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“自然な足運び”を生むアルトラのシューズ

近年、登山に「トレランシューズ」を取り入れる人が増えてきました。一般的な登山靴と比べて、軽量でクッション性が高く、足さばきの良さが魅力です。
中でも注目を集めるブランドのひとつが「ALTRA(アルトラ)」。独自の構造と快適な履き心地で、トレイルランナーはもちろん、多くの登山者からも支持を集めています。

アルトラは2009年にアメリカで誕生したランニング&トレイルシューズブランド。足本来の動きを引き出す「自然な走り」をコンセプトに、快適さと機能性を兼ね備えたシューズを展開しています。
「ゼロドロップ」が導く、自然な足運び

アルトラのシューズは、まるで素足で地面をとらえるような感覚が得られるのが大きな特徴。その秘密は「ゼロドロップ」構造にあります。これは、かかととつま先に高低差のない、アルトラ独自のフラットなソール設計のこと。
この構造により、かかとから着地する「ヒールストライク」を抑え、足裏全体を使った自然な歩き方をサポート。足やふくらはぎ、体幹をバランスよく使えることで、足本来の力を引き出すことができます。
ライター橋爪
最初はペタッとした不思議な感覚でしたが、歩き出してしばらくすると体に馴染んでいました。
自然と足裏全体を使って歩いていることが感じ取れますね!
ゼロドロップのシューズは、一般的な靴と比べて足の筋肉をより使う設計のため、慣れるまでは負荷を感じることもあります。ですが、その分しっかりと足の筋力が鍛えられ、結果的には足への負担を軽減することにつながります。
つま先が幅広の「フットシェイプ」デザイン

もう一つの大きな特徴が、足の自然な形に合わせて設計された「フットシェイプ(足型)」デザイン。アルトラのシューズは、特に指先が広がるよう工夫された広いつま先形状が特長です。

提供:ロータス
幅広なつま先により、足指を締めつけず圧迫感が少ないため、長時間の歩行でも快適に。外反母趾や足幅が広い人からも高い評価を受けています。また指先でしっかり踏ん張りやすいため、不整地であっても安定感のある歩行につながります。
ライター橋爪
たとえば逆立ちをするとき、手を広げたほうが安定しやすいですよね。同じように、足の指先が自然に広がることで、歩行中もバランスがとりやすくなります。
モデルによって選べるフットシェイプやクッション性

使用シーンや歩く距離、荷物の重さなどに応じた多彩なラインナップを揃えており、登山者・トレイルランナーのニーズに柔軟に応えてくれます。
スタックハイトやフットシェイプの形状、アッパー素材、安定性を高めるガイドレールの有無など、細かな特徴をチェックしながら、自分に合うモデルを選んでいくことが可能です。
スタックハイト
スタックハイトとは靴底の厚みのこと。アルトラではスタックハイトの厚みによって、4つにカテゴリー分けされています。
- ロークッション
- スタックハイト〜24mm
- モデラート
- スタックハイト25〜27mm
- ハイクッション
- スタックハイト27〜29mm
- マックスクッション
- スタックハイト30〜33mm
フットシェイプ

提供:ロータス
最も広いスペースが確保された「オリジナル」、オリジナルとスリムの中間に位置する、一般的なフットシェイプの「スタンダード」、スリムなサイズでありながら、足指を自然に広げることができる「スリム」の3種類が展開されています。
アルトラの人気3大モデルをレビュー

今回は、アルトラのトレランシューズでも人気の高い「ローンピーク9+」 「ティンプ5」 「オリンパス6」の3モデルをテスト。
低山や岩場を伴う日帰りのアルプスを、コースタイムの150%で歩くようなファストハイクのスタイルで使用してみました。それぞれの特徴やおすすめのシーンを紹介します。
ローンピーク9+ | ティンプ5 | オリンパス6 | |
---|---|---|---|
重量 | 約327.7g(メンズ) | 約277g(メンズ) | 約345g(メンズ) |
スタックハイト | 約25mm | 約29mm | 約33mm |
ドロップ | 0mm | 0mm | 0mm |
フットシェイプ | オリジナル | スタンダード | オリジナル |