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登山用の傘ならこれ!arataの「AU-08 / WHITE」

arata「AU-08 / WHITE」
日本の登山シーンは上昇気流が生まれやすい山岳地帯。さらに、風雨をさえげるものが少ない森林限界を超えたシーンも多く、高頻度で強風に遭遇します。
そんな環境で使用する傘の最適解として生まれたのがarataのトレッキング用アンブレラ「AU-08 / WHITE」です。
山での使いやすさを追求した6つのポイント
さまざまな登山向けの傘が世にあるなかで、arataの「AU-08 / WHITE」が注目されている理由ともいえる、日本の登山シーンに特化した“つくり”や特徴を見てみましょう。
①耐風性と軽量化の両立を実現する「2段折りたたみ式」

「AU-08 / WHITE」は、2段折りたたみ式の晴雨兼用傘。
2段折りたたみ式は、3段折りたたみ式と比較すると収納時のサイズが大きくなるというデメリットがあるものの、トレードオフの関係にある耐風性と軽量性のバランスを保ちやすいのが特徴。
構造上、より太くて厚いシャフトを先端まで使えること、可動部を減らすことができることから、強度を高めながらも軽くすることができるのです。

左:3段折りたたみ式(先端側のシャフトほど細くなる)、右:2段折りたたみ式(先端側までより太いシャフトにできる )
そのため、収納サイズよりも実使用時の使用感や強度を重視する<arata>は、あえて2段折りたたみ式を採用しています。

arata「AU-08 / WHITE」 開閉時にポキポキする骨の関節部
開閉方法は、傘の骨を1本ずつ伸ばしてから広げ、たたむときもポキポキと折って収納するホック式。
シャフトを伸ばして広げるだけのスライド式よりも手間はかかりますが、メリットもあります。強風にあおられた際に骨部分でひっくり返ることで風を受け流すため、ホック式の方が壊れにくいのです。開いた時の傘の形状がキレイなところもポイント。
②強度の高い8本骨なのに重量はわずか「169g」

傘は骨の数が少なくなればなるほど軽量化できるため、5本骨や6本骨の傘も多く販売されていますが、その分強度が低下してしまいます。これでは登山中などのタフなシーンで活用することは困難です。
そこで「AU-08 / WHITE」は強度の高い8本骨を採用するとともに、「カーボン強化樹脂フレーム」や「アルミシャフト」といった軽量で強度の高い高価な素材を惜しみなく使用し、耐風性と軽量性の両立を実現しています。
③雨を防ぐだけでなく「完全遮光」してくれる生地

「AU-08 / WHITE」に使用されているリップストップファブリックは、軽量さと強度のバランスに優れる生地。
また、生地の裏側にはリップストップファブリックとの相性が良い完全遮光のブラックコーティングが施されており、紫外線や熱線を100%カットしてくれます。

多くの登山向けの日傘で使われている生地表面へのシルバーコーティングではなく、裏側へのブラックコーティングを採用しているのも、より軽量に仕上げるため。シルバーコーティングは反射率が高い反面、遮光率を高めるにはコーティングが厚くなり、重量も増してしまうのです。
④使いやすく疲れにくい「直径88cm」のちょうど良いサイズ感

「AU-08 / WHITE」は使用時のバランスと携帯性を両立するために検討を重ね、直径を88cmに設定されています。
大柄な人でも上半身をしっかり覆うことのできる表面積を確保しつつ、機動力を失わない絶妙なサイズ感。風にあおられた際にバランスを保持しやすい大きさでもあります。
⑤シンプルなのに「誰もが持ちやすい」ハンドル形状

風の強い環境下でも安心して傘をコントロールできるようにと、発売開始時期を遅らせてまでもこだわったというハンドルは、収納サイズよりも握りやすさを重視した形状。手の大きい人にも小さい人にもスッと馴染む絶妙な長さ×太さです。
調節パーツを備えた、長めのゴムストラップが付いています。
⑥持ち運びに便利な「専用収納袋」も付属

付属袋は、ハンドルまですっぽり収納できる仕様。シーム処理はされていないので完全防水ではありませんが、ザック内やほかの荷物が濡れないように守ってくれます。
使えばすぐに実感できる「扱いやすさ」に惚れた!

