三角点は4種類ある|等級を知るとちょっと自慢できる
三角点は1等から4等までの4種類。役割や見分け方は以下の通りです。

1等の標石はなんと重さ約90kg。「えっ、そんなに重くなさそうだけど……そう思った人も多いはず。
実は……

この図のように、私たちが目にしているのは、ほんの一部にすぎません。実際に見えているのは「標石頭部」だけで、その大部分は地下に埋められています。90kgというのにも納得できますね。
三角点の多くが設置されたのは明治から大正時代で、現代のようにヘリコプターはありません。この重い標石を人の力だけで山頂まで背負い上げたのですから、さぞ、大変な作業だったことでしょう。
富士山は一等三角点じゃない!?

意外に思われるかもしれませんが、富士山(標高3,776m)の山頂に設置されている三角点は、一等三角点ではなく二等三角点です。
一方、日本で最も標高の高い場所にある一等三角点は、南アルプス・赤石岳(標高3,120m)の山頂付近に設置されています。

このことからも分かるように、三角点の等級は山の格や高さで決まるものではありません。測量が行われた目的や時代背景、そして全国的な配置計画によって定められています。富士山が二等三角点であるのも、「既存の測量網との関係」が大きく影響しているのです。
登山で三角点を楽しむポイント

登山において、三角点そのものを目的に山を歩く、いわゆる“三角点マニア”と呼ばれる人の「三角点登山」もあれば、山野草鑑賞や山ごはんと同じように、登山の楽しみのひとつとして三角点を探す人もいます。ちなみに筆者は後者で、山歩きの途中で三角点に出会えることを楽しんでいます。
楽しむポイント①|探索を楽しむ

三角点の設置場所が山頂の場合でも、実際の最高点から少しずれた場所に置かれていることがあります。また、雑草に覆われていたり、山頂ではなく尾根上などに設置されていたりすることもあり、必ずしも分かりやすい場所にあるとは限りません。だからこそ、「どこにあるんだろう?」と探しながら歩く楽しみがあるのも、魅力のひとつです。
まずはいつもの登山の途中で、見つけた三角点の標石にそっと触れてみる――そんな気軽な楽しみ方から始めてみるのがおすすめです。
楽しむポイント②|眺望を楽しむ

三角点の設置条件は見晴らしの良い場所であること。そのため、三角点を目指して歩けば、必然的に良い景色に出合えることが多いのも魅力です。もっとも、設置から長い年月が経ち、周囲の木々が成長して眺望が悪くなっている場合もありますが、それもまた時の流れを感じさせてくれます。
楽しむポイント③|歴史を楽しむ

三角点は明治から大正時代にかけて設置された、いわば山に残る歴史的な建造物でもあります。設置の記録は「基準点成果等閲覧サービス」で調べることができます。
基準点成果等閲覧サービスを利用すると、三角点設置の記録である「点の記(てんのき)」を閲覧できます。
この点の記を題材にしたのが、新田次郎の小説『剱岳 点の記』。明治時代、劔岳への三角点設置に命懸けで挑んだ測量士たちを描いた物語で、映画化もされ、多くの人に知られています。
劔岳のようなドラマティックな例でなくても、どの三角点にもそれぞれの歴史があります。「点の記」はもちろん、郷土史などに記録が残っていることも少なくありません。山で出会った三角点の背景を知ることで、当時の測量の苦労や時代の様子が見えてきます。三角点巡りは、そんな物語に触れられる奥深い楽しみでもあります。
三角点は測量法で守られた国家基準点です。破損や落書きは禁止されています。撮影する人も多いため、ザックを置いて占有しないなどの配慮も心がけましょう。
