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雪山登山のマストアイテム『ピッケル』

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ピッケルとは、登山用具のひとつ。冬場、多くの山では雪が積もっており、ピッケルを雪面や氷面に刺すことで、傾斜のある雪上や氷上で足を滑らせたり、転落する危険を防ぐことができます。
用途はさまざまで、斜面で足場を作る際に使用したり、杖の代わりやテントのペグとして使用したりすることも。冬山登山の心強い味方となってくれます。
ピッケルの各部位の名称をチェック!

作成:YAMA HACK編集部
●ヘッド
ピッケルの上全体をヘッドと呼びます。歩行中はヘッドを持ち、杖のようにして使用
●シャフト
ピッケルの柄の部分。大きく分けてまっすぐなものとカーブしているものがあり、まっすぐなものは斜度が緩いところで、カーブしているものは氷の壁のような斜度が急なところで使用
●ピック
ヘッドの尖った部分。雪面に刺して体を支える役目
●ブレード
ピックの反対側。雪を掘ったり、氷を削るときに使用
●スパイク
シャフトの一番下部。杖の用に使うときに、雪面に刺して使用
種類や素材、長さの違いって? ピッケルの選び方

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種類は大きく3タイプ

出典:Amazon[左]縦走向け[中]ミックス向け[右]アイスクライミング向け
ピッケルには、「縦走向け」 「アイスミックス向け」 「アイスクライミング向け」の大きく分けて3種類があります。
●縦走向け
主に杖の替わりとして使うことが多い縦走は、シャフトがまっすぐなものが適当。
●ミックス向け
岩場や氷雪面などが混ざった路面、また急斜面を歩くのに向いているのが、シャフトが緩やかにカーブしたもの。
●アイスクライミング向け
ピックを氷壁に打ち込むのが多い時は、シャフトが短くカーブのきついものが最適。
素材・長さはどれがいい?

