山ごはんに欠かせないクッカー!
「まだ山でごはんを作ったことがないけれど、これから挑戦したい!」そう思ったとき、必要になるのがマイクッカー。ドイツ語だとコッヘルと呼ばれるこのアイテムは、調理をする鍋として、また食器としても活躍。山ごはんを楽しむ上で欠かせません。
たくさんある中で、どれを選べばいいの?
しかし、登山道具店に行くとクッカーがズラリ…。どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。まずは、素材に大きな違いがあります。クッカーは主にアルミ・ステンレス・チタンの3つに大別されるのですが、それぞれ得意とする分野が異なるのです。特徴を表にまとめたので、自分のやりたい山ごはんや、理想とする持ち運びのスタイルなどを考慮する参考にしてみましょう。
アルミ | チタン | ステンレス | |
---|---|---|---|
軽さ | 〇 | ◎ | × |
熱伝導率 | ◎ | × | × |
保温性 | × | 〇 | ◎ |
耐久性 | × | ◎ | ◎ |
値段 | ◎ | × | 〇 |
※「×」の部分は全くない、というわけではありません。3つを比較した上での機能性がわかりやすいように、この表記にしています。
上記を比較すると、まず重量の点からステンレス製は登山に向いていません。ステンレスのクッカーは300g~500gであるのに対し、チタンは80~150g程度。その重さは2倍ほどにもなります。
しかし料理が冷めにくかったり、丈夫であるというメリットもあるため登山というよりキャンプやツーリング向きといえるでしょう。
登山向きは、チタンかアルミ!
金属の中でも特に軽量なチタン製クッカーは、同サイズのアルミ製と比較して、だいたい50~100gも軽いのが特徴。鋼に匹敵する強度を持つといわれており、耐久性もアルミより優れています。また、熱が逃げにくいので保温性も◎。その反面、熱伝導率の低さにより、調理の際に熱の通りにムラが出たり、焦げつきやすいというデメリットもあります。そのため、炊飯などはには不向きです。
アルミ製クッカーは重量があるものの、熱伝導率に優れていることで調理をしやすいのが利点。炊飯をはじめ、様々な料理を楽しみたいならアルミ製が重宝します。その一方で、飲み口や取手が熱くなりすぎるため、マグとしての使用やラーメンを茹でて食べるのにはあまり向いていません。耐久性はチタンより劣り、落としたり強い衝撃を加えると凹んでしまう可能性も。その分、値段はチタン製の約半分ほどで経済的です。
アルミ製・チタン製のおすすめクッカー6つ!
最初のクッカーは深型がおすすめ!
深型クッカーは、それよりも小さいサイズのクッカーやガスカートリッジを中に入れて収納でき、パッキングしやすいというメリットがあります。また、ふたがフライパンになるモデルも多く、汎用性の高さも◎。ここでは、深型タイプを中心におすすめを紹介します!
アルミ製のおすすめ深型クッカー
モンベル アルパインクッカーディープ 11
鍋や食器としてふたも使える無駄のなさ! アルミの弱点でもある熱くなりやすい取手部分にはシリコンカバーが施され、持ちやすくなっています。本体には250サイズのガスカートリッジや小型ストーブがすっぽり入り、収納性も抜群。2,100円という手頃な値段も、はじめて購入するクッカーとして最適ですね。
モンベル アルパインクッカーディープ 11
サイズ:本体:12.7×10.0cm(750ml)、ふた:12.0×6.0cm(430ml)
プリムス クッカー イージークックNS・ソロセットM
ハードアノダイズド加工による強度UPで、アルミの弱点である耐久性にもテコ入れされたモデル。さらに、内側には焦げ付き防止のためのノンスティック加工が施されています。手頃な値段でソロ使用に十分な900mlと400mlがセットになっているのも嬉しいポイント。同メーカーのイージークックシリーズのミニキット、ソロセットSのスタッキングが可能です。
プリムス クッカー イージークックNS・ソロセットM
サイズ:ポット11.2×9.9cm(900ml)、ミニポット11.2×4.8cm(400ml)
エバニュー セラミックコッヘル深型11
セラミックコーティングが食材のこびり付きを防止。汚れも落としやすく、お手入れしやすいのが特長です。カラーバリエーションも豊富で、他のモデルよりもおしゃれ感あり!
