秋までの3シーズンならば、6種類ある<ハイクシリーズ>の中のライトまたは、ミディアムがベストです。男女別の展開があり、それぞれオシャレなデザインが揃っているのもうれしいですね。
<PhDプロシリーズ>
全体的にクッション性を高くし、さらにつま先とかかと部分の厚みを増すことで、フィット感を高めたシリーズです。
スマートウール PhDプロミディアムクルー(Men's)
素材:ウール64%、ナイロン34%、ポリウレタン2%
<ハイクシリーズ>
登山などに合わせて最適な機能を持たせたシリーズ。厚み・クッション性の違う6種類をラインアップしています。
スマートウール ハイクミディアムクルー(Men's)
素材:ウール66%、ナイロン33%、ポリウレタン1%
スマートウール ハイクミディアムクルー(Women's)
素材:ウール66%、ナイロン33%、ポリウレタン1%
スマートウール ハイクライトマルガリータクルー (Men's)
素材:ウール62%、ナイロン36%、ポリウレタン2%
スマートウール ハイクライトマルガリータクルー(Women's)
素材:ウール62%、ナイロン36%、ポリウレタン2%
キャラバン
日本の登山靴メーカーとして60年以上の歴史を誇るのがキャラバン。「軽くて、履きやすくて、歩きやすい」と高く評価される靴づくりの思想は、靴下づくりにも現れています。基本的に男女兼用で、高機能なメリノウールを使用した<RLメリノシリーズ>は、6種類展開されています。
<RLメリノ・アルパイン(男女兼用)>
メリノウールを79%使用した本格的登山用ソックス。特にクッション性、サポート性、保温性に優れます。
キャラバン RLメリノ アルパイン
素材:メリノウール79%、ポリエステル14%、ナイロン6%、ポリウレタン1%
<RLメリノ・ナロボーダー(男女兼用)>
肌触りのよさ、高い速乾性など、ハイキングや夏の登山に最適な一足。おしゃれなボーダー柄がポイント。
キャラバン RLメリノナロボーダー
素材: メリノウール73%、ポリエステル14%、ポリウレタン13%
リーズナブルさを求めるなら化繊ソックス
比較的安価な靴下を選びたいなら、化学繊維素材のものがおすすめ。メーカーによって、配合や作り方が違うため、色々な+αの特徴はありますが、基本として化学繊維素材は、伸縮性があり、耐久性、速乾性に優れるなど、多くの強みがあります。また防臭性も高いので、夏山登山にはうってつけ。価格も快適さも妥協したくない人はぜひ!
ザ・ノース・フェイス
1966年、アメリカのカリフォルニアで創業したアウトドアブランドとして、日本でも人気。靴下は、いずれもユニセックス仕様。心地よいフィット感を生み出すアーチサポート機能で、登山の快適性もアップします。その中から夏におすすめの2商品をご紹介。
<トレッキングミッドウェイトクルー(男女兼用)>
メリノウールを含む5種類の混紡素材を使用し、アーチサポート機能やプロテクター機能で強度と快適さを両立しています。
ノースフェイス ミッドウエイト クルー
素材:アクリル、ポリエステル、ウール、ナイロン、ポリウレタン
<トレッキングミッドウェイトウールブレンド(男女兼用)>
全体にウール混紡糸を使用し、つま先やかかと部分にはさらにウール混紡率を高めた糸を使用。耐久性を高めています。
ノースフェイス トレッキング ミッドウェイト ウール ブレンド
素材:アクリル、ナイロン、ウール、ポリエステル、ポリウレタン
モンベル
日本を代表するアウトドアブランドとして、抜群の知名度を誇るのがモンベル。機能性にこだわった製品の数々は、ウエアから、ザック、キャンプ道具類まで実に多彩。夏用靴下には、耐久性と吸汗性、速乾性を合わせ持った高機能素材「ウィックロン」を使用した製品がおすすめ。
<WIC.トレッキングオーパイルソックス(男女兼用)>
パイル面を外側に向けるというデザインで、独特のフィット感を得られるのが特徴。耐久性、吸汗性、速乾性も抜群です。
サイズ:S〜XL
素材:ウィックロン(R)
価格:1,650円(税込)
WIC.トレッキングオーパイルソックス(男女兼用)
<WIC.サポーテックトレッキングソックス(男女兼用)>
土踏まずを下から支える独自構造が生み出す、優れたクッション性が、歩行の際に足にかかる負担を軽減してくれます。
サイズ:S〜L
素材:ウィックロン(R)
価格:1,980円(税込)
WIC.サポーテックトレッキングソックス(男女兼用)
靴下にもこだわれば、夏山はもっと快適で、楽しくなる!
山登りにおいて、足回りにこだわることはとても大切なことです。汗をかいて靴の中が不快になる、足が蒸れて皮膚が柔らかくなり、靴擦れしてしまう……など、夏は靴の中のトラブルも多発。そんなイヤな思いをしないためにも、今回ご紹介した夏山用の靴下選びのポイントを参考にしてみてください。そして、皆さんも夏山を快適に楽しんでください!