孤高の人

孤高の人|山岳漫画の金字塔!あらすじと衝撃のラスト【ネタバレ有】

孤高の人をまとめました。漫画になった孤高の人の最終回はどうなるのか?ラストのネタバレ含めあらすじや意味をご紹介します。宮本や白井など色んな登場人物がでてきますね。映画にはなっていませんが、1度は読むべき名作ですよ!

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登山家の壮絶な人生を描いた『孤高の人』

マンガ「孤高の人」6巻表紙
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漫画『孤高の人』を読んだことはありますか?実在の登山家をモデルにしたストーリーで、週刊ヤングジャンプで連載されていました(完結済み)。「実際にあった出来事」だからこその「リアルと迫真に満ちた壮絶な物語」は、作者・坂本眞一氏の圧倒的画力と相まってその芸術性も高く評価されています。第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作品です。

『孤高の人』は新田次郎による小説が原作

孤高の人の原作

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原作は、昭和初期に実在した孤高の登山家・加藤文太郎をモデルにした山岳小説。それまで裕福な人々のものとされていた登山でしたが、彼は社会人登山家として活躍しました。単独行の加藤文太郎としても知られており、たった1人で数々の登攀記録を打ち立てました。漫画は小説を原案にしていますが、結末が大きく異なっています。

『孤高』の意味とは

孤高(ここう)とは、個人の社会生活における1つの態度を表し、ある種の信念や美学に基づいて、集団に属さず他者と離れることで必要以上の苦労を1人で負うような人の中長期的な行動とその様態の全般を指す。本来は俗世間との通行を自ら断って1人で道を求める者の姿を指しており、私利私欲を求めず他者と妥協することなく「名誉」や「誇り」といったものを重視する姿勢から、周囲が「気高さ」を感じるような良い意味での形容に用いられる他に、協調性を欠いた独自の態度を軽く批判する場合にも用いられる。出典:ウィキペディア

まさに単独行で数々の厳しい登攀を成し遂げた、加藤文太郎を指すぴったりな言葉です。

漫画『孤高の人』のあらすじ。最終回はどうなる?!

孤高の人の表紙

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孤独で謎めいた主人公の森文太郎。転校した高校でクライミングに取り憑かれ、次々と過酷な山へ足を踏み入れていくようになります。難攻不落の氷壁・K2のアタック隊プロジェクトにスカウトされるまでになった彼ですが、仲間の死やプロジェクトの頓挫、裏切りにあいさらに心を閉ざしていくようになってしまいます。

孤高の人のワンシーン

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「孤高の人」が面白い理由は、美しい大自然の描写もさることながら、絵だからこそ表現できる人間の精神世界や、人間関係のしがらみなどが忠実に表現されている点。孤独でいようとする森文太郎が、馴染めない社会と自分の心のはざまで葛藤する描写は読んでいて胸がズキズキします。

孤高の人のワンシーン

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物語の後半になると、孤独だった文太郎も結婚して彼女の苗字である加藤を名乗り、加藤文太郎となります。子どもが生まれ、徐々に過去の狂気じみた山への想いは薄れていく文太郎。登山とも遠ざかった平和な日々を送っていましたが、そこに後輩が現れ、「やっぱりK2に登らないか」という誘いを受けた文太郎の胸にくすぶる、果たせなかった登頂への想い。果たして文太郎の決断は――――?

ネタバレ注意!原作・漫画で異なる衝撃のラストとは?

孤高の人の表紙

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漫画と原作小説では、その結末が大きく異なります。漫画では、文太郎とその後輩・建村が2人で前人未踏のK2東壁に挑みます。しかし極限の雪山で建村が自らザイルを切り、文太郎は単独でK2の登頂を果たします。帰国後、ひどい凍傷で指を失いながらも再び山を登る文太郎の姿を描いて完結。しかし、小説では―――…みんなの感想を覗いてみましょう。

漫画『孤高の人』の感想

山岳小説で孤高の人を知り、コミックスも読んでみたくて購入しました。坂本先生の画の魅力、賛否両論のクライマックスの違いがありますが、私的には小説ベースのこちらの孤高の人=加藤文太郎に心から拍手を贈ります。絶対に史実通りではなくてもいいんです。誰もが奥底ではハッピーエンドを願っているのですから。抽象的な画も漫画だからこそ充分理解出来ます。今後も何度も読み返す最高傑作です。出典:Amazon

 

「イノサン」もそうですが、この作者の作品は「画集」と呼んだ方がいいのではという気がします。
文太郎が高校生の頃の絵と、終盤の絵ではかなり違っていて、どんどんリアルになっていきます。
文太郎の性格が、高校生の頃は「うぜー、あーうぜー」「一人がいいんだ!!」とかは言えていたのに、社会人になってから大事なことも何ひとつ言えなくなって、「あ・・・」「え・・・?」くらいしか喋れなくなり、どんどん不利な状況になっていくのがちょっと違和感がありました。
「孤高の人」の小説も読みましたが、もし小説と同じ結末だったら、読了後かなり落ち込んだと思います。漫画の方のラストの方が好きです。出典:Amazon

小説『孤高の人』の感想

上巻に続いて、下巻も一気に読み終えた。

上巻で加藤文太郎のいい所も、悪い所も分かってきていたので、
いつしか加藤文太郎を身近に感じ、応援している自分がいた。

登山家の運命ともいうべきか、壮絶な最後が待っていた。
冬山で、決断していく一つ一つが、最後の結末を引き起こしていく。
迫真に迫るものがあった。出典:Amazon

人との出会いで変わっていく人生。もうここまでくると、先が分かっていても、なんとか生きていて欲しい。と願いながら読んでしまいます。
奥様とお子さんがその後幸せである事を願ってやみません。出典:Amazon

そう、小説では文太郎はラストに命を落としてしまいますが、それを踏まえて漫画の文太郎は生き、また違った形で山へ向き合うシーンで幕を閉じます。賛否両論あるこの結末…両作品読むとさらに感慨深いものになることでしょう。

『孤高の人』を読んでみよう!

孤高の人 全17巻

孤高の人

出版社:集英社
作者:坂本眞一
版型:B6

孤高の人〈上〉 (新潮文庫)

孤高の人<上>

出版社:新潮社
作者:新田次郎

孤高の人〈下〉 (新潮文庫)

孤高の人<下>

出版社:新潮社
作者:新田次郎

登山しない人でもハマる、『孤高の人』の世界

孤高の人の舞台K2

漫画『孤高の人』は現代を生きる人なら誰しも共感できる部分があるのではないでしょうか。現代を生きるしがらみ、人間関係や孤独感など登山以外の部分でも多彩な表現に引き込まれてしまいます。圧倒的な画力で山に興味のない人でもクライミングを始めたいと思わせられる『孤高の人』、ぜひ一度読んでみてください。

To the world of “Kokou no hito“!

孤高の人』の世界へ!

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