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素材がアルミやチタン製のものは非常に軽量で持ち運びが簡単。しかし急斜面や硬さがある地面に使用する場合は、スチール製のものをおすすめします。初めての購入やあまりハードな雪山登山をしない人はアルミ製のものを購入することが多い傾向にあります。
長さに関しては、どのような用途で使いたいのかにもよりますが、ピッケルを垂らしたときに地面につくものは長すぎます。緩やかな山がメインなら「長め」、急な山がメインなら「短め」をベースに、自分の身長や行く山にあわせて選びます。
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ブラックダイヤモンド|レイブン
ブラックダイヤモンドのスタンダードモデル。ステンレス製の堅牢なヘッドや握りやすいシャフトが特徴です。
ブラックダイヤモンド レイブン
サイズ | 55cm、60cm、65cm、70cm、75cm、80cm、90cm |
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重量 | 55cm=428g、60cm=445g、65cm=462g、70cm=478g、75cm=495g、80cm=512g、90cm=528g |
ブラックダイヤモンド|レイブンプロ
レイブンをベースに、ピックの長さを短く、ブレード部分も小さくしたモデル。それにより、軽量化と登攀性を高めています。また、シャフトをややカーブさせることで、より雪面に刺しやすい仕様になっています。
ブラックダイヤモンド レイブンプロ
サイズ | 50cm、55cm、60cm、65cm、70cm、75cm |
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重量 | 50cm=373g、55cm=389g、60cm=406g、65cm=423g、70cm=439g、75cm=456g |
グリベル| Gゼロ EVO
歩行メインのユーザーに人気のストレートシャフトモデルです。手の冷えを抑える、取り外し可能なプロテクターが付いているのがうれしいポイント。ヘッドカバーも付属しています。
グリベル Gゼロ EVO
サイズ | ブラック:58cm、66cm、74cm その他の色:58cm、66cm |
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重量 | 478g(リーシュ付き 66cm) |
グリベル|ネパールSA
比較的緩いカーブを描いてたS.Aシャフト(セルフアレストシャフト)のモデル。ストレートシャフトに比べ、雪面に深い角度で刺さるので支持力が強くなります。炭素鋼ヘッドで、ヘッドカバー付き。
グリベル ネパールSA
サイズ | 53cm、58cm、66cm、74cm |
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重量 | 497g(66cm) |
ペツル|グレイシャー
軽量さと頑丈さを両立したモデルです。手がかかる部分にはプラスチック加工を施すことで、グリップ性を向上。上級者モデルと同様に、高品質ステンレスを使用しています。
ペツル グレイシャー
サイズ | 60cm、68cm、75cm |
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重量 | 60cm=350g 、68cm=370g、75cm=390g |
モンベル| グレイシャー
縦走登山時に役立つベーシックなモデル。ヘッドとスピッツェにはクロムモリブデン鋼を使用しており非常に頑丈です。それでいて、シャフトにはアルミニウム合金なので軽量性も○。サイズも豊富で自分に合ったものが見つけやすくなっています。
モンベル グレイシャー
サイズ | 55cm、60cm、65cm、70cm、75cm |
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重量 | 55cm=365g、60cm=380g、65cm=395g、70cm=410g、75cm=425g |
オクトス|オリジナルピッケル
一般縦走向けのピッケルの中でも、比較的、手に取りやすい価格が魅力。耐久性を定めたUIAA(国際山岳連盟)規格のBタイプ(BASIC) で、一般的な縦走登山やロープを使わない登山をするのに十分な強度があります。
オクトス オリジナルピッケル OX-132
サイズ | 50cm、55cm、60cm、65cm、70cm |
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重量 | 50cm=約400g、55cm=約410g、60cm= 約420g、65cm=約430g、70cm=約450g |
カンプ|ネーヴェ
シンプルな形状で、傾斜の緩い雪山におすすめのオーソドックスなモデルです。ピック部分はクロモリスチール、シャフト部分はアルミニウムで、丈夫さと軽さを両立。ハンドドリーシュが付いています。
カンプ ネーヴェ
サイズ | 50cm、57cm、65cm、73cm |
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重量 | 50cm=約438g、57cm=約475g、65cm=約515g、73cm=約560g |
ピッケルと一緒に準備するべきリーシュ&カバー
リーシュやカバーを標準装備しているピッケルもありますが、付属していない場合は別途用意しましょう。
リーシュバンド
自分の身からピッケルを落とさないようにするためのものです。手首用と肩掛け用があるので、用途によって使い分けるのがベターです。
ブラックダイヤモンド スライダーリーシュ
強度 | 2kN |
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重量 | 34g |
金属製のスライダーで手首のループを調整するタイプ。
グリベル ロングリーシュEVO
強度 | ー |
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重量 | 30g |
石突の保護キャップもついているので、使用しないときも便利。
手首のフィット感は、片手で簡単に調節可能。
グリベル スプリングリーシュベルト
強度 | ー |
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重量 | 75g |
伸縮式のラバー入りストラップで、扱いやすい仕様。ピックと石突の保護キャップも付き。
手首・肩掛けの2通りの使い方が可能。
ピッケルカバー
ピッケルを使用しないときなどに鋭利な部分を覆うためのものです。不慮の事故を防ぐためにも必ず装着するようにしましょう。
ブラックダイヤモンド アックスプロテクター
使用可能サイズ | 市販されているほとんどのアイスツールに装着可能 |
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重量 | 39g |
市販されているほとんどのアイスツールに装着可能。
グリベル アックスガード
使用可能サイズ | ー |
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重量 | 27g |
プラスチック製のピック&ブレードのプロテクター。
グリベル カバーブレード
使用可能サイズ | ー |
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重量 | 11g |
ラバー製のピックプロテクター。
ペツル ピックスパイクプロテクション
使用可能サイズ | ぺツルの全てのマウンテニアリングアイスアックスに使用可能 |
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重量 | 13g |
鮮やかなカラーで紛失しにくい、ピックとスパイクの保護カバー。
リーシュが取り付けられるループ付き。
冬ならではの絶景を安全に楽しもう!

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日本ではどちらかというと暖かい時期の登山が主流ですが、雪山を楽しむ人も増えてきています。装備をしっかり整えて、冬ならではの白銀の絶景を楽しみましょう!