エバニュー セラミックコッヘル深型11
サイズ:ナベ内径11cm×深さ9.5cm、フタ内径11cm×深さ2.8cm、外寸径14cm×高さ13.6cm
チタン製のおすすめ深型クッカー
EPI ATSチタンクッカーTYPE-3M
外側の底にはアルミが吹きつけられており、チタンの弱点である熱伝導のムラや食材の焦げを軽減。また、ザラザラとした底面は滑り止め効果があり、ゴトクの小さいストーブ上でも使いやすくなっています。注ぎ口もあるので、麺類の湯切りもばっちり!
EPI ATSチタンクッカーTYPE-3M
サイズ:本体10.4×11.2cm(900ml)、ふた3.5×11.2cm(280ml)
スノーピーク ソロセット極チタン SCS-004T
他のモデルのようにふたがフライパンやカップになるのではなく、ふた付きのポットとは別にカップが1つ付いてきます。ポットの深さは約12cmと、他のクッカーよりも深い造りとなっているのが特徴。その深さはなんと、インスタントラーメンのカップが収納できるほど! 浅型カップの方には、ガスカートリッジが収納できます。
スノーピーク ソロセット極チタン SCS-004TR
サイズ:ポット10.9×12.5cm(880ml)、カップ11.0×7.1cm(540ml)、ふた10.4×2.7cm
エバニュー チタンクッカー深型 セラミック
内側にはセラミックコーティングが施されているので、食材のこびり付きを抑えてくれます。ふたは比較的浅めで、フライパンとして使いやすい造り。スタッキング可能なサイズ違いのモデルがSからLLまで展開されているので、必要に応じて買い揃えもできる拡張性が◎。
エバニュー チタンクッカー深型 セラミック ECA402
サイズ:なべ11cm×深さ9.5cm(900ml)、ふた11cm×深さ3cm(250ml)
得意分野別・こんなクッカーもある!
山でお米を炊きたいならコレ!
ごはんがおいしく炊けると登山者に大人気のメスティン。一般的な角形クッカーよりも直方体で、飯盒に近い形状です。取手が長いので熱くなりにくく、使いやすさもお墨付き。パッキングがしやすく、内部に小物を入れる容器として使うことも可能です。
トランギア メスティン TR-210
材質には熱伝導に優れたアルミを使用し、アルコールバーナーでもおいしくご飯を炊き上げることができます。1.8合まで炊飯できるので、ソロはもちろん、2人分にも対応しています。
袋ラーメン派にはコレ!
袋入りのインスタントラーメンに最適なのが、正方形の角形クッカー。麺を割らずに調理することができ、山でもおいしくラーメンを食べることができます。角があるので、液体を注ぎやすいというメリットも。小物や食材の収納力も抜群です。
ユニフレーム 山クッカー 角型 3
サイズの異なる角型クッカー2つとフライパンがセットになった、料理の幅が広がるモデル。袋ラーメンを割らずに収納でき、調理時もそのままポンっと入れるだけ! 素材はアルミ製のため熱伝導が良く、炊飯にも活用できますよ。大きい鍋でお米2合、小さい鍋ではお米1合を炊けるので、ソロだけでなく、2人分の食事にも対応しています。
ユニフレーム 山クッカー 角型 3
サイズ:なべ130×130×77mm/炊量2合、なべ110×110×65mm/炊量1合、フライパン130×130×35mm、収納時140×140×80mm
雲上で極上の山ごはんを!
登山ではアルミ製とチタン製クッカーを中心に選ぶのがポイントです。それぞれ得意とするところとデメリットとなるところを持ち合わせていますが、最近ではコーティングで補強してデメリットをカバーしたモデルが多数出ています。紹介した各モデルを参考に、是非山ごはんデビューを果たして雲上での食事を楽しんでくださいね!