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【今年こそ本格登山!】登山のヘルメット、どう選ぶの? 石井スポーツの人に聞いてきた(2ページ目)

槍ヶ岳のガラ場

出典:PIXTA(槍ヶ岳のガラ場)

当然、土の平坦な登山道に比べると、ゴツゴツした岩場は転倒時の怪我のリスクが高くなりますし、ガラ場は落石のリスクも高くなります。ただし留意してほしいのは、上記の『ヘルメット着用推奨山域』だけヘルメットを持っていけばいい、というわけではないということ。

長野県のみならず、その他の山でも滑落や落石の危険性が高い山ではヘルメットが必要になります。『その山へ行くにはヘルメットがあった方がいいかどうか』を、自身で調べて判断できるのが理想です。

ヘルメットは大きく分けると2種類ある

植田さん

撮影:YAMA HACK編集部(石井山専 新宿東口ビックロ店・植田さん)

では、いよいよ初めてヘルメットを買うぞ!と意気込んでみても、どんなものをどんな基準で選べばいいのでしょうか? そこで今回は登山ギアのスペシャリスト、石井山専 新宿東口ビックロ店・植田さんにヘルメットについてお話を伺ってきました。

編集部(以下:編):今日はよろしくお願いします。早速なんですが、今年ヘルメットが必要とされる山域に行くことが決定して、初めて「自分の登山用ヘルメットを買おう!」という人は、お店に行くと様々なヘルメットがズラーっと並んでいて、どう選んでいいかわからないと思うのですが…。

もちろん頭の形に合う・合わないは前提として、何か選ぶ基準はあるのでしょうか?

植田さん:そうですね。まず、登山用ヘルメットは大きく分けると2種類にわかれます。1つは軽量なモデル。インモールドタイプ、とも言います。
このタイプは、200g台前半のものからありますね。およそバナナ2本分くらいです。

ICIのヘルメット売り場

撮影:YAMA HACK編集部(石井山専 新宿東口ビックロ店のヘルメット売り場)

この日売り場にあったヘルメットで、200g台の軽量モデルは主に
・ブラックダイヤモンド ベクター(230g/240g)
・ペツル メテオ(220g/225g)
・カンプ スピード 2.0(268g)
・エーデルリッド シールドライト(220g)
・マムート ウォールライダー(220g)
・グリベル ステルス(200g)
などがありました。

※2018年4月時点

編:へ~! そうやって考えるとめちゃくちゃ軽いですね。ちなみにもう1種類は?

植田さん:もう1種類は頑丈なタイプ。これらは主に、300g台がほとんどです。こちらはハイブリッドタイプ、などという言い方もします。この2つの何が違うかというと、“軽い部分の素材が多いか少ないか”、“固い部分が多いか少ないか”…まぁ、そのまんまなんですが(笑)

ICIヘルメット売り場

撮影:YAMA HACK編集部

頑丈タイプは
・マムート スカイウォーカー2:380g
・エーデルリッド マディーロ:390g
・カンプ アーマー:355g
・ワイルドカントリー フュージョン:332g、370g
・グリベル サラマンダー:352g
などがありました。

※2018年4月時点

編:うーん。これ、軽量か頑丈か、どういう基準で選べばいいんですか? どちらも大事な要素な気がします…。

植田さん:まず両方に共通して言えるのは、内側にEPS(発泡ポリスチレン)という素材を使用していて、外側のシェルの素材がそれぞれ異なります。それにより重さに違いが出るんですが、軽量タイプは衝撃を吸収してくれる一方、頑丈タイプは衝撃を拡散してくれる働きがあります。

軽量タイプと頑丈タイプ

撮影:YAMA HACK編集部(左が軽量・右が頑丈タイプ)

編:やっぱり軽量な方がいいかなぁ、と思っちゃいますよね自然と。

植田さん:そうですね、最近みなさん、軽量なタイプを選びますね。持ち運ぶ時間・被っている時間が長ければ長いほど、やっぱり軽量なほうがいいと思います。200gと300gって、たった100gの差だけど、これって結構大きいんですよ。

編:100gというと…(スマホで調べる)あ、じゃがいも1個分くらいだそうです。

植田さん:「なんだ、それくらいか」って思うかもしれませんが、これはかなり大きい差だと思います。例えばクライミングの時は朝から晩まで、10時間以上被っていたりします。そうなると、頭って体の末端なので、この100gがじわじわ効いてくるんですよ。

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