アイキャッチ画像撮影:筆者
ULザックが気になる!でも「背負い心地」や「耐久性」は心配……

撮影:筆者(一般的なULザック)
ここ数年でガレージブランドを中心に、魅力的な軽量ザックが次々と登場してきました。「こんなに軽いザックがあるなんて!」と驚くほど選択肢が増えたのは、登山者として嬉しいことですよね。
ただ、「軽さ」だけでなく「背負い心地」や「耐久性」まで揃えるのは、なかなか難しいのも事実。「軽いのは魅力だけど、フィット感や耐久性はどうなんだろう……」と、最後の一歩が踏み出せなかった人もいるのではないでしょうか。
軽量ザックの新たな選択肢!ULライクでスマートな「パルマラン35」

撮影:筆者(パルマランの35Lモデル)
そんな悩みに対して、ミレーが出した答えが新シリーズ「パルマラン」です。ULザックに近いスッキリとした見た目ながら、内側にはフレームを内蔵。リップストップナイロン素材による高い耐久性と、厳選されたパーツによる軽量性、そして独自のフィッティング機能を併せ持っています。

撮影:筆者
容量35Lのモデルでもわずか980gという軽量設計ながら、中身の作りは本格派。
用途に合わせて選べる、17L・25L・35L・45Lの4サイズの中で、今回は最も汎用的に使える「パルマラン 35」を実際にテスト。ロールトップを展開すれば約7Lの追加容量を確保でき、荷物が増える小屋泊にも対応可能です。
老舗山岳ブランドならではの技術が、軽量ザックとは思えない背負い心地を実現してくれる、そんなザックを詳しく見ていきます!
ミレー パルマラン35
| 素材 | 100D ナイロン100% / 200D UHMWPE |
|---|---|
| 重量 | 980g |
| サイズ | W30_H59_D26cm |
| バックレングス(背面長) | M=47cm, S=43cm |
| キャパシティ | 35L |
日帰りから小屋泊まで使い回せる万能パック
汎用性の高い35Lサイズ。日帰りから小屋泊まで使い回せるため、幅広く活躍してくれるザックです。
軽さと耐久性を両立!ミレーが導き出した素材と構造
まずは、パルマランが「軽量なのにタフ」を実現できる理由を、「素材」と「構造」の両面から紹介します。
軽さと耐久性を両立している理由
- 高い引張強度を持つ「リップストップナイロン」を採用
- パーツを削ぎ落とすことで、軽量化を実現
高い引張強度を持つ「リップストップナイロン」を採用
パルマランの軽さと耐久性を実現しているのが、超高分子量ポリエチレン繊維(UHMWPE)の糸を使用した高強度のリップストップナイロン。通常のナイロン生地とは異なる織り方がされているんです。

撮影:筆者(左:サースフェー NX 30+5、右:パルマラン 35)
軽さを追求するためには、できるだけ薄い生地を採用するのがセオリー。しかし、単純に薄くするだけでは耐久性が犠牲になりかねません。
例えばミレーの代表作である「サースフェー NX」(写真左)と比べると、サースフェー NXが210デニールのナイロンを採用しているのに対し、パルマランは100デニールがベース。数字だけ見ると、強度が半分ほどになってしまいます。

撮影:筆者
そこでパルマランに採用されているのが、ナイロンよりも高強度で軽量な超高分子量ポリエチレン繊維の糸(200デニール)を格子状に織り込むという手法。これにより耐引き裂き性を補いながら、重量の増加を抑えることも実現しています。
軽さと耐久性を同時に追求した、パルマランの根幹ともいえる生地設計です。

撮影:筆者
ちなみにこの生地は撥水性もあり小雨程度なら浸水を防げますが、完全防水ではないため本降りの雨ではレインカバーの併用がおすすめです。
パーツを削ぎ落とすことで、軽量化を実現

撮影:筆者
980gという重量を実現したもうひとつの理由が、パーツの徹底的な軽量化です。雨蓋やレインカバーをなくし、チェストベルトやコンプレッション用ストラップはストリング(紐)形式を採用することで、不要な重量を削ぎ落としています。

撮影:筆者
ヒップベルトについては着脱が可能。荷物が少ない日帰りハイキングでは、外して軽量化するのもよさそうです。
「軽いのにフィットする」を実現する3つのシステム
「軽量性」「耐久性」と並んで、パルマラン 35の大きな特徴といえるのが、独自のフィッティング機能です。内臓フレームと各フィッティング機能により、軽量ザックとは思えない背負い心地を生み出してくれます。
快適な背負い心地を生み出す3つのシステム
- 肩幅に合わせた調整により重心が安定する「トップラダースタビライザー」
- ザックが体に吸い付く「ボディフィットストラップ」
- 安定感と背負い心地をもたらす「軽量金属フレーム」+「3Dメッシュ背面パネル」
肩幅に合わせた調整により重心が安定する「トップラダースタビライザー」

撮影:筆者
まず紹介したいのが、ショルダーハーネスの取り付け位置を5段階で変更できる「トップラダースタビライザー」。フックを掛け替えるだけで調整できる、パルマラン独自の機能です。
これにより、肩幅の広さに関わらず、その人にぴったりのショルダーハーネス位置に調整が可能。フィット感を高めることで、長時間背負っても疲れにくくなります。軽量ザックで肩幅調整ができるモデルは、かなりレアな存在です。
ザックが体に吸い付く「ボディフィットストラップ」

荷室の底部両サイドにある「ボディフィットストラップ」を引くと、ザック全体がぐっと体に密着。荷物の揺れを抑えながら荷重を体全体に分散してくれるので、長時間の行動でも疲れを感じにくくしてくれます。

撮影:筆者
さらに、前述の「トップラダースタビライザー」の紐を引くと、ザックをぐっと背中に引き寄せることが可能。上半身とザックの一体感が増すことで、荷物によるブレを抑えてくれます。
安定感と背負い心地をもたらす「軽量金属フレーム」+「3Dメッシュ背面パネル」

撮影:筆者
パルマランのもう一つの大きな特徴が、背面パネルの縁に沿って内蔵された「軽量金属フレーム」。軽量ザックはフレームレスのタイプも増えていますが、あえてフレームを採用することで、荷重をヒップベルトへスムーズに伝え、疲れにくい背負い心地を実現しています。

撮影:筆者
さらに3Dメッシュパネルが背中との間に空間を作り、夏場の蒸れも軽減。背負い心地の細かい作り込みはさすがミレーといった印象です。
