アイキャッチ画像出典:PIXTA
丹沢だけじゃない!自然を満喫できる場所が点在する小田急電鉄

東京の巨大ターミナル・新宿駅から西へ延び、神奈川県小田原駅を結ぶのが小田急電鉄(小田急小田原線)です。
武蔵野台地・相模平野など平地を走るイメージが強い通勤路線で、沿線で有名な山は丹沢山塊くらい……と思う人も多いのではないでしょうか。
今回はそんな小田急電鉄沿線で全8箇所のスポットをピックアップしました。手軽な自然散策から本格的な登山まで、あなたにぴったりのコースがきっと見つかりますよ!
※各コースをクリックすると、コース詳細へジャンプします
◾️短時間でも楽しめる!都会のオアシス
◾️駅から駅へ。達成感抜群の縦走コース
◾️やっぱり定番!丹沢の山々
◾️箱根方面に足を延ばせばさらに充実
短時間でも楽しめる!都会のオアシス

まず紹介するのは、ハイキングというよりお散歩レベルで楽しめるコースです。歩行時間も短いので、安・近・短のニーズにもぴったり。
それでも色濃い自然の息吹を堪能できるコースは、都会のオアシスともいえるリラクゼーションスポットです。
①生田緑地・枡形山(向ヶ丘遊園駅)

コース概要
向ヶ丘遊園駅(15分)→生田緑地東口(20分)→あじさい山(30分)→枡形山(10分)→生田緑地東口(15分)→向ヶ丘遊園駅

神奈川県川崎市に位置する生田緑地は、1941年に計画決定された都市計画緑地。植生豊かな雑木林や台地が河川に削られた谷戸(やと)の湿地・湧水など、里山の自然が色濃く残された場所です。園内には日本民家園や複数の美術館など、文化施設も併設されています。
最高峰の枡形山(ますがたやま/84m)の山頂には展望台が設置されており、ビルの間からではありますが富士山を眺望することが可能。特に桜の花で覆い尽くされる春の風景は、多くの人を惹きつける絶景です。

枡形山以外にも園内にはあじさい山・つつじ山などの丘が連なっているほか、しょうぶ園などもあり春〜初夏にかけて様々な花々を楽しむことができます。ゲンジボタルも生息しており、生物にとっても貴重な自然環境が維持されているのです。
また高さ30mを越えるメタセコイアの並木もあり、例年11月下旬には並木道の上空がオレンジ色の紅葉で覆い尽くされます。四季を通じて、いつ訪れても魅力的な、まさに「都会のオアシス」と呼べるスポットです。
②岡上梨子ノ木緑地(鶴川駅)

コース概要
鶴川駅南口(5分)→五反田橋(30分)→囿縁寺(10分)→岡上梨子ノ木緑地(10分)→地蔵尊(25分)→光寿園(5分)→岡上神社(10分)→東光院宝積寺(5分)→本村橋(5分)→鶴川駅南口

以下の説明文のファクトチェックして。
神奈川県川崎市麻生区の岡上(おかがみ)地区は、麻生区のほかの地域とは離れ、横浜市(神奈川)と町田市(東京)に囲まれた川崎市の飛地です。現在は川崎市の一部ですが、もともとは「岡上村」という独立した村でした。
周辺の村々とは地形的な隔たりがあり、交流は少なかった岡上村。ところが、特産品の禅寺丸柿(ぜんじまるがき)の出荷などをきっかけに、柿生村(現在の麻生区の大部分)との交流が盛んになりました。1939年、岡上村の南に位置する都筑郡の村々で横浜市への編入が進み、岡上村も横浜市か川崎市のどちらかと合併することに。そこで、つながりの深かった柿生村とともに川崎市へ編入。こうして、川崎市のほかの地域から離れた「飛び地・岡上」が誕生しました。
岡上梨子ノ木緑地は川崎市の特別緑地保全地区となっている里山で、例年7月上旬〜中旬にかけて、川崎市麻生区の花・ヤマユリが大輪の花を咲かせます。

