欧州で初めてALUULAを採用したパルバット

ヨーロッパで初めてALUULA Graflyteを採用。2022年には世界最大級のスポーツ用品見本市のISPO Awardも受賞したのがイタリアのアルパインパックブランドのPARBAT(パルバット)です。
今回、約3ヶ月間、数回の山行で使用したのは、上画像のcirrus-20L(シーラス20L、¥47,300)です。
その感想は、超軽量ながら、高機能。シンプルさのなかに、ULパックとは異なる、使い勝手のよさとタフさを感じました。
重量はわずか260g!シーラスは、ALUULA Graflyteを使って、しっかり軽量化をしています。その軽さは、トレランパックなら容量は10L程度、ULパックならシンプルな袋状の本体と薄いパッド入りのショルダーハーネスと同等です。
でも、シーラスは、胸荷重を生むベスト型のショルダーハーネスを装備し、容量20L。サイドコンプレッション、ホルダーも装備され、トレッキングポールやアックス等を装着できます。
そう、軽いだけのパックではないのです!
トレランパックの一体感に、アルパインパックの安心感

背面には軽量化のために効果的に肉抜きされたEVAフォーム製バックパネルを搭載。フィット感も高く、山を軽やかに、スピーディーに登り下りしても、ブレません。軽さだけを優先させたパックではないと感じられる、背負い心地のよさがあります。
完全防水ではありませんが、ALUULA Graflyte製で開口部はロールトップなので、小雨程度であれば収納物を大きく濡らすこともありません。
耐荷重は5kg。トレランパックの機動力、ULパックの軽さ、そしてアルパインパックのタフさを融合させたこのパックは、軽量化のノウハウを身に付けたハイカーにとって、新たな山の楽しさを知る、よき相棒となってくれるでしょう。
軽量化と背負い心地を両立させたマウンテンハードウェア

過酷な環境で機能するギアを30年以上に渡って手掛けてきた、米国アウトドアブランドのマウンテンハードウェア。同社は、2026年春、初のULパックシリーズをリリースしています。
それがカザムと上画像のアラカザム。ULパックのデザインを踏襲。大きなフロント&サイドポケットが特長です。主なスペックは以下。
- カザム45L
- 耐久性ナイロンポリエチレンリップストップ製
トップリッドあり、重量1140g(S/M)、¥42,900 - アラカザム45L
- ALUULA Graflyte V78製
トップリッドなし、重量820g(S/M)、¥71,500
トップリッドのあり、なしの違いがありますが、その重量差は320g。
どちらも荷重分散を効率的に行えるアルミフレームを内蔵。アラカザム45の820gは、大手アウトドアブランドが手掛けるバックパックとしては、最軽量級。ALUULA Graflyteの軽さを活かしています。
長距離移動で効果を発揮する、可動式ウエストベルト装備
しかもアラカザム45は、ZENN 35 EXP、cirrus-20L同様に、軽さプラスαなバックパックになっているんです。
大型パックはウエストベルトで腰に、ショルダーハーネスで肩や背中等の上半身に荷重分散させています。しかしウエストベルトで腰を固定すると、骨盤が固定され、歩行がスムーズに行えなくなるデメリットもあるのです。
そこで近年は、上下、または前後に可動できるベルトによって、骨盤の動きを制限せず、歩きやすさを確保する仕様が登場。アラカザム、カザムシリーズは、その機能を搭載しています。

上画像のように、内蔵するV字型アルミフレームの先端を支点にして、ウエストベルトで腰荷重を掛けながらも、腰を固定せず、動きに追随。「Gait Keeper(=歩き方の維持)ヒップベルト」と名付けられています。
今回は、アラカザムではなく、カザム45で登山。この機能を体感したのですが、パック本体のブレを抑える効果は素晴らしいものでした。
岩場等で上半身を左右に動かす際にバランスを崩しにくく、登山道では身体の負荷を軽減。ULパックらしく、長時間、長距離のトレイル移動の快適化に役立つと感じました。
※現在上記ボタンリンク先の公式オンラインショップでは、アラカザム45が売り切れですが、2026年6月末再販予定だそうです。
ALUULA Graflyteの登場は、ULパックを変えるかも

ALUULA Graflyteの特長は、①超軽量・高強度、②高耐久、③完全防水・ゼロ保水。
これらに加えて、④熱接着可能というのもあります。いわゆる溶着と呼ばれ、縫製以上の強度があり、縫い代や糸を使用しないことで、バックパックの軽量化にも役立ちます。
ただし、まだ新しい素材のため、溶着する技術や機具が普及していないことが課題。経年劣化のデータもないので、ハーネスの付け根等、負荷が大きな箇所では縫製で補強することが一般的です。
今回紹介したZENN EXP、cirrusも、縫製による成形を選択。アラカザムは本体を溶着し、さらにシームテープ処理も施して防水性を確実にしています。

最後に、ALUULA Graflyteという素材名ですが、ALUULA Composites(アルーラ・コンポジッツ)社の公式サイトを見ても、Fabricsのページには、ALUULA Graflyteはありません。
というのも、今年2026年から、ALUULA Graflyteは、『ALUULA』という名称になったそうです。採用ブランドの日本のサイトでは、まだALUULA Graflyteと表記していることも多いため、この記事ではALUULA Graflyteと書きましたが、それはALUULAを意味しています。
このALUULA、軽量パックの新定番素材となる可能性は高いです。
しかし高価なこと、そしてアルーラ・コンポジッツ社がゴアテックス社同様にメーカーとのパートナーシップで製品化を進めているため、既存のUL素材のようにガレージブランドから採用パックがリリースされることは少ないようです。
そうしたことからも、軽さ優先ではなく、“軽さプラスα”を形にしたALUULA製バックパックは、新たなULパックの流れを生み出しそうです。
それではみなさん、よい山旅を~~~!
パーゴワークス ZENN 35 EXP
