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「出会い」がプロダクトを変えていく。ヘッドランプから始まったmilestoneが、日本屈指のトレイルブランドへ成長した理由

アウトドア用のヘッドランプのブランドとして2014年に誕生した『milestone』。近年では、アパレルを積極的に展開。軽くて動きやすい機能だけでなく、デザイン性の高さも評判になっています。

それらは既存のプロダクトにはない、ストーリーが感じられるモノ。

ヘッドランプブランドから、山と道具を愛する人が注目するトレイルブランドとなった現在、これまでとこれからを、エグゼクティブディレクターの西岡修平さんに聞きました。

 

目次

ヘッドランプからはじまった、アウトドアプロダクトの新風

撮影:ポンチョ

『milestone(マイルストーン)』は、日本発のアウトドア用ヘッドランプメーカー。
多くのヘッドランプに搭載される白色光ではなく電球色を採用。ナチュラル・ウォーム・カラーと呼ぶその光は、暖かくて目にやさしいもの。
夜の山で行く先を見通せなくなる霧の中では光の乱反射を抑えて、クルマのフォグライトのような機能を発揮。登山者、ランナーを目的地までサポートしてくれます。

ブランドがはじまったのは2014年と新しいですが、大阪・寺田町に本社を置く、創業100年を超える老舗灯器メーカー『冨士灯器』の一事業として展開され、その技術、ノウハウを継承しています。

マイルストーン カタログ
撮影:ポンチョ

日本のアウトドアシーンでのヘッドランプは、ぺツルやブラックダイヤモンドといった欧米ブランドが定番として揺るぎない評価を得ています。

そんな中、「電球色」をアイコンとして、機能、デザイン、さらには商品パッケージ、カタログからストーリーを感じた道具好きが、「オッ!なんだかイイね!」と、日本のアウトドアブランドらしからぬ佇まいのマイルストーンに注目しました。

私、ライターのポンチョもそのひとりです。

マイルストーン カタログ
撮影:ポンチョ

国際電話の国の識別番号、日本の「81」がヘッドランプのパッケージに大きく印刷されたデザイン。アウトドアショップに置かれていたA5版のカタログを見て、写真集のような、レコードアルバムのジャケットのような写真に魅きつけられました。

しかも被写体となっていた欧米人の、自然のなかだけでなく、街や作業場等々、いわゆるストリートでヘッドランプを装着、身につけている姿を見て、そのセンスに、アウトドアブランドのカタログとしての新しさに、魅力を感じました。

そして、「こんな面白いブランディングをするヘッドランプ、試しにひとつ買って、使ってみるか!」となったのです。

カタログのイメージ写真を撮っていたのは

マイルストーン 西岡修平
撮影:ポンチョ(エグゼクティブディレクターの西岡修平さん)

マイルストーンを立ち上げたのは、エグゼクティブディレクターの西岡修平さん。
昨年2025年のカタログVOLUME10にも書かれていますが、カタログのイメージ写真を撮影しているのは、当初から現在に至るまで、すべて西岡さん自身によるもの。
なんと冨士灯器のヨーロッパでの展示会出張の際に、道行く人に声を掛けて撮影をしたそうです

西岡さんは、10代からヒップホップ音楽に傾倒。米カリフォルニアに留学していた20代は音楽活動をしながら報道写真を学び、プロカメラマンを目指していたそうです。
そう、だからこそ、印象的な写真を撮ることができるのです。その写真からは、被写体と過ごした時間が奏でる音楽も聞こえてくるようです。

いや、もしかすると、西岡さんは誰かと出会った時に、その人が奏でる音楽が聞こえていたり、被写体となる人と会話する空間には西岡さんにだけ聞こえる音楽が流れていて、それを写真に撮っているのかもしれません。

マイルストーン寺田町
撮影:ポンチョ ※直営店milestone TERADACHOに設置されたDJブースのレコードプレイヤー

今回、西岡さんにマイルストーンの現在地、これまでとこれからを聞いて、こんなことを話してくれました。

僕はプロダクトに込める思いがすごく強いから、 ひとつずつが作品やと思ってるんですよ。 プロダクトのすべてが作品やし、カタログも作品、プロモーションビデオも作品。 それぞれがマイルストーンの顔となって世に出ていくわけですから、すごい考えたし、努力もしましたね」

30代になった西岡さんは、灯器メーカーの家業を継ぎ、間もなくマイルストーンを立ち上げました。
その道を歩みだすまでの過程で、家族や会社で働く人から職人的な資質を自然と受け継ぎ、音楽や写真に取り組むなかでは、アーティストとしての思考、想像力を養い、喜びを体験したのだろうと、想像します。

マイルストーン寺田町
撮影:ポンチョ

「僕、音楽やってたんで、 0から 1 を作るのが好きなんですよ。 0 からつくる楽しさを知ってるんで、それがお客さんに響いた時のうれしさがあるんです。

ヒップホップっていうジャンルをやってたんですけど、アナログレコードからジャズのフレーズとかをサンプリングして、それをループさせてドラムを足していって打ち込んでいくっていう手法なんです。その音源を基にスタジオでアーティストとレコーディングしたり、スタジオエンジニアと音楽を綺麗に整えていくんです。その時間はとても特別な時間で、モノづくりとも似てるんですよね

そう話してくれた場所、オフィスも兼ねた大阪・寺田町の直営店『milestone TERADACHO』は、マイルストーンが手掛けたプロダクトが勢揃いし、ヘッドランプの性能を試せる暗室も完備。シャワールームもあって月に一回ランニングイベントを開催。他にも個展やトークショー、ランナーが営む飲食店のPOP UPが行われています。店内にはDJブースがあり、イベントによっては西岡さんが入って音楽を鳴らすこともあるそう。

私が訪れた日にも、天井から吊り下げられた十二面体スピーカーが、アップテンポな音楽を響かせていました。

音楽のつながりは、マイルストーンのベース

マイルストーン プロモーションビデオ
撮影:ポンチョ ※モニターに映し出されているのは、マイルストーンのプロモーションビデオ

「マイルストーンのメインのデザイナーとは、もう20年以上の長い付き合いです。元々音楽関係のつながりなんですけど、ロゴやカタログのデザインから、言うたら、ここの内装も設計も全部やってくれているんですよ。
もう才能の塊で、20代で出会った時に、いつか自分で仕事をやるようになったら、彼とはしっかりやりたいなっていうのは決めていました。

プロモーションビデオも同様に音楽のつながりのカメラマンさんにお願いしています。絵の質やセンスは、既存のアウトドアのプロモーションビデオにはないもの。これからもずっと一緒にやっていきたいですね」

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