コース周辺は、柿の木をはじめとする農地が広がるのどかな丘陵地帯が広がっています。
また、川崎市の重要歴史記念物である兜跋毘沙門天立像を安置する古刹・東光院宝積寺や、縁結びと出産の神様・金勢大明神碑を安置する岡上神社などの寺社も点在しており、自然と歴史の両方を満喫することができるエリアです。
東光院宝積寺から本村橋へと下る坂道には、家屋の防風・防寒対策や落ち葉を柿畠をはじめとする農地の肥料として利用するためにケヤキを植えた屋敷林が続いており、その鬱蒼とした巨木群にいにしえの人々の息吹を感じることでしょう。
駅から駅へ。鉄道沿線ならではの縦走コース

鉄道沿線をめぐる登山ならではの魅力が、駅近の登山口から複数の山をつなぐ「駅 to 駅」の縦走です。ここでは登山初心者にも人気の定番コースと、距離は長いものの達成感あふれるロングコースの2つを紹介します。
③弘法山〜権現山(秦野駅〜鶴巻温泉駅)

コース概要
秦野駅(20分)→登山口(30分)→浅間山(20分)→権現山(10分)→関東ふれあいの道分岐(10分)→弘法山(10分)→関東ふれあいの道分岐(30分)→蛇窪分岐(20分)→吾妻山(10分)→登山口(20分)→鶴巻温泉駅

小田急線沿線というだけでなく、首都圏のハイカーにとってスタート・ゴール地点が異なり複数の山を登頂する縦走という形式の登山入門コースとして親しまれているのが、秦野駅からの浅間山(せんげんやま/196m)・権現山(ごんげんやま/243m)・弘法山(こうぼうやま/235m)を踏破するコースです。歩きやすい登山道が整備されており、気軽に山歩きを楽しんでみたいという方におすすめです。
権現山・弘法山にはトイレ・水道が整備されているため、バーナーでお湯を沸かしたりフライパンで食材を焼くこともでき、アウトドアクッキング初心者にもおすすめの山です。火器の取り扱いには細心の注意を払い、ゴミや残り汁は必ず持ち帰るなど自然環境を汚さないマナーを守れば、山頂でのごちそうを満喫することができますよ。

弘法山公園は神奈川県花の名所100選としても有名です。例年3月下旬~4月上旬の見頃にはソメイヨシノを中心に約1,400本が咲き、冠雪の富士山を背景にした桜が見事な景観を織り成します。
下山後は、日帰り入浴施設・弘法の里湯への入浴がおすすめです。豊かなカルシウムを多く含んだ良質なお湯を、気軽に楽しむことができる公営の日帰り温泉。神経痛、筋肉痛、慢性消化器病、慢性婦人病、動脈硬化症などにも効能があるお湯は、ハイキングや登山の後に最適です。
④渋沢丘陵(秦野駅〜渋沢駅)

コース概要
秦野駅(20分)→南小学校前(10分)→白笹稲荷入口(25分)→震生湖(15分)→震生湖バス停(5分)→浅間台(30分)→栃窪会館(20分)→八国見山分岐(15分)→八国見山(15分)→渋沢分岐(20分)→雁音神社(15分)→神山滝分岐(20分)→頭高山(15分)→神山滝分岐(20分)→白山神社(10分)→泉蔵寺(35分)→曲松一丁目(5分)→渋沢駅

いずれも丹沢山塊の玄関口で知られる秦野駅・渋沢駅間を走る小田急線の南側に連なるのが、渋沢丘陵と呼ばれる山々です。浅間台(浅間台/221m)・八国見山(やくにみやま/319m)・頭高山(ずっこうやま/303m)などが連なっています。
八国見山はその名の通り、駿河・伊豆・相模・甲斐・武蔵・上総・下総・安房(現在の静岡・神奈川・山梨・東京・埼玉・茨城・千葉周辺の旧国名)の八国を一望できたといわれる展望ポイントで、現在でも富士山の眺望が見事です。

特徴ある山名の頭高山からの展望も秀逸。ベンチやテーブルが整備された山頂からは、小田急線を挟んで北側に連なる大山から塔ノ岳へと続く表丹沢の山並や、富士山を眺望することができます。
秦野盆地の湧水群は、当時の環境庁が選定した昭和の名水百選にも選ばれています。秦野駅からスタートしてすぐの今泉名水桜公園、秦野市立南公民館にあるまいまいの泉、関東三大稲荷のひとつである白笹稲荷神社境内の一貫田湧水などの水風景も楽しみたいもの。関東大震災で誕生した震生湖も、春の桜や秋の紅葉が水辺を彩ります。
