実用的な機能の豊富さは、マイルストーンらしさ

化繊中綿なのに、ダウン的フンワリ感というだけで、次にインサレーションウエアを買うならコレかな!と私はなってしまいましたが、ヒートウェーブ チタニウム フーディ&パンツは、しっかり実用性も装備しています。
まず、上画像を見ての通り、フロントファスナーが首元でオフセットされ、顎に当たらないようになっています。ファスナーからの冷気の侵入を抑えるフラップも装備。ファスナーは下からも開けられるダブルスライダーで、行動時のウエア内の温度調整に役立ちます。

フードは後頭部にフィット感を調節するストレッチコードを装備。ヘルメット着用も可能な大きさ、深さがあります。

前身頃下部の左右のハンドポケット内部は、保温性の高いニット地が甲側に張られています。

その左ハンドポケットは、裏返して本体を収納できるポケッタブル仕様。パンツも腰部にあるポケットに収納可能で、大きさは上画像の通りです。
フーディは収納すると枕にするのにちょうどよい大きさで、ニット素材の裏地側を頭に当てると気持ちいい、同ブランド曰く、“マクラブル仕様”だそう!
あまり見かけない、こんな機能も

フリース製のフーディ等の行動保温着やウィンドシェルに多く装備されているサムホール。グローブ替わりに機能してくれたり、グローブの保温力をアップしてくれたり、袖がずり上がるのも防いでくれるもの。それをヒートウェーブ チタニウム フーディは装備しています。
グローブを忘れた……といううっかりさんや、想定以上の寒さとなったときに、「あって、よかった!」となるでしょう。また薄手の保温グローブではちょっと寒い……という場合にも、保温力をアップするのに役立ってくれます。

パンツの裾には、シューズを履いたまま着脱できるように、約40cmと長めのファスナーを装備しています。ほとんどのインサレーションパンツはなぜかインナー的な仕様が多く、裾ファスナーが省略されがちです。
しかし、食事休憩時などに寒さを感じてインサレーションジャケットを羽織るのと同じように、パンツもすぐに履きたいと感じることがあります。その際、シューズを脱がずに着脱できれば、面倒くさがらず、我慢せずに済みます。実用にかなった機能です。

インサレーションパンツはインナー的と上記した通り、ポケットを装備していないモデルが多いです。でも、アウター的防寒着として使うなら、ハンドポケットはあった方が便利。
という訳で、ヒートウェーブ チタニウム パンツには、ハンドポケットを装備しています。間違いなく、あった方が便利でした。

腰部にも、スマホ収納にちょうどいいポケットを装備。座った時にスマホが地面や座面に当たらない深さになっています。ポケッタブル機能は、このポケットを裏返して、本体を収納します。
また黒系なので見にくいですが、尻部はちょっと厚手の生地を採用。裾のファスナー同様に、マイルストーンはインサレーションパンツをアウターとして着用することをしっかりと想定してデザインしてくれていることに、好感が持てました。
行動保温着としてよりも、保温着として着たい!

化繊中綿製なので、濡れても保温力の低下は最小限。サムホールも装備し、表地にストレッチ性はないものの、ステッチが少なく、採用されるパターンは動きやすさも確保されています。だから、行動保温着としても機能してくれます。
ですが、今回テストした気温5℃前後では、暑がりで心拍数を上げて移動する私には保温力がありすぎでした。氷点下、または寒がり、冷え性の方なら、この保温力の高さは、強い味方になってくれるでしょう。
中綿のクライマシールドAPEXは透湿性の高さも特長です。フロントファスナーの開閉でのウエア内温度の調節を適宜行えば、オーバーヒートもしにくいと思います。

とはいえ、軽量コンパクトな収納性、フンワリとした着心地、じんわりとした暖かさ、パンツの着脱のしやすさから考えると、寒い季節の休憩時、テント泊縦走でのテント場での保温着として装備、着用するのがベストな使い方に思えました。
もちろん、冬のデイハイクでの行き帰りの保温着としても最高です。
なにより長く着てもヘタりにくく、フンワリとした包まれ感が持続してくれるだろうクライマシールドAPEXの実際の耐久性がどんなものなのか……?今回のテストではわかりませんが、5年も着るとペラペラになってきてしまう化繊、そしてダウンのインサレーションウエアが多いので、かなり期待してしまいます。
そして素材の進化、実用性の深化を感じさせる、このマイルストーンの「ヒートウェーブ チタニウム フーディ&パンツ」。使用、体感すると、今使っているインサレーションウエアが古臭く思えるレベルです。
それでは皆さん、よい山旅を!!
マイルストーン ヒートウェーブ チタニウム フーディ
マイルストーン ヒートウェーブ チタニウム パンツ
