【信州土産のド定番】「雷鳥の里」のありがたみが増す7つの秘密(2ページ目)

雷鳥(大)
それにしても、きみ、ちっこいのに物知りですね。なんでそんなにいろいろ秘密を知ってるの?

雷鳥(小)
てへ。それは僕の「雷鳥の里」愛の深さもあるけど、この秘密の本を社長さんからもらったからなんだ

雷鳥の里 一代記

撮影:YAMA HACK編集部

雷鳥(小)が持ってきた『雷鳥の里 一代記』という1冊の本。著者は「雷鳥の里」を販売している(有)田中屋の先代社長・田中勝さん。2010年に自費出版されたものです。戦後苦労された個人史とともに、1973年の誕生以来、“なぜここまで「雷鳥の里」が定番商品として広まったか”という謎を解くヒントが書かれています。

雷鳥(中)
……(熟読)。この田中勝さんって、当時としてはアイデアマンだったんだね

雷鳥(小)
そうなの。商品開発や販売方法も画期的。また1970年代後半~1990年代前半のスキーブームも販売の後押ししたのかもね

秘密④:OEMの先駆け、製造は地元菓子メーカー
小宮山巌さん 田中勝さん

撮影:YAMA HACK編集部(『雷鳥の里 一代記』田中勝・著)

実は田中屋は「雷鳥の里」の販売元ではありますが、製造は安曇野市にある小宮山製菓というOEM(original equipment manufacturer)商品です。
黒部ダムへの観光客へのお土産販売で試行錯誤していた時に出会ったのが、小宮山製菓が作っていた欧風せんべい。「目方はあるけれど量はないし値段も高い」と言われたお菓子を「うまければいいです」と社長の小宮山巌さんに直談判。焼き型と包装などの機器は田中屋が出すことで「雷鳥の里」が誕生したのです!

雷鳥(大)
量(かさ)がなくて高いという難点を、個包装にすることで解決したんだね。「うまければいい」かぁ。でも食べてみないと「うまいかどうか」はわからないよね

雷鳥(中)
そこで田中社長が思いついたのが「試食」というアイデアなんだよ。えっへん(熟読したから自慢したい)

秘密④:試食品も商品のミニサイズで妥協なし
雷鳥の里 試食

土産物屋でよく見かける試食販売の先駆けが「雷鳥の里」って知ってましたか? これも田中社長のアイデア。しかも製造途中で出た割れや欠けなどのB品ではなく、試食用に一口サイズのものをわざわざ作っています

本の中で小宮山社長は「試食品でも湿気ていたことがない。いつも気を配っていることの表れ」と寄稿。試食のおいしさでつい商品を買ってしまうのも、こういう秘密があるのです。

ちなみにJR信濃大町駅の横にある、直営店「アルプスロマン館」では試食とともにお茶のサービスもあり。こういった小さな心配りこそが“田中屋スピリット”なのかもしれません。
雷鳥の里本舗 田中屋

「おっと、食べる前に『雷鳥の里』をよく見てみて!」

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