前述したように、完全遮光・重量・強度のベストバランスを追求してデザインされた「AU-08 / WHITE」。 実際にフィールドで使用して感じた、良かったとところ&気になったところをレビューします。
思っていたよりも、コンパクトで持ち運びやすい

まず初めに感じたのが携行性の高さ。
3段折りたたみ式よりも長さがあるため、持ち運びやすさにはあまり期待していなかったのですが、ザックのサイドポケットに入れても気にならないサイズ感です。軽量なのも相まって持ち運びやすいなと感じました。
しかも、バックパックを背負ったままでもサッと出し入れしやすい長さなんです。長傘ほど飛び出さないところも◎。サイドポケットが浅い場合は、落とさないようにコードで挟むなどの工夫をすればOKです。

左:3段折りたたみ式のトレッキングアンブレラ、右:2段折りたたみ式のarata「AU-08 / WHITE」
収納サイズは3段式の1.3倍ほどの長さですが、その分、すっきりとしたスリムな形状なところも好ポイント!
広げてすぐに実感できる、骨の強さが圧巻
これまで使用していた3段折りたたみ式のトレッキングアンブレラとは、広げたときの感覚がまったく異なりました。
強度にこだわったフレームやシャフトを使っているだけあり、軽いのに骨の強さをしっかり感じられてブレにくいので、さしていて安心感があるんです。ほかの折りたたみ式のトレッキングアンブレラを使ったことがある人の方が、この魅力をすぐに実感できるはずです。

骨の強さは、開閉のしやすさにも繋がっていました。面倒かなと思っていた骨をポキポキするタイプの開閉方法も、作りがしっかりしているためスムーズで、とくに手間だと感じません。
ただ、軽量生地の折りたたみ傘に共通することですが、一般的な雨傘と比べて生地がしなやかでハリ感が弱い分、たたむときにやや手間取りました。使ううちに慣れるとは思いますが。
本当に持ちやすい!操作性の高いハンドルが◎


arataのこだわりがたくさん詰まっている中で、とくに気に入ったのがハンドルの持ちやすさです。
しっかりと包み込んで握れるため、強い風が吹いても、傘が飛ばされてしまうのではないかという心配はほとんどありませんでした。
地味だけど、こだわりを感じる石突&菊座がツボ

細めでやや尖っていたり、簡素で外れてしまいそうだったりする石突の折りたたみ傘も多いなか、「AU-08 / WHITE」は小ぶりだけれど丸みがあって、しっかりとした石突なので安全面でも耐久面でも安心感があります。
傘と石突の間に挟むことで、浸水を防ぐ役割を果たす菊座(ひらひらした部分)も特徴的。傘と同じ生地をヒダ状にしたものはよく見ますが、「AU-08 / WHITE」はラバー製で、より浸水しにくそうな形状だと感じました。
雨も日差しもバッチリ防げる

傘としての機能も申し分なく、しっかりと撥水してくれる上に強い日差しも完全に遮ってくれました。
状況によってレインウェアとの併用を

十分な撥水機能がある一方で少し気になったのが傘の大きさです。直径88cmの傘は上半身をしっかりと覆ってくれますが、下半身は濡れてしまうことがありました。
大雨や風雨の山行の際は、そもそもレインウェアを着用するとは思いますが、状況に応じて併用したり使い分けたりするのが良さそうです。日傘としては十分な大きさでした。
忘れずチェック!山で傘を使用する際の注意点
傘は登山でも使える便利な道具ですが、使い方によっては危険が生じてしまうことも。まず周囲の状況を把握し、危険がないことを確認しましょう!
▼傘の使用が危険な時&場所
・強風時(稜線上や頂上など)
・雷発生時
・狭い登山道
・人が多い場所
・岩場や鎖場など、両手を空けておかなければ危険な場所
積極的に山に連れていきたい!「AU-08 / WHITE」は万能な相棒

レインウェアを着るのが面倒なちょっとした雨や稜線歩きの際の強い日差しから守ってくれるのはもちろん、使い勝手も抜群に良いarataの「AU-08 / WHITE」。その万能さから活躍する機会が多く、一度手にするともう手放せません。
重量もたったの169g。出かける時はバッグパックに入れておきたいと感じさせてくれます。登山の新たな相棒にしてみてはいかがでしょう。
arata AU-08 / WHITE
傘直径:88cm
収納サイズ:37cm
重量:傘169g、付属袋8g
生地:20D リップストップ ポリエステル100%(完全遮光)
フレーム:カーボン強化樹脂
シャフト:アルミニウム合金